トランスポート サーバーのプロパティの構成

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-07-03

Microsoft Exchange Server 2007 トランスポート サーバーのプロパティ構成によって、そのサーバーがメッセージを処理する方法が決まります。トランスポート サーバーのプロパティは、ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して構成できます。ここでは、トランスポート サーバーについて構成することができる設定について説明します。ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバー上に構成するトランスポート サーバーの設定は、そのサーバーにのみ適用されます。トランスポート サーバーの設定は、Exchange 組織の他のトランスポート サーバー間では共有されません。

Exchange 管理コンソールでは、トランスポート サーバーのプロパティ ページから、トランスポート サーバーの構成の表示と変更を行います。Exchange 管理シェルでは、Get-TransportServer コマンドレットを使用してトランスポート サーバーの構成を表示し、Set-TransportServer コマンドレットを使用してトランスポート サーバーの構成を変更します。

開始する前に

以下の手順を実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

• Exchange サーバー管理者の役割

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

トランスポート サーバーの構成を表示する方法

トランスポート サーバーの、限られた一連のプロパティを表示する場合は、Exchange 管理コンソールを使用できます。Exchange 管理シェルを使用することで、トランスポート サーバーの設定をすべて表示できます。

Exchange 管理コンソールを使用してトランスポート サーバーの構成を表示するには、次の操作を行います。

1. Exchange 管理コンソールを開きます。次の手順のいずれかを実行します。

   1. エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] を選択し、サーバー名のすぐ下にある [プロパティ] リンクをクリックします。
   2. ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[サーバーの構成] を展開し、[ハブ トランスポート] をクリックします。結果ウィンドウで、サーバーを選択します。操作ウィンドウで、サーバー名の下にある [プロパティ] リンクをクリックします。

2. トランスポート サーバーのプロパティが表示されます。

   Exchange 2007 の RTM (Release to Manufacturing) バージョンでは、エッジ トランスポート サーバーとハブ トランスポート サーバーのプロパティに次のタブが表示されます。

   • 全般
   • 外部 DNS 参照
   • 内部 DNS 参照
   • 制限

   Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) では、ハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーのプロパティに次のタブが表示されます。

   • 全般
   • システム設定
   • 外部 DNS 参照
   • 内部 DNS 参照
   • 制限
   • ログの設定

Exchange 管理シェルを使用してトランスポート サーバーの構成を表示するには、次の操作を行います。

• トランスポート サーバーの名前、メッセージ追跡ログが有効かどうか、および指定したサーバーの外部ポストマスタのアドレスを表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-TransportServer <Transport Server Name>
  

  注 :
  外部ポストマスタのアドレスは、エッジ トランスポート サーバーで、システムによって生成されたメッセージの送信者としてのみ使用されます。ハブ トランスポート サーバーでは、システムによって生成されたメッセージの送信者として Microsoft Exchange 受信者が使用されます。外部ポストマスタのアドレスの詳細については、「外部ポストマスタのアドレスの管理」を参照してください。Microsoft Exchange 受信者の詳細については、「Microsoft Exchange 受信者の管理」を参照してください。

• 指定したトランスポート サーバーについて構成されているすべてのプロパティの一覧を表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-TransportServer <Transport Server Name> | format-list
  

• 指定したトランスポート サーバーについて、選択したプロパティの表を表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-TransportServer <Transport Server Name> | format-table Name,ExternalDNSAdapterEnabled,ExternalDNSServer
  

• ドメイン ネーム システム (DNS) など、同様の領域に関連しているすべてのプロパティを表示するには、Format-Table コマンドでワイルドカード文字を使用します。たとえば、DNS に関連するすべてのプロパティを表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-TransportServer <Transport Server Name> | format-table Name,*DNS*
  

• ドメイン ネーム システム (DNS) など、同様の領域に関連しているすべてのプロパティを表示するには、Format-Table コマンドでワイルドカード文字を使用します。たとえば、DNS に関連するすべてのプロパティを表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-TransportServer <Transport Server Name> | format-table Name,*DNS*
  

• ハブ トランスポート サーバーの役割やエッジ トランスポート サーバーの役割に固有ではない他の情報、たとえば Exchange サーバーのバージョンなどを表示するには、次のコマンドを実行します。

