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動的配布グループ

適用先: Office 365 for enterprises, Live@edu

クラウドベースのサービスでは、動的配布グループと呼ばれる特別な種類の配布グループがサポートされています。配布グループとも呼ばれる通常の配布グループの静的なメンバーシップの一覧とは異なり、動的配布グループのメンバーシップの一覧はグループにメッセージが送信されるたびに計算されます。この計算は、グループを作成するときに定義するフィルターおよび条件に基づいて行われます。動的配布グループに送信された電子メール メッセージは、定義したフィルターと条件に一致する組織内のすべての受信者に配信されます。

動的配布グループを使用する場合

大学でクラウドベースのサービスを使用しているとします。さまざまな学部の学生の登録は、学期ごとに、さらには学期の途中でも変更されます。学生のメールボックスの "部署" フィールドに学部を設定し、動的配布グループを使用すると、学部に基づいて学生にフィルターを適用できます。この方法では、学部の配布グループから手動で学生を追加または削除する必要がありません。

また、動的配布グループは配布グループのメンバーを隠す場合に便利です。これは、送信者、受信者、またはその他のユーザーに対してグループのメンバーシップが表示されないためです。

クラウドベースのサービスと社内の Microsoft Exchange サーバーを使用している組織で、大きな配布グループがあり、社内外にまたがる環境が存在する場合も、動的配布グループは役立ちます。動的配布グループは送信先の各受信者に展開されるため、メッセージの単一コピーだけがクラウドベースのサービスと社内の Exchange 組織の間で送信されます。これにより、クラウドベースのサービスと社内の Exchange 組織との間のメッセージのトラフィックが減少し、大きな配布グループのメッセージ配信を迅速に行うことができます。

動的配布グループを作成する場合にフィルターと条件を定義する方法

フィルターには、IncludedRecipients パラメーターを使用する既定のフィルターと、RecipientFilter パラメーターを使用するカスタマイズしたフィルターの 2 つがあります。カスタマイズしたフィルターと既定のフィルターを同時に使用することはできません。

両方のフィルター処理方法は Windows PowerShell を使用して実装されます。動的配布グループは Web 管理インターフェイスに表示されません。

ここでは、2 つの方法の違いについて簡単に説明しています。

フィルター処理方法 フィルター処理可能な属性 フィルター演算子

IncludedRecipients パラメーターを使用する既定のフィルター

以下の属性に限られます。

  • 受信者の種類
  • 会社名
  • カスタム属性フィールド
  • 部署
  • 都道府県

以下の条件によって制限されます。

  • 属性値を指定する場合、"Department equals Sales" のように EQV 演算子が使用されます。ワイルドカードおよび部分一致の機能はサポートされていません。
  • 同じ属性に複数の値を指定する場合、"Department equals Sales OR Marketing" のように OR 演算子が使用されます。
  • 複数の属性を指定する場合、"Department equals Sales AND Company equals Contoso" のように AND 演算子が使用されます。

RecipientFilter パラメーターを使用するカスタマイズしたフィルター

使用可能なすべての受信者属性を使用できます。

使用可能なすべての Windows PowerShell 条件演算子を使用できます。ワイルドカードおよび部分一致の機能がサポートされています。

その後の処理