Windows 10 展開情報のステージングのための MDT データベースの使用
このトピックでは、MDT データベースを使って、テキスト ファイル (CustomSettings.ini) に情報を含めるのではなく、Microsoft SQL Server 2012 SP1 Express データベースに Windows 10 の展開に情報を事前にステージングする方法について説明します。たとえば、この処理を使って、展開するクライアント コンピューターを追加したり、そのコンピューター名と IP アドレスを指定したり、展開するアプリケーションを示したり、コンピューターの多くの追加設定を特定したりすることができます。
データベースの前提条件
MDT は、SQL Server Express または完全な SQL Server を使うことができますが、大規模な企業環境であっても、展開データベースは大きくないため、環境内で無料の SQL Server 2012 SP1 Express データベースを使うことをお勧めします。
注
SQL Server 2012 SP1 Express データベースを構成するときは、名前付きパイプを有効にしてください。従来のプロトコルですが、名前付きパイプは、Windows プレインストール環境 (Windows PE) から、SQL Server データベースに接続する場合に適してします。
展開データベースの作成
MDT データベースは、既定では、Deployment Workbench から作成および管理されます。ここでは、MDT01 に SQL Server 2012 SP1 Express をインストールしていることを前提としています。
注
SQL Server 2012 SP1 Express は、既定で、個別のインスタンス (SQLEXPRESS) で実行されるため、SQL Server ブラウザー サービスが実行しており、ファイアウォールはトラフィックできるように構成されます。ポート 1433 TCP とポート 1434 UDP は MDT01 で受信トラフィック用に開く必要があります。
MDT01 で、Deployment Workbench を使って、MDT 実稼働展開共有を展開して [Advanced Configuration] (詳細構成) を展開し、[Database] (データベース) を右クリックして、[New Database] (新しいデータベース) を選択します。
新しい DB ウィザードの [SQL Server Details] (SQL サーバーの詳細) ページで、次の設定を入力して [Next] (次へ) をクリックします。
SQL Server 名: MDT01
インスタンス: SQLEXPRESS
ポート: <空白>
ネットワーク ライブラリ: 名前付きパイプ
[Database] (データベース) ページで、[Create a new database] (新しいデータベースを作成) を選択します。[Database] (データベース) フィールドに「MDT」と入力して [Next] (次へ) をクリックします。
[SQL Share] (SQL 共有) ページで、[SQL Share] (SQL 共有) フィールドに「Logs$」と入力して、[Next] (次へ) をクリックします。もう一度 [Next] (次へ) をクリックして、[Finish] (完了) をクリックします。
図 8: MDT01 に追加された MDT データベース。
データベース アクセス許可の構成
データベースを作成した後に、アクセス許可を割り当てる必要があります。MDT では、展開を実行するために使ったアカウントはデータベースへのアクセスに使われます。この環境では、ネットワーク アクセスのアカウントは MDT_BA です。
MDT01 で、SQL Server Management Studio を起動します。
[サーバーに接続] ダイアログ ボックスの [サーバー名] ボックスで [MDT01\SQLEXPRESS] を選択して、[接続] をクリックします。
[オブジェクト エクスプローラー] ウィンドウで、最上位レベルの [セキュリティ] ノードを展開し、[ログイン] を右クリックして [新しいログイン] を選択します。
図 9: 最上位レベルのセキュリティ ノード。
[ログイン - 新規作成] ページで、[ログイン] 名前フィールドの隣の [検索] をクリックして [CONTOSO\MDT_BA] を検索します。左側のウィンドウで、[ユーザー マッピング] を選択します。[MDT] データベースを選択して、次の役割を割り当てます。
db_datareader
パブリック (既定)
[OK] をクリックして、SQL Server Management Studio を閉じます。
図 10: ログインの作成と MDT データベースへのアクセス許可の設定。
データベースのエントリの作成
データベースを使い始めるには、コンピューターのエントリを追加し、説明とコンピューター名を割り当てます。コンピューターの MAC アドレスを ID として使います。
MDT01 で、Deployment Workbench を使って、MDT 実稼働展開共有の [Advanced Configuration] (詳細構成) を展開し、[Database] (データベース) を展開します。
[Computers] (コンピューター) を右クリックし、[New] (新規) を選択して、次の設定でコンピューター エントリを追加します。
説明: ニューヨーク サイト - PC00075
MacAddress: <00:00:00:00:00:00 形式の PC00075 MAC アドレス>
[Details] (詳細) タブ/ OSDComputerName: PC00075
図 11: データベースへの PC00075 コンピューターの追加。