  Get-ExchangeServer | format-list
  

トランスポート サーバーの全般的なプロパティ

以下の方法で、トランスポート サーバーに関する一般的な情報を表示できます。

• Exchange 管理コンソールで、トランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブを使用します。Exchange 2007 SP1 では、ハブ トランスポート サーバーに関する情報の一部が新しい [システム設定] タブに移動しています。Exchange 2007 RTM には [システム設定] タブはありません。その情報は、Exchange 2007 RTM では [全般] タブに表示されます。
• Exchange 管理シェルで、Get-ExchangeServer コマンドレットを使用します。変更可能なプロパティについては、Set-ExchangeServer コマンドレットを使用します。詳細については、「Set-ExchangeServer」を参照してください。

Exchange 2007 RTM の Exchange 管理コンソールに含まれるトランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブ

Exchange 2007 RTM では、Exchange 管理コンソールのトランスポート サーバーのプロパティに含まれる [全般] タブには、サーバーに関する以下の情報が表示されます。

• Exchange の製品バージョン
• Exchange のエディション
• このサーバーにインストールされているサーバーの役割
• Exchange サーバーのプロダクト ID
• スパム対策更新の状態一般に、スパム対策機能はエッジ トランスポート サーバーにのみインストールされます。詳細については、「スパム対策およびウイルス対策向けの機能」を参照してください。
• 最終更新日
• ハブ トランスポート サーバーの場合、Exchange サーバーによって使用されているドメイン コントロール サーバーとグローバル カタログ サーバーが表示されます。この情報は、エッジ トランスポート サーバーには適用されません。

これらのどのフィールドも変更することはできません。これらのプロパティは、Exchange Server を実行しているコンピュータに変更を加えると自動的に更新されます。

[全般] タブでは、サービスの致命的なエラー報告を Microsoft へ自動的に送信する機能を有効/無効にすることもできます。Set-ExchangeServer コマンドレットでは、ErrorReportingEnabled パラメータがこの機能に相当します。

図 1 は、Exchange 2007 RTM のハブ トランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブを示しています。

Exchange 2007 SP1 の Exchange 管理コンソールにあるトランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブ

Exchange 2007 SP1 では、Exchange 管理コンソールにあるトランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブには、サーバーに関する以下の情報が表示されます。

• Exchange の製品バージョン
• Exchange のエディション
• このサーバーにインストールされているサーバーの役割
• Exchange のプロダクト ID
• スパム対策更新の状態
• 最終更新日
• ハブ トランスポート サーバーの場合、Exchange サーバーによって使用されているドメイン コントロール サーバーとグローバル カタログ サーバーが表示されます。この情報は、エッジ トランスポート サーバーには適用されません。

これらのどのフィールドも変更することはできません。これらのプロパティは、Exchange Server を実行しているコンピュータに変更を加えると自動的に更新されます。

図 2 は、Exchange 2007 SP1 のハブ トランスポート サーバーのプロパティの [全般] タブを示しています。

Exchange 2007 SP1 の Exchange 管理コンソールにあるトランスポート サーバーのプロパティの [システム設定] タブ

注 :
Exchange 2007 RTM では、トランスポート サーバーのプロパティに [システム設定] タブはありません。この情報は、[全般] タブに表示されます。

Exchange 2007 SP1 では、Exchange 管理コンソールのトランスポート サーバーのプロパティにある [システム設定] タブには、Active Directory ディレクトリ サービスの接続情報と、サーバーについてのエラー報告の設定が表示されます。

ハブ トランスポート サーバーのシステム設定プロパティを表示すると、Exchange で使用されているドメイン コントローラ サーバーとグローバル カタログ サーバーも表示されます。この情報は、エッジ トランスポート サーバーには適用されません。

[システム設定] タブでは、サービスの致命的なエラー報告を Microsoft へ自動的に送信するオプションを設定できます。Set-ExchangeServer コマンドレットでは、ErrorReportingEnabled パラメータがこの機能に相当します。

図 3 は、Exchange 2007 SP1 のハブ トランスポート サーバーのプロパティの [システム設定] タブを示しています。

DNS の参照

DNS の参照は、ホスト名を IP アドレスに解決するために、Exchange 2007 トランスポート サーバーによって使用されます。Active Directory ディレクトリ サービス フォレスト内にあるホストと、Exchange 組織の外にあるホストについて DNS 解決が有効になるようにサーバーを構成します。トランスポート サーバーの構成によって、個別の参照を解決するためにクエリを実行する対象となる DNS サーバーが決定されます。トランスポート サーバーのプロパティは、ローカル ネットワーク アダプタの DNS サーバー構成を使用するように構成できます。トランスポート サーバーのプロパティは、ホスト名の解決のために特定の DNS サーバーを照会するように構成することもできます。トランスポート サーバーに複数のネットワーク アダプタがある場合は、外部および内部の DNS 参照のために、特定のネットワーク アダプタの構成を使用するように DNS 参照を構成できます。

