チーム プロジェクトにマップされているエンタープライズ プロジェクト計画における業務要件のトップダウン プランニング
開発チームは Visual Studio Team Foundation Server でタスクの詳細を管理するのに対し、プロジェクト マネージャーは Microsoft Project Server でビジネス要件の概要を管理できます。 プロジェクト マネージャーは、必要条件を定義してリソースと作業のロールアップを表示し、開発チームによる詳細なタスクの定義、推定、更新がスケジュールに及ぼす影響を確認できます。 Team Foundation Server と Project Server の同期エンジンは、必要条件のスケジュール データとリソース使用量を、マップされたエンタープライズ プロジェクト計画およびチーム プロジェクトに保管します。
注意
Project Server を使って成果物とタスクの両方を管理する場合は、「チーム プロジェクトにマップされているエンタープライズ プロジェクト計画におけるプロジェクト詳細情報の管理」を参照してください。
エンタープライズ プロジェクト計画でトップダウン計画を実施する前に、それをチーム プロジェクトに関連付ける必要があります。 詳細については、「エンタープライズ プロジェクトとチーム プロジェクトの関連付けの管理」を参照してください。 計画をプロジェクトに関連付ける前に、このトピックの後半に説明する「トップダウン計画をサポートするための推奨構成」を参照してください。
このトピックの内容
Project Server を使ったトップダウン計画のプロセスの概要
トップダウン計画をサポートするための推奨構成
プロジェクト マネージャーのタスクとベスト プラクティス
開発チームのタスクとベスト プラクティス
注意
デモ ビデオについては、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください: Team Foundation Server および Project Server を使用したエンタープライズ プロジェクト内でのビジネス要件のトップダウン計画このビデオは以前のリリースの Team Foundation Server 向けに作成されたため、ビデオで紹介されている手順とここで説明している手順は、細かい部分が異なる可能性があります。
要件
このトピックの各手順を実行するには、次のアクセス許可を割り当てる必要があります。
エンタープライズ プロジェクト計画のタスクを Team Foundation に発行するには、そのタスクに割り当てられたリソースがチーム プロジェクトの共同作成者グループのメンバーである必要があります。
Team Foundation で作業項目を更新して Project Server に送信するには、チーム プロジェクトの [共同作成者] グループのメンバーである必要があります。 また、ユーザーは Project Web Access または Project Web App (PWA) の [チーム メンバー] グループのメンバーであるか、プロジェクトで「プロジェクトを開く」および「プロジェクト サイトの表示」の許可を持っている必要があります。
詳細については、「TFS と Project Server を統合するためのアクセス許可の割り当て」を参照してください。
Project Server を使ったトップダウン計画のプロセスの概要
次の図が示しているように、プロジェクト計画とチーム プロジェクトとの同期の必要条件には、10 の主要なステップがあります。
同期エンジンは、プロジェクト計画とチーム プロジェクトの両方で、必要条件のスケジュール データを保管します。 Team Foundation は、各必要条件にリンクされたタスクに基づいて、リソース別に残存作業および実作業のロールアップを自動的に計算します。 チーム メンバーがタスクを更新すると、チーム プロジェクトの必要条件でロールアップ値が自動的に更新され、プロジェクト マネージャーが承認できるように PWA のインスタンスでステータスの更新が表示されます。 次の表に、実行されるタスクの概要を示します。
プロジェクト マネージャー |
プロジェクト マネージャーは、プロジェクトまたは PWA で次のタスクを実行します。 エンタープライズ プロジェク計画で成果物、機能、または必要条件を定義する。 プロジェクト計画を Project Server に保存および発行する。 各成果物の進捗状況を確認し、更新された情報に基づいてスケジュールを調整する。 ベースラインを設定し、ベースラインに対して進捗状況を追跡する。 |
同期エンジン |
同期エンジンは、発行されるように設定されている各必要条件について次のタスクを実行します。 エンタープライズ計画にマップされたチーム プロジェクトに、必要な作業項目を作成する。 さらに、エンジンはプロジェクトの必要条件を Team Foundation の作業項目にバインドするリンクも作成します。 発行された各必要条件で、マップされた各フィールドの Team Foundation で更新が発生すると、ステータスの更新を作成する。 これらの更新は、プロジェクト マネージャーが確認できるように承認キューに配置されます。 |
チーム リーダー |
Team Foundation で、チーム リーダーとチーム メンバーは次のタスクを実行します。 チーム プロジェクトに追加される成果物を確認する。 各成果物の実装に必要なタスクを定義し、各タスクがその成果物にリンクされていることを確認する。 各タスクで必要な作業を推定し、[残存作業] として定義する。 各タスクの [残存作業] および [実績作業] フィールドを更新する。 |
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トップダウン計画をサポートするための推奨構成
