移動要求のプロパティの表示
適用先 : Exchange Server 2010
移動要求は、メールボックスをあるメールボックス データベースから別のデータベースに移動する処理です。移動要求プロセスを開始した後は、Microsoft Exchange Mailbox Replication サービスがメールボックスをソース データベースからターゲット データベースにレプリケートして、移動要求のステータスが [完了しました] になるまで待機する必要があります。
この待機時間中に、移動要求のステータスを表示するには、Exchange Management Console (EMC) または Exchange 管理シェルの Get-MoveRequest コマンドレットを使用します(詳細なレポートの場合は、Get-MoveRequest コマンドレットを IncludeReport パラメーターで実行します)。
移動要求が完了した後に、完了した移動要求の移動履歴を表示するには、Get-MailboxStatistics コマンドレットを IncludeMoveHistory パラメーターで実行します。また、完了移動要求レポートを取得するには、Get-MailboxStatistics コマンドレットを IncludeMoveReport パラメーターで実行します。移動中に発生したエラーまたは障害をトラブルシューティングするには、この情報を使用します。
注 : |
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移動要求は、[キューに登録済み] ステータスになるまで、[移動要求] ノードの結果ウィンドウには表示されません。 |
移動要求に関連する他の管理タスクについては、「移動要求の管理」を参照してください。
実行内容
- EMC を使用して進行中の移動要求のステータスを表示する
- シェルを使用して進行中の移動要求のステータスを表示する
- シェルを使用して完了済み移動要求レポートを表示する
EMC を使用して進行中の移動要求のステータスを表示する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「メールボックスの移動」。
[移動要求] ノードの結果ウィンドウに移動要求のステータスを表示できます。また、移動要求のプロパティ ページを表示することによって、移動要求の一部の統計を表示できます。
コンソール ツリーで、[受信者の構成] > [移動要求] にアクセスします。
注 : EMC に複数のフォレストがある場合、ターゲット フォレストの [移動要求] ノードに移動する必要があります。 結果ウィンドウで、移動要求を選択します。
操作ウィンドウで [プロパティ] をクリックします。
[全般] タブは、移動要求に関する以下の情報を表示するために使用します。
- [リモート ホスト名] Exchange フォレスト間でメールボックスを移動している場合、このフィールドにリモート ホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN) が表示されます。これがローカル移動であれば、このフィールドは空白です。
- [移動要求のステータス] この読み取り専用フィールドには、次に示す移動要求のステータスのいずれかが表示されます。
[自動的に中断しました] このステータスは、移動を完了する準備ができているが移動要求の作成時にコマンドに SuspendWhenReadyToComplete スイッチが追加されたことを示します。移動要求を再開するには、Resume-MoveRequest コマンドレットを使用するか、操作ウィンドウの [移動要求の完了] 操作を使用します。詳細については、「移動要求の完了」を参照してください。
[完了しました] このステータスは、移動要求が警告なしで正常に完了したことを示します。
[警告が発生しましたが、完了しました] このステータスは、移動要求が完了しましたが警告が発生したことを示します。詳細については、「メールボックス移動のトラブルシューティング」を参照してください。
[完了の処理中です] このステータスは、メールボックスが移動の最終段階であることを示します。移動がオンライン移動であった場合、この時点で、ユーザーのメールボックスは使用できなくなります。
[失敗] このステータスは、移動要求が失敗したことを示します。移動が失敗した理由を説明するメッセージを表示するには、[失敗したメッセージ] フィールドの横にある [表示] をクリックします。
[処理中] このステータスは、移動要求がまだ処理中であることを示します。これがオンライン メールボックス移動である場合、ユーザーはメールボックスにまだアクセスできます。オフライン メールボックス移動の場合、ユーザーのメールボックスは使用できません。
[キューに登録済み] このステータスは、移動がキューに登録されており Microsoft Exchange Mailbox Replication サービスによる取得を待機していることを示します。
[完了する準備ができました] このステータスは、移動を完了する準備ができていることを示します。この場合、移動を手動で完了する必要があります。詳細については、「移動要求の完了」を参照してください。
[中断] このステータスは、Suspend-MoveRequest コマンドレットの使用によって移動が中断されたことを示します。移動要求を再開するには、Resume-MoveRequest コマンドレットを使用するか、操作ウィンドウの [移動要求の完了] 操作を使用します。詳細については、「移動要求の完了」を参照してください。 - [失敗したメッセージ] 移動要求が失敗した場合は、[表示] をクリックして移動が失敗した理由を表すメッセージを表示します。このメッセージは、失敗のトラブルシューティングに役立ちます。このボタンは、移動が失敗した場合のみ有効になります。
- [達成率] このフィールドには、移動要求の達成率が表示されます。
- [移動要求がキューに格納された時間] このフィールドには、移動要求がキューに格納された時間が表示されます。時間は、移動要求が作成された時間と同じでない場合があります。
- [移動要求開始時刻] このフィールドには、実際の移動が始まった時間が表示されます。
- [期間] このフィールドには、移動の完了にかかる時間が表示されます。
- [メールボックスのサイズ] このフィールドには、移動中のメールボックスのサイズが表示されます。
- [無効なアイテム数] このフィールドには、移動中に検出された無効なアイテムの数が表示されます。
シェルを使用して進行中の移動要求のステータスを表示する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「メールボックスの移動」。
この例では、Tony Smith のメールボックス (tony@contoso.com) に対する現行の移動のステータスを取得します。
Get-MoveRequest -Identity 'tony@contoso.com'
この例では、マーケティング部門のユーザー メールボックスに対する現行の移動のステータスを取得します。
Get-User -Filter {Department -like 'Marketing'} | Get-MoveRequest
この例では、ターゲット データベース DB05 への現行のメールボックス移動のステータスを取得します。
Get-MoveRequest -MoveStatus InProgress -TargetDatabase DB05
この例では、警告が発生した FromDB01toDB02 バッチ内の完了済み移動要求のステータスを取得します。
Get-MoveRequest -Batchname "FromDB01ToDB02" -MoveStatus CompletedWithWarning
構文およびパラメーターの詳細については、「Get-MoveRequest」を参照してください。
シェルを使用して完了済み移動要求レポートを表示する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「メールボックスの移動」。
この例では、IncludeMoveHistory パラメーターを使用して、Tony Smith のメールボックスへの完了済み移動要求の移動履歴を取得します。
Get-MailboxStatistics -Identity tony@contoso.com -IncludeMoveHistory
この例では、IncludeMoveReport パラメーターを使用して、Ayla Kol のメールボックスの失敗した移動要求の詳細な移動レポートを取得します。
Get-MailboxStatistics -Identity ayla@contoso.com -IncludeMoveReport
構文およびパラメーターの詳細については、「Get-MailboxStatistics」を参照してください。
その他のタスク
移動が完了した後は、EMC の結果ウィンドウから移動要求をクリアできます。詳細な手順については、「フォレストの 1 つに Exchange 2010 がない場合のリモート レガシ移動要求の作成」を参照してください。
移動が失敗した場合、失敗の原因を特定するために移動をトラブルシューティングすることができます。詳細については、「メールボックス移動のトラブルシューティング」を参照してください。