DNS 参照は、次のように特定の DNS サーバーにルーティングされます。

• 既定では、ネットワーク アダプタの DNS 構成が選択されます。ネットワーク アダプタ構成の使用方法を変更するには、Exchange 管理シェルで Set-TransportServer コマンドレットを使用して、InternalDNSAdapterEnabled パラメータと ExternalDNSAdapterEnabled パラメータを $False に設定し、照会する DNS サーバーの一覧を構成する必要があります。この構成は、Exchange 管理コンソールを使用して変更することもできます。
• 既定では、内部 DNS 参照の構成が使用されます。
• 外部 DNS 参照の構成は、送信コネクタがこれらの設定を使用するように構成されている場合のみ使用されます。この設定は、コネクタごとに有効にします。
• 複数の DNS サーバー アドレスを構成する場合は、一覧の最初の DNS サーバーがプライマリ DNS サーバーと見なされます。その後のエントリは、セカンダリ DNS サーバーと見なされます。セカンダリ DNS サーバーは、プライマリ DNS サーバーに到達できない場合のみ照会されます。
• 特定のネットワーク アダプタの DNS サーバー構成を使用するように DNS 参照を構成する場合、アダプタは GUID で指定する必要があります。あるサーバーのネットワーク アダプタの GUID を、別のサーバーのトランスポート設定に適用しないでください。そのようにすると、サーバーは GUID に基づいて参照するネットワーク アダプタを見つけられないため、メールを送信することができません。
• ネットワーク アダプタの GUID を取得するには、Exchange 管理シェルで Get-NetworkConnectionInfo コマンドレットを実行します。このコマンドレットは、ネットワーク アダプタ GUID を取得するコンピュータでローカルに実行する必要があります。次の例は、Get-NetworkConnectionInfo コマンドレットの出力を示しています。

[PS] D:\Documents and Settings\Administrator>Get-NetworkConnectionInfo
Name        : Intel(R) PRO/1000 MT Network Connection
DnsServers  : {10.197.12.19, 10.197.12.20}
IPAddresses : {10.197.21.53}
AdapterGuid : 0d372140-eae6-4350-9ef8-14d9d10061f2
MacAddress  : 00:0B:DB:4E:8C:A6

注 :
Windows Server 2008 を実行しているコンピュータに Exchange 2007 SP1 が展開されている場合、インターネット プロトコル Version 4 (IPv4) フォーマット、インターネット プロトコル Version 6 (IPv6) フォーマット、または両方のフォーマットの IP アドレスおよび IP アドレスの範囲を入力できます。Windows Server 2008 の既定のインストールでは、IPv4 および IPv6 のサポートが有効になります。IPv6 アドレスに対する Exchange 2007 SP1 のサポートの詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での IPv6 サポート」を参照してください。

外部 DNS 参照

トランスポート サーバーで、外部 DNS 参照設定を使用するように送信コネクタが構成されている場合、送信コネクタは、ホストや MX レコードを IP アドレスに解決するために構成された外部 DNS 設定を使用します。外部 DNS 設定は、Sender ID エージェントや接続フィルタ エージェントなどのスパム対策エージェント用の受信コネクタにも適用されます。特定のネットワーク アダプタの DNS 構成を選択できます。または、DNS サーバーのエントリを手動で作成することができます。外部 DNS 参照は、Exchange 管理コンソールおよび Exchange 管理シェルで構成できます。

Exchange 管理コンソールを使用して外部 DNS 参照を構成するには、次の操作を行います。

1. Exchange 管理コンソールを開きます。次のいずれかの手順を実行します。

   • エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] をクリックします。サーバー名のすぐ下にある [プロパティ] リンクをクリックします。
   • ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[サーバーの構成] を展開し、[ハブ トランスポート] をクリックします。結果ウィンドウで、サーバーを選択します。操作ウィンドウで、サーバー名のすぐ下にある [プロパティ] リンクをクリックします。

2. [外部 DNS の参照] タブをクリックします。既定では、外部 DNS 参照は、ネットワーク アダプタの DNS 設定を使用するように構成されています。使用するネットワーク アダプタは、[(利用できるすべて)] に設定されています。次のいずれかの手順を実行して外部 DNS 参照を構成します。