前のセクションで説明したプロセスをサポートするには、エンタープライズ プロジェクト計画をチーム プロジェクトにマップする必要があります。 次の表は、チーム プロジェクトおよびマッピングの両方の推奨構成を説明しています。 詳細については、「エンタープライズ プロジェクトとチーム プロジェクトの関連付けの管理」を参照してください。
構成する領域 |
推奨構成 |
メモ |
---|---|---|
チーム プロジェクトのプロセス テンプレート |
Microsoft Solutions Framework (MSF) for CMMI (能力成熟度モデル統合) Process Improvement |
CMMI テンプレートには、作業項目の種類として必要条件とタスクが含まれています。 バックログ ページとボード ページを使用して、バックログを管理し、スプリントを計画および実行できます。 あるいは、Excel で開く共有クエリを使用して、タスクを必要条件にすばやく定義およびリンクします。 |
プロジェクト マッピング |
/workItemTypes:Requirement |
エンタープライズ プロジェクト計画をチーム プロジェクトにマップする場合は、必要条件を作業項目の種類として指定します。 また、タスクの作業時間固定を許可しないようにすることもできます。 作業時間固定は、Project で使用できる 3 つあるタスクの種類の 1 つです。 詳細については、「Project がタスク期間の計算に使用するタスクの種類を変更する」を参照してください。 |
フィールド マッピング |
/useDefaultFieldMappings |
既定のフィールド マップを使用できます。 他のフィールド マップは必要ありません。 |
リソース名 |
PWA の各インスタンスのチーム メンバー グループにチーム メンバーを追加するか、[プロジェクト] で、これらのメンバーに [プロジェクトを開く] および [プロジェクト サイトの表示] アクセス許可を付与する必要があります。 詳細については、「TFS と Project Server を統合するためのアクセス許可の割り当て」を参照してください。 また、すべてのチーム メンバーをエンタープライズ リソース プールおよびプロジェクト計画のリソース プールに追加する必要があります。 |
プロジェクト計画のリソースとして割り当てられたか、または作業項目の "担当者" フィールドで名前が指定されたすべてのユーザー アカウントにアクセス許可を付与する必要があります。 これらのユーザーはステータスの更新を送信し、更新は PWA のインスタンスのステータス キューに入れられます。 "リソース名" フィールドに割り当てられているすべての名前がチーム プロジェクトの有効な共同作成者として認識される必要があります。 |
プロジェクト マネージャー |
Project Professional のユーザーのアカウントは、[プロジェクトレベル情報を表示します] を付与するか、発行されるチーム プロジェクトの Team Foundation の Reader グループのメンバーとして割り当てる必要があります。 |
エンタープライズ プロジェクト計画にマップされているチーム プロジェクトの作業項目を変更するには、プロジェクト マネージャーのアクセス許可を付与する必要があります。 |
プロジェクト マネージャーのタスクとベスト プラクティス
プロジェクト マネージャーが実行する次のタスクについて、ベスト プラクティスまたは必須のプラクティスが提供されています。
必要条件の定義
ステータス更新の承認
スケジュールの確認とベースラインの設定
更新およびクリティカル パスへの影響のプレビュー
これらのアクティビティに加えて、リソースへの作業の割り当ても表示できます。 詳細については、「チーム プロジェクトにマップされているエンタープライズ プロジェクトにおけるリソース ロールアップの操作」を参照してください。
必要条件の定義
必要条件を定義する際、開発チーム リーダーに割り当てる必要があります。 次の図が示すように、[チーム プロジェクトに発行] フィールドを [はい] に、また [作業項目の種類] フィールドを [必要条件] に設定する必要があります。 チーム プロジェクトに 1 つの種類の作業項目しかマップされていない場合、それは自動的に設定されます。
注意
開発リーダーが作業の見積りを提供する予定の場合、[残存作業] フィールドを 0 時間に設定するか、[期間] フィールドを 0 日に設定します。
重要
Text30 は、タスクを作業項目と同期する際に使用される [作業項目の種類] 列に関連付けられている Project の既定のフィールドです。[チーム リボン] メニューの [チーム プロジェクトの選択] オプションを使ってプロジェクト計画を Team Foundation Server に接続すると、[作業項目の種類] と表記された追加の [プロジェクト] フィールドが利用可能になります。Project の既定のフィールド Text24 を持つこのフィールドは、Team Foundation にバインドされたプロジェクト計画のマッピングをサポートしていますが、計画の同期はサポートしていません。Text24 ベースのフィールドには、チーム プロジェクトの作業項目の種類の完全なリストが含まれます。フィールドが正しいかどうかを確認するには、フィールドをポイントして、[Text30] が表示されるかどうかを確認します。
Team Foundation でトラッキングする必要条件だけを設定します。 必要条件の定義を完了した後、プロジェクト計画を保存して Project Server に発行できます。 次の図が示すように、左下にあるステータスの通知は、発行が完了したことを表します。
注意
計画を発行するとき、計画への Team Foundation アドインは指定したデータを検証します。必須フィールドが定義されていない場合、または値が許可されていない場合は、これらのエラーを解決する必要があります。詳細については、「妥当性確認エラーの解決」を参照してください。
ステータス更新の承認
