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アドレス一覧のプロパティの構成

適用先 : Exchange Server 2010

アドレス一覧は、受信者およびその他の Active Directory オブジェクトの集合です。それぞれのアドレス一覧には、ユーザー、連絡先、グループ、パブリック フォルダー、会議、その他のリソースなど、1 つ以上の種類のオブジェクトを含めることができます。アドレス一覧には、特定のユーザー グループのために、メールが有効なオブジェクトを Active Directory 内で分割する機能もあります。

アドレス一覧に関連する他の管理タスクについては、「アドレス一覧の管理」を参照してください。

前提条件

  • Exchange 管理コンソール (EMC) を使用して、グローバル アドレス一覧 (GAL) を編集することはできません。GAL を編集できるのは、シェルで Set-GlobalAddressList コマンドレットを使用した場合だけです。
  • EMC を使用して、アドレス一覧をそのコンテナーから移動することはできません。シェルで Move-AddressList コマンドレットを使用する必要があります。詳細については、「アドレス一覧を移動する」を参照してください。
  • EMC を使用して、[すべての連絡先][すべてのグループ][すべての会議室][すべてのユーザー]、および [パブリック フォルダー] という既定のアドレス一覧の条件または受信者の種類を編集することはできません。これらの既定のアドレス一覧を編集するには、シェルを使用する必要があります。

実行内容

EMC を使用してアドレス一覧プロパティを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「アドレス一覧」。

  1. コンソール ツリーで、[組織の構成] > [メールボックス] にアクセスします。

  2. 結果ウィンドウで [アドレス一覧] タブをクリックし、構成するアドレス一覧を選択します。

  3. 操作ウィンドウで、[編集] をクリックします。

  4. [概要] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [名前]   このボックスを使用して既存の名前を表示するか、またはアドレス一覧の新しい名前を入力します。名前は最大 64 文字です。ワイルドカード文字を含めることはできますが、円記号 (\) を含めることはできません。
    • [表示名]   このボックスを使用して既存の表示名を表示するか、またはアドレス一覧の新しい表示名を入力します。ユーザーが Outlook などのクライアントからアドレス一覧を表示するときには、この名前がユーザーに表示されます。
    • [コンテナー]   この読み取り専用のボックスには、一覧作成時に指定したアドレス一覧のコンテナーへのパスが表示されます。
  5. [フィルターの設定] ページで、以下のフィールドに入力します。

    注意

    シェル内で、このアドレス一覧を受信者フィルターを使用して作成した場合、受信者の種類を編集することはできません。フィルターを変更するには、シェルを使用する必要があります。詳細については、「受信者フィルターを使用してアドレス一覧を作成する」を参照してください。

    • [このフィルターを適用する受信者コンテナーを選択してください]   受信者コンテナーでは、アドレス一覧の組織単位 (OU) フィルターを定義します。[参照] をクリックし、[組織単位の選択] ダイアログ ボックスを開きます。このダイアログ ボックスを使用して、受信者を選択できる OU を指定します。

    • 含める受信者の種類を選択します。[すべての受信者の種類] または [次の特定の種類] を選択できます。[次の特定の種類] を選択する場合は、次の受信者の種類を 1 つ以上選択できます。
      [Exchange メールボックスを持つユーザー]   アドレス一覧を Exchange 2010 のメールボックスを持つユーザーに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。Exchange メールボックスを持つユーザーとは、Exchange 組織でユーザー ドメイン アカウントとメールボックスを持つユーザーのことです。
      [外部の電子メール アドレスを持つユーザー]   アドレス一覧を外部の電子メール アドレスを持つユーザーに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。外部の電子メール アカウントを持つユーザーは、Active Directory のユーザー ドメイン アカウントを持っていますが、組織の外部の電子メール アカウントを使用します。これにより、これらのユーザーは GAL に含まれ、配布リストに追加されます。
      [リソース メールボックス]   アドレス一覧を Exchange リソース メールボックスに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。リソース メールボックスを使用すると、会議室や社用車などの会社のリソースをメールボックスによって管理できます。
      [外部の電子メール アドレスを持つ連絡先]   アドレス一覧を外部の電子メール アドレスを持つ連絡先に適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。外部の電子メール アカウントを持つ連絡先は Active Directory のユーザー ドメイン アカウントを持っていませんが、外部の電子メール アドレスは GAL で使用できます。
      [メールが有効なグループ]   アドレス一覧をメールが有効になっているセキュリティ グループや配布グループに適用する場合は、このチェック ボックスをオンにします。メールが有効なグループは配布グループと同様です。メールが有効なグループ アカウントに送信された電子メール メッセージは、複数の受信者に配信されます。

