Outlook Web Access での最大メッセージ サイズの管理方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2010-04-27
ここでは、Web.config ファイルと Exchange 管理シェルを使用して、Microsoft Office Outlook Web Access からサイズの大きなメッセージを送信することを可能にする方法について説明します。この場合、Outlook Web Access は、Microsoft Exchange Server 2007 を実行しており、クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされているコンピュータにインストールされています。
Outlook Web Access は ASP.NET を使用するアプリケーションであるため、ASP.NET の設定によって影響を受けます。ASP.NET では、maxRequestLength 設定を使用して、Web ブラウザがクライアント アクセス サーバーに発信できる最大データ量を決定します。maxRequestLength の設定は、Web.config ファイル内にあります。
送受信できるメッセージのサイズを制御できるようにするため、最大サイズ制限をメールボックスに設定します。最大メッセージ サイズの制限はメッセージの全体サイズに適用されます。これには、メッセージ ヘッダー、メッセージ本文、およびすべての添付ファイルが含まれます。メールボックスから送信できる最大メッセージ サイズを maxRequestLength 設定より大きく構成した場合、ユーザーが Outlook Web Access から大きなメッセージを送信したときにエラーが発生することがあります。
この問題を避けるには、組織のメールボックスに設定された最大メッセージ サイズ以上に maxRequestLength を構成します。
状況とそれに関連する警告
最大メッセージ サイズまたは maxRequestLength を超えるメッセージを作成または送信しようとすると、Outlook Web Access で警告が表示されます。警告に表示される内容は、警告が生成された状況によって異なります。次の警告が表示されることがあります。
最大メッセージ サイズを超える添付ファイルをアップロードしようとすると、[アップロード] ダイアログ ボックスに次のエラー メッセージが表示されます。
アップロードしようとしている添付ファイルは、所属組織によって許可される添付ファイルの最大サイズ制限を超えています。詳細については、所属組織のテクニカル サポートに問い合わせてください。
maxRequestLength より大きな 1 つ以上の添付ファイルをアップロードしようとすると、メッセージ内の情報バーに次のエラー メッセージが表示されます。
添付できるサイズの最大値である <サイズ制限値> MB を超えているため、<ファイル名> は添付されませんでした。
メッセージに複数のファイルを添付し、各ファイルが最大メッセージ サイズまたは maxRequestLength の値より小さいとします。これらのファイルを合わせると最大メッセージ サイズを超える場合、[送信] をクリックすると、メッセージ フォームにエラーが表示されます。
このメッセージを送信することができませんでした。許可されている最大サイズを超えています。
Windows Server 2008 ベースのコンピュータで Exchange 2007 を実行している場合、Outlook Web Access サーバーも構成し、Outlook Web Access で送信できる最大メッセージ サイズに等しいサイズのコンテンツを使用できるようにします。構成しないと、次のようなエラーが発生することがあります。
Outlook Web Access を使用してワークステーションから大きなメッセージを送信すると、次のエラー メッセージが表示されます。
サーバー エラー 404 - ファイルまたはディレクトリが見つかりません。
検索中のリソースは削除された可能性があります。あるいは、名前が変更されたか、または一時的に使用不可能になっています。
Outlook Web Access を使用して、Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) を実行しているコンピュータのコンソールから大きなメッセージを送信した場合、次のエラー メッセージが表示されます。
アプリケーション "DEFAULT WEB SITE/OWA" でのサーバー エラー
HTTP エラー 404.13 - ファイルが見つかりません
要求フィルタ モジュールが、要求コンテント長を超える長さの要求を拒否するように構成されています。
開始する前に
この手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。
- ローカルの Administrators グループのメンバシップ
Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
手順
maxRequestLength を変更するには、次の操作を行います。
クライアント アクセス サーバー上で Web.config ファイルを検索します。既定の場所は、<ドライブ>\Program Files\Microsoft\ExchangeServer\ClientAccess\Owa です。
ファイルのバックアップ コピーを作成します。
メモ帳または別のテキスト エディタを使用して、元のファイルを開きます。インターネット インフォメーション サービス (IIS) を使用して Web.config ファイルを編集しないでください。
maxRequestLength の値を検索し、目的の値に変更します。値は KB 単位です。既定値は 30000 です。次の例は、Web.config ファイルの maxRequestLength 値を示しています。
<httpRuntime maxRequestLength="30000" />
ファイルを保存して閉じます。
注意 : |
---|
Web.config ファイルの既存の maxRequestLength 値を変更します。maxRequestLength の 2 番目のインスタンスを追加しないでください。maxRequestLength の 2 番目のインスタンスを Web.config ファイルに追加すると、Exchange アプリケーション プールは予期せずに停止します。 |
メールボックス ユーザーのメッセージ サイズ制限を構成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理シェルを起動します。
「
Set-Mailbox -Identity "<NameOfMailbox>" -MaxSendSizeSize <value>
」と入力し、Enter キーを押します。たとえば、John Smith のメールボックスの送信メッセージ サイズを 10 MB に設定するには、次のように入力します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -MaxSendSize 10mb -MaxReceiveSize 10mb
組織のメッセージ サイズの制限を構成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理シェルを起動します。
次のコマンドを入力します。
Set-TransportConfig -MaxSendSize Size <value>
たとえば、最大メッセージ サイズを 10 MB に設定するには、次のように入力します。
Set-TransportConfig -MaxSendSize 10MB
.
Windows Server 2008 ベースのコンピュータで Exchange Server 2007 を実行する場合、次の手順も完了する必要があります。
Outlook Web Access を構成し、Windows Server 2008 ベースのコンピュータで最大メッセージ サイズに等しいサイズのコンテンツを使用できるようにするには、次の操作を行います。
コマンド プロンプトで、次のように入力します。
cd %windir%\system32\inetsrv
次のコマンドを入力します。
appcmd set config "Default Web Site/owa" -section:requestFiltering -requestLimits.maxAllowedContentLength:<Content_Length_In_Bytes>
構成を完了するには、次の操作を行います。
メールが外部の異なるメッセージング システムにルーティングされる場合、レジストリの MaxMessageSize パラメータの値を設定して送信コネクタを構成します。
メールが同じ Exchange 組織内の 2 人のユーザー間でルーティングされ、これらのユーザーが異なる 2 つの Active Directory サイトをホームとする場合、Active Directory サイト リンクの MaxMessageSize パラメータを変更します。
詳細情報
Exchange 2007 で最大メッセージ サイズを設定する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。