~小規模 (手動) 移行~
Point 1: OS のインストール方法、ハードウェアの要件の確認
更新日: 2011 年 10 月 3 日
Windows XP から Windows 7 への移行で最も注意しなければならないのは、アップグレード インストールができないことです。アップグレード インストールでは、インストーラが旧 OS の環境を自動的に引き継ぎながら、OS をバージョンアップします。Windows Vista から Windows 7 へはこのアップグレード インストールが可能ですが、Windows XP は直前のバージョンではないためサポートされていません。そのため、Windows XP から Windows 7 に移行する場合には、以下の 3 つから選択する必要があります。
Windows XP がインストールされた PC に上書きインストール
次に述べる「Windows XP がインストールされた PC に新規インストール」の場合を含めて、Windows XP で使用している既存の PC に Windows 7 をインストールする場合には、周辺機器を含め Windows 7 を動作させるための条件を満たしているかどうかを最初に確認する必要があります。これには、マイクロソフトが提供している「Windows 7 Upgrade Advisor」を使用するとよいでしょう。このツールを使用すると、接続している周辺機器や使用しているアプリケーションについても互換性を確認することができます。
【Windows 7 Upgrade Advisor】
Windows 7 Upgrade Advisor
上書きインストールとは、Windows XP のシステムやユーザー プロファイルが格納されているフォルダーを同一コンピュータ上に残したまま、Windows 7 を新規にインストールする方法です。この方法を使用すると、アップグレード インストールのように環境の移行は行われませんが、事前にローカル コンピュータに保存されたユーザー データを外部のストレージに退避する手間を省けます。ファイル サーバーを使用せず、ローカル コンピュータにデータを保存することがユーザーに浸透している場合には、この方法を選択すると移行コストを削減できます。ただしこの方法では、Windows XP のファイルの多くがそのまま保持されるため、ハードディスクには既存環境を退避しておける十分な空き容量が必要になります。旧式の PC では、搭載ハードディスクの容量が小さかったり、長期にわたって使い続けた PC にはさまざまなデータが保存されていたりと、現実には、上書きインストールを可能にするだけの空き容量がない PC も多いでしょう。
Windows XP がインストールされていた PC に新規インストール
この方法では、既存の Windows XP の環境は完全に削除し、新たに Windows 7 をインストールします。3 番目の方法との違いは、「PC を新規に購入するかどうか」です。当然ながら、現在使っているすべてのファイルは全て削除されるため、移行したいデータは、事前にファイル サーバー等にバックアップしておく必要があります。Windows 7 が求める最低限のハードウェア スペックはリンクの通りですが、ハードウェアが Windows XP 時代のものであるため、Windows 7 でサポートされていないデバイスが見つかる可能性もあります。特に、32 ビット版の Windows XP から 64 ビット版の Windows 7 に移行する場合にはデバイス ドライバの対応を事前に調査しておく必要があります。Windows XP から Windows 7 にローカル データを移行するために、「Windows 転送ツール」という無償ツールが用意されています。Windows 転送ツールは、Windows 7をインストールする前にファイルと設定を別の場所に移動しておき、Windows 7 のインストール完了後に再度 Windows 転送ツールを使用して、事前に退避したデータを Windows 7 環境に戻すことができます。
新たな PC を購入して新規インストール
ハードウェアへの追加投資は必要ですし、OS のインストール後には必要なデータやアプリケーションの移行を行う必要がありますが、これが最も確実な方法といえます。新規に PC を購入する場合には「Windows 7 Enterprise Ready PC」を選択することをお勧めします。Windows 7 Enterprise Ready PC とは、「Windows 7 Enterprise」の動作保証がなされている PC であり、DirectAccess や BranchCache など、Windows 7 Enterprise が持つ企業向け機能の動作が保障されています (機能的には Ultimate と同等です) 。通常、各メーカー製のビジネス向け PC には Windows 7 Professional がプリインストールされていますが、「ソフトウェア アシュアランス」または「エンタープライズ アグリーメント」を購入することで Windows 7 Enterprise へアップグレードすることが可能です。ここでも、Windows XP から Windows 7 にローカル データを移行するために、「Windows 転送ツール」を活用できます。
Windows 7 Enterprise Ready PC
本項目について詳細に解説したホワイト ペーパーは、下記からダウンロード可能です。
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