      注意

      ユニバーサルではない配布グループがアドレス一覧に含まれている場合、EMC でアドレス一覧をプレビューしたとき、これらの配布グループは表示されません。(手順 6. で説明する) [プレビュー] ボタンをクリックしたときにすべての配布グループが表示されるようにするには、ユニバーサルではない配布グループをユニバーサル配布グループに変換する必要があります。配布グループをユニバーサル配布グループに変換する方法の詳細については、「Set-Group」の説明を参照してください。

  6. [条件] ページで、以下のフィールドに入力します。
    [ステップ 1: 条件の選択]   アドレス一覧の条件を編集または設定するには、このセクションを使用します。一覧の条件を指定しない場合は、すべてのチェック ボックスをオンにしないでください。

    • [都道府県内の受信者]   アドレス一覧に特定の都道府県内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [アドレスおよび電話] タブに含まれています。
    • [部署内の受信者]   アドレス一覧に特定の部署内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [組織] タブに含まれています。
    • [社内の受信者]   アドレス一覧に特定の会社内の受信者のみを含める場合は、このチェック ボックスをオンにします。この情報は、受信者のプロパティの [組織] タブに含まれています。
    • [カスタム属性が値と等しい]   各受信者には、15 個のカスタム属性があります。カスタム属性ごとに個別の条件があります。アドレス一覧に、特定のカスタム属性に対して特定の値が設定されている受信者のみを含める場合は、そのカスタム属性に対応するチェック ボックスをオンにします。

    注意

    都道府県部署、および会社の条件は、メールボックス、メール ユーザー、およびメール連絡先にのみ適用可能な属性に基づいています。これらの条件は、メールが有効な配布グループには適用されません。アドレス一覧にこのような条件を構成すると、メールが有効な配布グループは事実上すべて除外されます。

    [ステップ 2: 条件の編集 (下線が引かれている値をクリックしてください)] ステップ 1 で条件を選択すると、選択した各条件はアドレス一覧の定義に追加されます。たとえば、ステップ 1 で [都道府県内の受信者] チェック ボックスをオンにすると、ステップ 2 では [指定された都道府県の場合] 条件が表示されます。
    各条件について、下線付きの用語をクリックして条件を作成します。既定では、新しい条件の下線付きの用語は [指定] です。条件を編集すると、下線付きの用語が、指定した値に変更されます。
    [都道府県][部署]、または[会社]の条件の下線付きの値をクリックすると、ダイアログ ボックスが表示され、条件の値を指定できます。条件の値を作成するには、ダイアログ ボックスの次のボタンを使用します。

    • [追加]   テキスト ボックスに値を入力し、[追加] をクリックします。複数の値を追加できますが、重複する値は入力できません。
    • [編集]   既存の値を変更するには、一覧で値を選択し、[編集] をクリックします。
    • [削除] アイコン 既存の値を削除するには、一覧で値を選択し、[削除] アイコン をクリックします。
      カスタム属性条件の下線付きの値をクリックすると、ダイアログ ボックスが表示され、条件の値を指定できます。各カスタム属性には 1 つの値を指定できます。テキスト ボックスに値を入力し、[OK] をクリックします。

    重要

    これらのダイアログ ボックスで入力する値は、受信者のプロパティに表示される値と正確に一致している必要があります。たとえば、[都道府県が指定された都道府県の場合] ダイアログ ボックスに「Washington」と入力した場合に、受信者のプロパティの [アドレスおよび電話] タブに県名が [WA] と表示されていると、条件が満たされません。

  7. [スケジュール] ページで、以下のフィールドに入力します。
    [アドレス一覧の適用]   以下のいずれかのオプションを選択して、アドレス一覧への変更をいつ適用するかを指定します。

    • [適用しない]   変更を適用しない場合は、このボタンをクリックします。このアドレス一覧を選択した受信者に適用するには、Update-AddressList コマンドレットまたはアドレス一覧の適用ウィザードを使用します。詳細については、「アドレス一覧の適用」を参照してください。
    • [直ちに適用する]   変更を直ちに適用するには、このボタンをクリックします。
    • [次の時刻に適用する]   変更を適用する時刻を指定するには、このボタンをクリックし、対応する一覧を使用します。
      [次の時間が経過したら実行中のタスクを取り消す (時間)]   タスクの実行に許可される時間を指定するには、このチェック ボックスをオンにし、対応するテキスト ボックスを使用します。既定値は 8 時間です。
  8. [アドレス一覧の編集] ページで、構成の設定を確認します。アドレス一覧に対する変更を適用するには、[編集] をクリックします。構成を変更するには、[戻る] をクリックします。

  9. [完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。
    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。
  10. [終了] をクリックしてウィザードを閉じます。

シェルを使用してアドレス一覧プロパティを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「アドレス一覧」。

この例では、Contoso California Branch というアドレス一覧に、カリフォルニアの Contoso という会社の支社に勤務する受信者を含めるように構成します。

Set-AddressList -Identity "Contoso California Branch" -ConditionalCompany Contoso -ConditionalStateorProvince California