   • 特定のネットワーク アダプタの DNS 構成を使用するように外部 DNS 参照を構成するには、図 4 に示すように、[ネットワーク カードの DNS 設定を使用する] を選択して、[OK] をクリックします。表示される一覧からアダプタを選択します。これで、そのアダプタの DNS 設定が [外部 DNS の参照] のプロパティに表示されます。
     

     注意 :
     構成中のサーバーにローカルでログオンしている場合以外は、特定のネットワーク アダプタを選択しないでください。リモート サーバーを構成している場合は、[(利用できるすべて)] オプションを選択する必要があります。

   • 特定の DNS サーバーを使用するように外部 DNS 参照を構成するには、[次の DNS サーバーを使用する] を選択します。DNS サーバーの IP アドレスを入力し、図 5 に示すように、[追加] をクリックして [OK] をクリックします。
     

     注 :
     図 4 と図 5 は、Exchange 2007 RTM の [外部 DNS の参照] タブを示しています。[外部 DNS の参照] タブは、Exchange 2007 RTM と Exchange 2007 SP1 のどちらでも同じです。

Exchange 管理シェルを使用して外部 DNS 参照を構成するには、次の操作を行います。

• 外部 DNS 参照には特定のネットワーク アダプタを使用するようにトランスポート サーバーを構成するには、次のコマンドを実行します。

  Set-TransportServer <Transport Server Name> -ExternalDNSAdapterEnabled $true - ExternalDNSAdapterGUID 64fb8dba-0d5c-49eb-9ae3-93071551e4d9
  

• 外部 DNS 参照には DNS サーバーの一覧を使用するようにトランスポート サーバーを構成するには、次のコマンドを実行します。

  Set-TransportServer <Transport Server Name> -ExternalDNSAdapterEnabled $false -ExternalDNSServers {192.168.1.1, 192.168.1.2}
  

内部 DNS 参照

内部 DNS 参照の構成設定は、トランスポート サーバーの外部 DNS 参照設定を使用するように設定されている送信コネクタ経由でルーティングされない通信すべてについて、DNS クエリを解決するために使用されます。たとえば、組織のハブ トランスポート サーバー間で、暗黙的な組織内送信コネクタを使用して送信されるすべてのメッセージは、内部 DNS 参照の構成を使用します。

内部 DNS 参照は、Exchange 管理コンソールおよび Exchange 管理シェルで構成できます。

Exchange 管理コンソールを使用して内部 DNS 参照を構成するには、次の操作を行います。

1. Exchange 管理コンソールを開きます。次の手順のいずれかを実行します。

   • エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] をクリックします。サーバー名のすぐ下にある [プロパティ] リンクをクリックします。
   • ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのコンソール ツリーで、[サーバーの構成] を展開し、[ハブ トランスポート] をクリックします。結果ウィンドウで、サーバーを選択します。操作ウィンドウで、サーバー名のすぐ下にある [プロパティ] リンクをクリックします。

2. [内部 DNS の参照] タブをクリックします。既定では、内部 DNS 参照はネットワーク アダプタの DNS 設定を使用するように構成されています。使用するネットワーク アダプタは、[(利用できるすべて)] に設定されています。次のいずれかの手順を実行して内部 DNS 参照を構成します。

   • 特定のネットワーク アダプタの DNS 構成を使用するように内部 DNS 参照を構成するには、図 6 に示すように、[ネットワーク カードの DNS 設定を使用する] を選択して、[OK] をクリックします。表示される一覧からアダプタを選択します。これで、そのアダプタの DNS 設定が [内部 DNS の参照] のプロパティに表示されます。
     

     注意 :
     構成中のサーバーにローカルでログオンしている場合以外は、特定のネットワーク アダプタを選択しないでください。リモート サーバーを構成している場合は、[(利用できるすべて)] オプションだけを選択します。

   • 特定の DNS サーバーを使用するように内部 DNS 参照を構成するには、[次の DNS サーバーを使用する] を選択します。DNS サーバーの IP アドレスを入力し、図 7 に示すように、[追加] をクリックして [OK] をクリックします。
     

     注 :
     図 6 と図 7 は、Exchange 2007 RTM の [内部 DNS の参照] タブを示しています。[内部 DNS の参照] タブは、Exchange 2007 RTM と Exchange 2007 SP1 のどちらでも同じです。

