スパム検疫およびポリシー検疫の構成

 

スパム検疫を使用した場合、企業の電子メール サーバーでスパム電子メールを処理して格納する必要がないため、これはスパムの格納方法として最も広範に使用されています。また、スパム検疫にはユーザーがスパム メッセージを並べ替える必要がないという利便性があり、結果として従業員の生産性が向上します。さらに、ポリシー設定を使用してメッセージを検疫することにより、ユーザーが後でメッセージにアクセスすることもできます。

Forefront Online Protection for Exchange (FOPE) スパム検疫には次の 2 つの機能があります。

  1. スパム (迷惑メール) として識別された電子メールおよびポリシー設定によって検疫された電子メールを格納する、オフサイトのスパム ストレージ。スパム検疫でキャプチャされた電子メールは、企業ネットワークに到達しません。

  2. 受信後に検疫でキャプチャされたスパムをその受信者が確認できる、Web ベースのインターフェイス。ユーザーはこのインターフェイスを使用して、キャプチャされたメッセージを確認し、必要に応じて自分の受信トレイに移動して、誤検知 (正当な電子メールが誤ってスパムとして認識されること) を報告することができます。

サービスに対してスパム検疫の有効化と構成を行うプロセスの概要を次に示します。

スパム検疫およびポリシー検疫を有効にする

スパム検疫およびポリシー検疫は、適用対象のドメインごとに有効にする必要があります。

重要

検疫ではスパムを 15 日間保持します。この期間が過ぎると、電子メール メッセージは削除され、復旧できなくなります。ポリシー検疫メッセージは、7 日間保持された後で削除されます。これらは既定の検疫保持設定です。

スパム検疫のオプション

[スパム検疫] セクションでは、次の 2 つのオプションを使用できます。

  1. [ユーザー アクセスを許可]:[スパム検疫] ユーザー インターフェイスにサインインすることをユーザーに許可します。このオプションを選択しなかった場合も、スパム検疫通知はユーザーに配信されます。

  2. [Outlook 迷惑メール アドインのダウンロードを許可]:Microsoft Office Outlook 用 Microsoft 迷惑メール報告ツールをダウンロードして使用することをユーザーに許可します。このツールを使用することで、ユーザーは簡単にマイクロソフトに迷惑メールを報告できます。マイクロソフトは報告された迷惑メールを分析し、将来の迷惑メールの数と影響を減らします。

ポリシー検疫のオプション

[ポリシー検疫] セクションでは、次のオプションを使用できます。

  1. [ユーザー アクセスを許可]:ポリシー検疫ユーザー インターフェイスにサインインしてポリシー検疫を表示することをすべてのユーザーに許可します。

  2. [添付ファイルのダウンロード]:ポリシー ルールに従って検疫されたメッセージの添付ファイルをダウンロードできるかどうかを指定します。さらに、そのメッセージを処理できるのがすべてのユーザーか、管理者のみであるかを指定します。

  3. [メッセージのリリース]:ポリシー ルールに従って検疫されたメッセージをリリースして元の受信者の受信トレイに配信できるかどうかを指定します。さらに、そのメッセージを処理できるのがすべてのユーザーか、管理者のみであるかを指定します。

  4. [誤検知報告のコピー先]:この設定で、スパム検疫の誤検知報告のコピーを送信する先の電子メール アドレスを追加できます。社内の任意のドメインの電子メール アドレスを指定できます。

次の図は、[検疫] ダイアログ ボックスです。ここで、スパム検疫およびポリシー検疫のオプションを有効にできます。

スパム検疫の設定方法

スパム検疫およびポリシー検疫のオプションを有効化する方法については、「検疫の設定を構成する」を参照してください。

スパム検疫通知を有効にして構成する

スパム検疫メールボックスに保持されている検疫された電子メール メッセージについて、そのメールの受信者に通知することもできます。ポリシー ルールで検疫されたメッセージの場合、この通知は利用できません。スパム検疫通知を有効にする際に、送信する通知の種類と送信する頻度を選択できます。メッセージの形式には次のいずれかを指定できます。