必要条件でチームが進歩するにつれて、承認キューにステータスの更新が表示されます。 次の図が示すように、発行された必要条件やタスクに割り当てられたリソースの更新を表示できます。 更新されたタスクと各更新の詳細をひと目で確認できます。
次の図が示すように、ステータスの更新をクリックすると、[タスクの詳細] ウィンドウが開きます。 同期対象としてマップされている各フィールドの変更された値を確認できます。
注意
Team Foundation から送信された変更を適用してエンタープライズ プロジェクト計画を更新するには、更新を承認する必要があります。
更新を同意または却下して、コメントを追加することもできます。 たとえば、更新を却下する理由として、推定に同意できない、チーム メンバーが不正確な値を入力した、作業をより速く完了するためにタスクの再割当てをリクエストしたいなどがあります。
スケジュールの確認とベースラインの設定
ステータスの更新を承認した後、スケジュールを更新してプロジェクトのワークロードのバランスを保つことができ、推定に基づいたベースラインを設定することもできます。 次の図が示すように、ショッピング カートの必要条件で定義された推定がプロジェクトに表示されます。
スケジュールを制御するには、ベースラインを設定して、対象となるスケジュールに対するチームの進捗状況をトラッキングします。 詳細については、Microsoft Web サイトの次のページを参照してください: 基準計画および中間計画を作成または更新する
更新およびクリティカル パスへの影響のプレビュー
チーム メンバーは、作業の進行状況に応じて、各タスクの "残存作業" フィールドと "実績作業" フィールドを更新します。 これらの値は、Team Foundation に発行される必要条件ごとにロールアップされます。 更新を承認する前に、更新がクリティカル パスに及ぼす影響をプレビューするには、[承認センター] にある [更新のプレビュー] をクリックします。
ステータスの更新を承認したら、プロジェクト スケジュールに対する更新を表示できます。 必要条件が推定よりも長くかかる場合、推定に対する変更がクリティカル パスに影響するかどうかを判断できます。
スケジュールに対してマイナスの影響が及ぶためチーム プロジェクト タスクを調整する必要がある場合、チーム リーダーに注意を喚起することができます。
開発チームのタスクとベスト プラクティス
チーム プロジェクトの共同作成者として、Team System Web Access のバックログ、タスク ボード、および作業項目のページを使用して、次のタスクを実行できます。
新しい必要条件のレビュー
各必要条件に対するタスクの定義、推定、およびリンク
残存作業および実績作業の更新
必要条件で却下された更新の対処
新しい必要条件のレビュー
Project Server に発行される新しい必要条件は自動的にチーム プロジェクトに表示されます。 Team System Web Access のバックログ ページを開いて、追加された必要条件を特定します。 たとえば、次の図はチーム プロジェクトに 3 つの必要条件が追加されたことを示しています。
製品バックログ ページ
次の図が示すように、チーム エクスプローラー で作業項目を開くことにより、[履歴] フィールドを表示して、同期エンジンがいつ作業項目を作成したかを確認できます。
Project Server Sync によって追加された作業項目の履歴
各必要条件にリンクされたタスクの定義と推定
必要条件が Team Foundation Server に追加され、次いでイテレーションに追加されると、Team System Web Access にあるイテレーション バックログ ページを使ってタスクを素早く定義し推定できます。 次の図が示すように、 を選択し、 タスクのために [タイトル] を入力してチーム メンバーに割り当て、 [残存作業] で必要な作業の値を入力し、 [保存して閉じる] ボタンをクリックします。 タスクは親子リンクを使用して、自動的に必要条件にリンクされます。
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次の図は、イテレーション 0 に割り当てられた 2 つの必要条件のために、タスクがどのように分けられたかを示しています。 詳細については、「スプリントでの作業」を参照してください。
注意
親作業項目の [残存作業] フィールドは、子タスクのために定義されたすべての作業の合計を自動的に表示します。
代わりに、Excel の作業内訳クエリを開いて、リンクされたタスクを素早く定義して、作業を推定することもできます。 「作業項目のツリー リストの使用によるトップダウン プランニングの実行 (Excel)」を参照してください。
残存作業および実績作業の更新
作業が進むにつれ、各チーム メンバーはそれぞれのタスクについて [残存作業] と [実績作業] フィールドを更新する必要があります。 タスクの完了に時間がさらに必要な場合、[残存作業] フィールドに追加の時間が追加されます。 更新は必要条件のロールアップに反映されます。
必要条件で却下された更新の対処
プロジェクト マネージャーが必要条件のステータスの更新を却下した場合、情報が [履歴] フィールドに表示され、[Project Server] タブにある [最新の承認の状態] フィールドは [却下] を示します。. 作業項目の更新が却下されると、その作業項目を同期できなくなります。 作業項目を再度同期する前に却下のステータスを処理する必要があります。 チーム クエリを作成して、更新ステータスが却下された作業項目を検索することができます。 詳細については、「作業項目送信の監視および拒否状態の解消」を参照してください。
参照
概念
TFS と Project Server の統合における同期プロセスの概要
その他の技術情報
Managing Projects Using Project Professional Mapped to a Team Project