ビジネス データ カタログ : メタデータ モデル
ビジネス データ カタログの設計上の主な目的の 1 つは、SAP、Siebel、データベースなどのさまざまなビジネス アプリケーションのビジネス データを、最小限のコード記述作業によって Microsoft Office SharePoint Server 2007 で使用可能な状態にすることです。この目的を達成するため、ビジネス データ カタログは、一貫性がある簡略化されたクライアント オブジェクト モデルを提供する宣言型メタデータ モデルを使用して、基礎になるデータ ソースに均一にアクセスできるようにします。
このモデルでは、メタデータの作成者が、ビジネス アプリケーションに関する情報をメタデータ リポジトリに入力します。その後でビジネス アナリストとアプリケーション開発者が、ビジネス データ機能とオブジェクト モデルを使用して、このコンポーネントと間接的に対話します。このようにすることで、任意のビジネス アプリケーションに対してより簡素で一貫性のあるオブジェクト モデルが手に入ります。
SDK のこのセクションでは、メタデータ モデルの包含階層を示し、メンバについて説明し、それらの使用例を示します。
メタデータとは
メタデータは、ビジネス アプリケーションの API に関するデータです。ビジネス アプリケーションごとに、メタデータはビジネス アプリケーションが対話するビジネス エンティティと、そのビジネス アプリケーションで使用可能なメソッドを定義しています。メタデータ作成者は、XML を使用してメタデータを定義します。ビジネス データ カタログは、メタデータをメタデータ リポジトリに格納します。
注意
メタデータはビジネス アプリケーションに関するデータであって、基幹業務 (LOB) のデータそのものではありません。LOB データはビジネス アプリケーション内にのみ存在します。
メタデータ スキーマ
ビジネス データ カタログは、XML ファイルで使用可能なスキーマを定義するスキーマ定義ファイル (XSD) を提供します。このファイルにより、ビジネス アプリケーションのメタデータが定義されます。XML ドキュメントはこのスキーマに準拠している必要があります。
BdcMetadata.XSD ファイルは、インストールした Office SharePoint Server 2007 の \Bin directory にあります。これは通常、<ルート>\Program Files\Microsoft Office Server\12.0\Bin です。
重要
Microsoft Visual Studio 2005 でメタデータを作成するときには、XSD を作業フォルダにコピーし、そのスキーマ ファイルを参照するように XML ファイルの SchemaLocation 属性を設定します。Visual Studio 2005 は、編集作業を大幅に簡略化する IntelliSense 機能を備えています。
ビジネス データ カタログで、Model および Resource という 2 種類の XML アプリケーション定義ファイルがサポートされるようになりました。Model アプリケーション定義ファイルには、システムの基本 XML メタデータが含まれます。定義ファイルの Resource ファイルを使用すると、ローカライズされた名前、プロパティ、および権限のみを、任意の組み合わせでインポートまたはエクスポートできます。以下に Resource ファイルの種類を示します。
LocalizedNames 特定のロケールにおけるメタデータ オブジェクトのローカライズされた名前が格納されています。このファイルをインポートすると、それらの情報はメタデータ リポジトリ内の既存のメタデータと結合されます。そのロケール用にローカライズされた名前が既に存在する場合、LocalizedNames ファイルの情報で上書きされます。
Properties メタデータ オブジェクトのプロパティが格納されています。このファイルをインポートすると、それらの情報はメタデータ リポジトリ内の既存のメタデータと結合されます。プロパティが既に存在する場合、プロパティの値は Properties ファイルの情報で上書きされます。
Permissions メタデータ オブジェクトのアクセス制御リスト (ACL) が格納されています。このファイルをインポートすると、それらの情報はメタデータ リポジトリ内の既存のメタデータと結合されます。ただし、オブジェクトのアクセス制御エントリ (ACE) が既に存在する場合、ACE の値は Permissions ファイルの情報で上書きされます。たとえば、既存のアプリケーション定義に、エンティティ A へのアクセスを持つユーザー A のみがあった場合、エンティティ A へのアクセスを持つユーザー B のみがある Permissions ファイルをインポートすると、エンティティ A の古い ACL は削除され、ユーザー B のみがある新しい ACL が作成されます。
サンプル メタデータ : AdventureWorks SQL Server 2000 サンプル データベース
メタデータ モデルについて理解し、独自のメタデータの記述を開始することを助けるため、SDK には AdventureWorks SQL Server 2000 のサンプル が用意されています。このサンプルでは、AdventureWorks SQL Server 2000 サンプル データベースでの "Customer Orders and Products" という小さなシナリオを定義しています。「メタデータを作成する」のセクションでは、AdventureWorks サンプルの概要を紹介し、サンプルを動作させるための手順も説明します。
重要
Microsoft SQL Server 2000 の既定のインストールでは、AdventureWorks データベースは含まれていません。AdventureWorks SQL Server 2000 サンプル データベースを、ダウンロード センター からダウンロードしてください。
サンプル メタデータ : Amazon の電子商取引 Web サービスと SampleWebService
Web サービスのサンプルについては、「[ウォークスルー] Amazon Web サービスのサンプル」を参照してください。より複雑な Web サービスのサンプルについては、「SampleWebService メタデータ」を参照してください。
See Also
タスク
AdventureWorks SQL Server 2000 のサンプル