Exchange 管理シェルを使用して内部 DNS 参照を構成するには、次の操作を行います。

• 内部 DNS 参照には特定のネットワーク アダプタを使用するようにトランスポート サーバーを構成するには、次のコマンドを実行します。

  Set-TransportServer <Transport Server Name> -InternalDNSAdapterEnabled $true - InternalDNSAdapterGUID 64fb8dba-0d5c-49eb-9ae3-93071551e4d9
  

• 内部 DNS 参照には DNS サーバーの一覧を使用するようにトランスポート サーバーを構成するには、次のコマンドを実行します。

  Set-TransportServer <Transport Server Name> -InternalDNSAdapterEnabled $false -InternalDNSServers {192.168.1.1, 192.168.1.2}
  

トランスポート サーバーにおける制限

以下の設定を構成する場合は、トランスポート サーバーのプロパティの [制限] タブを使用するか、Set-TransportServer コマンドレットを使用します。

• [再試行]   この設定は、接続エラーが発生した場合に、Exchange 2007 トランスポート サーバーがメッセージ配信を再試行する間隔を決定します。使用できる設定は次のとおりです。
  • [送信接続失敗時の再試行間隔 (分)]   このフィールドを使用して、以前の接続が失敗したリモート サーバーに後で接続を試みるまでの再試行間隔を指定します。前回失敗した接続の試行は、[送信エラー発生時の再試行回数] と [送信エラー発生時の再試行間隔 (秒)] の値によって制御されます。ハブ トランスポート サーバーの既定値は 10 分です。エッジ トランスポート サーバーの既定値は 30 分です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 28,800 分 (20 日) です。Set-TransportServer コマンドレットでは、OutboundConnectionFailureRetryInterval パラメータがこの機能に相当します。
  • [送信エラー発生時の再試行間隔 (秒)]   このフィールドには、[送信エラー発生時の再試行回数] の値で指定されている接続試行の間隔を指定します。ハブ トランスポート サーバーの既定値は 5 分です。エッジ トランスポート サーバーの既定値は 10 分です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 43,200 秒 (12 時間) です。Set-TransportServer コマンドレットでは、TransientFailureRetryInterval パラメータがこの機能に相当します。
  • [一時エラー発生時の再試行回数]   このフィールドには、サーバーがリモート サーバーへの接続に失敗した直後に再試行する最大回数を指定します。既定値は 6 です。有効な入力値の範囲は 0 ～ 6 です。このパラメータを 0 に設定した場合、サーバーは直後の再接続を試みません。Set-TransportServer コマンドレットでは、TransientFailureRetryCount パラメータがこの機能に相当します。
• [メッセージの有効期限]   この設定は、Exchange 2007 トランスポート サーバーがメッセージをキューから削除する前に、メッセージの配信を試みる時間を決定します。メッセージがこの時間よりも長くキューに置かれていた場合、そのメッセージはハードウェア障害として送信者へ返されます。既定値は 2 日です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 90 日です。Set-TransportServer コマンドレットでは、MessageExpirationTimeout パラメータがこの機能に相当します。
• [通知]   この設定は、配信の遅延を送信者に知らせる配信状態通知 (DSN) を生成するまでにサーバーが待機する時間を指定するために使用します。既定値は 4 時間です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 720 時間 (30 日) です。[通知] の値は、必ず [送信エラー発生時の再試行間隔 (秒)] の値と [送信エラー発生時の再試行回数] の値を掛けた結果より大きい必要があります。Set-TransportServer コマンドレットでは、DelayNotificationTimeout パラメータがこの機能に相当します。
• [接続の制限]   この設定は、Exchange 2007 トランスポート サーバー上に存在することができる同時接続の最大数を制限します。全体での上限を構成できます。ドメインごとの上限を構成することもできます。使用できる設定は次のとおりです。
• [最大同時送信接続数]   同時に開くことができる送信接続の最大数を指定するには、このオプションを選択します。接続の制限に達すると、現在の接続数が減るまでサーバーでは新しい接続を開始しません。既定値は 1,000 です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 2147483647 です。[最大同時送信接続数] の横のチェック ボックスをオフにすると、同時送信接続数は無制限になります。[最大同時送信接続数] の値は、[ドメインあたりの最大同時送信接続数] の値以上の必要があります。Set-TransportServer コマンドレットでは、MaxOutboundConnections パラメータがこの機能に相当します。
• [ドメインあたりの最大同時送信接続数]   1 つのドメインへの同時接続の最大数を指定するには、このオプションを選択します。既定値は 20 です。有効な入力値の範囲は 1 ～ 2147483647 です。[ドメインあたりの最大同時送信接続数] の横のチェック ボックスをオフにすると、ドメインあたりの同時送信接続数は無制限になります。[ドメインあたりの最大同時送信接続数] の値は、[最大同時送信接続数] の値以下の必要があります。Set-TransportServer コマンドレットでは、MaxPerDomainOutboundConnections パラメータがこの機能に相当します。

