アプリケーションおよびコンポーネントのサービス方針の決定
side-by-side 実行を目的とするアプリケーションまたはコンポーネントを作成した後は、その更新とサービスの方法を決める必要があります。ランタイムの新しいバージョンがリリースされ、side-by-side 実行に使用されたときに、この新しい環境でどのようにアプリケーションまたはコンポーネントを管理するかを決める必要があります。また、アプリケーションまたはコンポーネントの更新についても計画する必要があります。更新は、埋め込み先パッチ (つまり、コードの置換) を使用するか、またはコードの複数バージョンを許可することによって行います。
アプリケーションおよびコンポーネントに対してサービスを実施する従来のモデルでは、更新および修正したコードで既存のコードを上書きする方法が使用されていました。しかし、side-by-side 実行によって、このモデルは変わりました。既存のファイルの上書きや古いバージョンのアンインストールの要求に加え、side-by-side 実行では次のようなサービス オプションも実施することができます。
アプリケーションまたはコンポーネントの埋め込み先パッチを使用する。
このオプションでは、埋め込み先置換がアプリケーションまたはコンポーネントを壊さないかどうかを判断する必要があります。また、埋め込み先修正によって加えられたどのような変更もユーザーは元には戻せないことも理解する必要があります。
side-by-side 実行によって、アプリケーションまたはコンポーネントの新しいバージョンを古いバージョンと共に実行する。
このオプションでは、ユーザーはアップグレードから解放され、いつもと同じ方法でアプリケーションまたはコンポーネントを起動します。また、アップグレードしたバージョンが期待どおりに動かない場合、ユーザーは前のバージョンに戻れます。しかし、このオプションでは、ユーザーは理論的にさまざまなアップグレードのレベルを持つ複数のアプリケーションを実行していることになります。深刻な修正が必要な場合、開発者はアプリケーションまたはコンポーネントのすべてのバージョンにサービスを提供する必要があります。コードの特定の部分の複数のバージョンが同時にインストールされている可能性があるため、製品の最新バージョンだけにサービスを提供するだけでは不十分なこともあります。
安定性についての必要性と既存のアプリケーションの修正とパッチの必要性のバランスを考慮することが重要です。製品のすべてのバージョンにサービスを提供することは現実的ではありません。また、アプリケーションまたはコンポーネントのすべての更新を埋め込み先修正で行うことも現実的ではありません。
参照
概念
side-by-side 実行用のアプリケーションおよびコンポーネントを作成するときのガイドライン