UE-V に適した環境の準備
適用対象: User Experience Virtualization 1.0
Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) は、設定の保存場所を使用してコンピューター間で設定を移動します。 設定の保存場所はファイル共有であり、UE-V Agent の展開中に構成する必要があります。 これは、設定の保存場所または Active Directory ホーム ディレクトリとして定義する必要があります。 また、管理者は、一貫した同期をサポートするために、タイム サーバーを構成する必要があります。 UE-V 用に環境を準備するには、次の点を考慮する必要があります。
UE-V 設定の保存:
設定の保存場所を定義する
UE-V で Active Directory ホーム ディレクトリを使用する
UE-V 設定の同期のためにコンピューターのクロックを同期する
パフォーマンスと容量の計画
オペレーティング システムとコンピューターの要件の詳細については、「UE-V 1.0 をサポートする構成」を参照してください。
UE-V 設定の保存
User Experience Virtualization 設定の保存は、設定の保存場所または Active Directory ホーム ディレクトリという 2 つの構成のいずれかに定義できます。
設定の保存場所を定義する
UE-V 設定の保存場所は、UE-V ユーザーがアクセスできる標準のネットワーク共有です。 設定の保存場所を定義する前に、ルート ディレクトリを作成する必要があります。 共有に設定を保存するユーザーには、その保存場所の読み取り/書き込みアクセス許可が必要です。 UE-V Agent によって、このルート ディレクトリにユーザー固有のフォルダーが作成されます。 設定の保存場所は、SettingsStoragePath 構成オプションを設定して定義します。 このオプションは、次の方法で構成できます。
UE-V Agent のインストール時に、コマンドライン パラメーターまたはバッチ スクリプトを使用して。
グループ ポリシーを使用して。
インストール後に、PowerShell または WMI を使用して。
パスは、サーバーまたは共有の汎用名前付け規則 (UNC) パスにする必要があります。 たとえば、\\server\settingsshare\ と指定します。 この構成オプションは、特定の移動シナリオに対応するために変数の使用をサポートしています。
サーバーまたは共有の UNC パスに %username%
変数を使用できます。 これによって、ユーザーがログインするすべてのコンピューターまたはセッションで、同じ設定のエクスペリエンスを提供できます。 次のシナリオについて、この構成を考慮します。
社内のユーザーが複数の似た構成の物理コンピューターを持ち、各ユーザーの設定をすべてのコンピューターで同じにする必要がある。
社内のユーザーが、各ユーザーの VDI セッションに関する設定が保持される仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) プールを使用する。
社内のユーザーが 1 つの物理コンピューターを持ち、追加で VDI を使用する。 また、各ユーザーの設定エクスペリエンスは、物理コンピューターと VDI セッションのどちらを使用するかを同じにする必要がある。
複数の社内コンピューターを複数のユーザーが使用する。 また、各ユーザーの設定エクスペリエンスはすべてのコンピューターで同じにする必要がある。
サーバーまたは共有の UNC パスに %username%\%computername% 変数を使用できます。 これによって、各コンポーネントの設定エクスペリエンスが維持されます。 次のシナリオについて、この構成を考慮します。
社内のユーザーが複数の物理コンピューターを持ち、各コンピューターの設定エクスペリエンスを維持する。
社内コンピューターを複数のユーザーが使用する。 設定エクスペリエンスは、ユーザーがログインするコンピューターごとに維持する必要がある。
UE-V Agent は、定義されている UE-V SettingsStoragePath
構成設定と変数に基づいて、ユーザー固有の設定の保存パスを動的に作成します。
UE-V Agent は、各ユーザー固有の保存場所内に、SettingsPackages
という名前の非表示のシステム フォルダーを作成します。 UE-V Agent は、登録されている UE-V 設定場所テンプレートの定義に従って、この場所の設定の読み取りと書き込みを行います。
ユーザーの管理されるコンピューター セットで設定の保存場所を同じにする場合、適用可能な UE-V 設定は、"最後の書き込みが使用される" 規則によって決まります。 1 台のコンピューターで実行されているエージェントは、他のコンピューターで実行されているエージェントとは独立した設定場所の読み取りと書き込みを行います。 最後に書き込まれた設定と値は、次にエージェントが設定の保存場所から読み取るときに適用される設定になります。詳細については、「UE-V 1.0 の設定の保存場所の展開」を参照してください。
UE-V で Active Directory ホーム ディレクトリを使用する
UE-V Agent の展開時に UE-V の設定の保存場所を構成する場合、設定場所パッケージの保存にユーザーの Active Directory (AD) ホーム ディレクトリが使用されます。 UE-V Agent は、各ユーザーの AD ホーム ディレクトリ以下に設定の保存フォルダーを動的に作成します。 また、設定の保存場所 (SettingsStoragePath) が定義されていない場合は、Active Directory ホーム ディレクトリのみを使用します。
UE-V 設定の同期のためにコンピューターのクロックを同期する
設定を同期するために UE-V Agent を実行するコンピューターは、タイム サーバーを使用する必要があります。 タイム スタンプは、設定の保存場所の設定を同期する必要があるかどうかを決定するために使用されます。 コンピューターのクロックが不正確な場合、古い設定で新しい設定が上書きされることや、新しい設定が設定の保存場所に保存されないことがあります。 タイム サーバーを使用すると、UE-V で一貫した設定エクスペリエンスを維持できます。
パフォーマンスと容量の計画
UE-V の容量の要件は、標準のディスク容量とネットワーク ヘルス モニタリングを使用して決定できます。 UE-V は、設定パッケージの保存にサーバー メッセージ ブロック (SMB) ブロックを使用します。 設定パッケージのサイズは、各アプリケーションの設定情報に応じて変わります。 ほとんどの設定パッケージ サイズは小さいのですが、デスクトップ イメージなど、サイズが大きい可能性があるファイルを同期すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。低速のネットワークでは特に低下します。 ネットワークの遅延に関する問題を最小限に抑えるには、ユーザーのコンピューターと同じローカル ネットワークに設定の保存場所を作成する必要があります。
ネットワークが低速の場合、または設定パッケージのサイズが大きい場合、既定では、UE-V の同期が 2 秒でタイムアウトします。 タイムアウトはグループ ポリシーを使用して構成できます。 タイムアウトを設定する方法の詳細については、「グループ ポリシー オブジェクトによる UE-V の構成」を参照してください。
参照:
概念
Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) 管理者ガイド
UE-V 1.0 をサポートする構成
その他のリソース
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MDOP の詳細については、TechNet ライブラリを参照してください。また、TechNet Wiki を検索して問題を解決したり、マイクロソフトの Facebook または Twitter をフォローしたりすることができます。
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