  1. [テキスト]: スパム検疫メールボックスへのリンクが記載されたテキストベースの電子メール通知が送信されます。

  2. [HTML]: HTML ベースの通知では、前回の通知以降にユーザーの迷惑メール検疫メールボックスに配信された新しいスパム メッセージの概要が示されます。この通知で、検疫されたメッセージの一覧を確認することができます。検疫メールボックスへのアクセスが許可されているユーザーは、メッセージの件名をクリックして、検疫迷惑メール フォルダーにある対象メッセージを表示することもできます。検疫メールボックスへのアクセスが許可されていないユーザーは、スパム通知に記載されている [受信トレイへ移動] リンクのみを利用できます。

サンプルの検疫通知を参照し、その使い方を学ぶには、「スパム検疫通知」を参照してください。

スパム検疫通知を設定する方法については、「通知設定を管理する」を参照してください。

エンド ユーザーは「FOPE スパム検疫メールボックス」を参照することによって、スパム検疫サービスの利用方法を学ぶことができます。

スパム サービス設定を選択する

サービス サブスクリプションによっては、追加のスパム フィルター (ASF) のオプションを利用できる場合があります。その場合、次のオプションを選択できます。

  1. [追加のスパム フィルター (ASF) のオプション]:このオプションで、より強力なスパム フィルターを作成できます。たとえば、リモート サイトへのイメージ リンクを含むメッセージや空のメッセージをフィルターで除外することができます。正当なメール メッセージであれば、このような特徴を持つことはほとんどありません。

    追加のスパム フィルター (ASF) のオプションをサービスに対して構成する方法については、「追加のスパム フィルターのオプションの構成」を参照してください。

    [追加のスパム フィルター (ASF) のオプション] ダイアログ ボックスを次に示します。

    [追加のスパム フィルターのオプション] ダイアログ ボックス

  2. [追加のスパム フィルター (ASF) テスト モードのオプション]:ASF テスト モードのオプションでは、実際にメッセージのフローを停止することなく、目的のフィルター要件に最適なオプションを見つけることができます。BCC アドレスに加えて、修正した X-Header または件名を使用することにより、実際にメッセージをブロックすることなく、特定の ASF オプションでメッセージが停止されるかどうかを効果的に調べることができます。

ASF のテスト モード オプションの詳細については、「追加のスパム フィルターのテスト モード オプションの構成」を参照してください。

検疫の設定を構成する

スパム検疫およびポリシー検疫の設定には次の 3 つの追加オプションを使用できます。

  1. [スパム検疫: ユーザー アクセスを許可]:既定では、管理者のみがスパム検疫インターフェイスにアクセスできます。このオプションを選択した場合は、ユーザーが自分のスパム検疫アカウントにアクセスできるようになります。

  2. [Outlook アドインのダウンロードを許可]:このオプションを選択した場合、ユーザーが迷惑メールのプラグインをダウンロードするためのボタンが検疫 Web サイトに表示されます。このプラグインをエンドユーザーのデスクトップにローカルでインストールすると、そのユーザーの Microsoft Office Outlook アプリケーションに新しいアイコンが追加され、メッセージをスパムとして報告する作業が容易になります。

  3. [誤検知報告のコピー先]:FOPE サービスに誤検知として提出されるメッセージの大部分は、正しく検出されたスパム メッセージではありますが、本来の受信者にとっては必要なメッセージです。ユーザーが検疫メールボックス内のメッセージを誤検知 (誤ってスパムとしてキャプチャされたメール) であると判断した場合は、それを自分の受信トレイに移動するか、[迷惑メールではないメール] に指定することができます。ユーザーによって [迷惑メールではないメール] に指定されたメールは、すべて FOPE 評価チームに送られて分析され、誤って検知された理由が特定されます。[コピー アドレス] ボックスに電子メール アドレスを入力して、メッセージのコピーを受信することもできます。ただし、FOPE サービスの誤検知率は極めて低いことから、誤検知されたメッセージが表示されることはほとんどないはずです。

これらのスパム検疫およびポリシー検疫のオプションを構成する方法については、「検疫の設定を構成する」を参照してください。