図 8 は、ハブ トランスポート サーバーの [制限] タブの既定の構成を示しています。[制限] タブは、Exchange 2007 RTM と Exchange 2007 SP1 のどちらでも同じです。

これらのプロパティを構成する方法の詳細については、「メッセージの再試行、再送信、および有効期限の間隔の管理」を参照してください。

トランスポート サーバーのログの設定

トランスポート サーバーのプロパティの [ログの設定] タブ、または Set-TransportServer コマンドレットを使用して、トランスポート ログの以下の設定を構成します。

注 :
Exchange 2007 RTM では、トランスポート サーバーのプロパティに [ログの設定] タブはありません。Exchange 管理シェルで Set-TransportServer コマンドレットを使用して、トランスポート サーバーのログ設定を構成する必要があります。

• [メッセージ追跡ログ検索]   これらの設定は、メッセージ追跡の状態と、メッセージ追跡ログの場所を指定します。メッセージ追跡ログは、Exchange を実行しているコンピュータの間でメッセージが転送されるときのすべてのメッセージ アクティビティに関する詳細なログです。メッセージ追跡は、ハブ トランスポート サーバー、エッジ トランスポート サーバー、およびメールボックス サーバーで使用できます。Exchange 管理コンソールで利用可能なメッセージ追跡の設定は、以下のとおりです。
  • [メッセージ追跡ログを有効にする]   既定では、メッセージ追跡はハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーで有効になっています。メッセージ追跡を無効にするには、[メッセージ追跡ログを有効にする] の横のチェック ボックスをオフにします。メッセージ追跡を有効にするには、[メッセージ追跡ログを有効にする] の横のチェック ボックスをオンにします。Set-TransportServer コマンドレットでは、MessageTrackingLogEnabled パラメータがこの機能に相当します。
  • [メッセージ追跡ログのパス]   このフィールドは、メッセージ追跡ログの現在の場所を表示しています。メッセージ追跡ログの場所を変更するには、メッセージ追跡を有効にする必要があります。[メッセージ追跡ログのパス] の横の [参照] をクリックします。[フォルダの参照] ウィンドウで、メッセージ追跡ログ ファイルを格納する新しい場所を参照します。新しいフォルダを作成するには、親フォルダを選択し、[新しいフォルダの作成] をクリックします。次に、新しいフォルダの名前を入力します。フォルダを選択した後、[OK] をクリックして [フォルダの参照] ウィンドウを閉じます。Set-TransportServer コマンドレットでは、MessageTrackingLogPath パラメータがこの機能に相当します。
    他のメッセージ追跡ログの設定は、すべて Exchange 管理シェルで Set-TransportServer コマンドレットを使用してのみ構成できます。詳細については、「メッセージ追跡を構成する方法」を参照してください。
• [接続ログ]   これらの設定は、接続ログの状態と接続ログの場所を指定します。接続ログは、送信先メールボックス サーバー、スマート ホスト、またはドメインへの送信メッセージ配信キューに関する SMTP (簡易メール転送プロトコル) 接続のアクティビティの記録です。Exchange 管理コンソールでは、以下の接続ログ設定が利用できます。
  • [接続ログを有効にする]   既定では、接続ログはハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーで無効になっています。接続ログを有効にするには、[接続ログを有効にする] の横のチェック ボックスをオフにします。接続ログを有効にするには、[接続ログを有効にする] の横のチェック ボックスをオンにします。Set-TransportServer コマンドレットでは、ConnectivityLogEnabled パラメータがこの機能に相当します。
  • [接続ログのパス]   このフィールドには、接続ログの現在の場所が表示されます。接続ログの場所を変更するには、接続ログを有効にする必要があります。[接続ログのパス] の横の [参照] をクリックします。[フォルダの参照] ウィンドウで、接続ログ ファイルを格納する新しい場所を参照します。新しいフォルダを作成するには、親フォルダを選択し、[新しいフォルダの作成] をクリックします。次に、新しいフォルダの名前を入力します。フォルダを選択した後、[OK] をクリックして [フォルダの参照] ウィンドウを閉じます。Set-TransportServer コマンドレットでは、ConnectivityLogPath パラメータがこの機能に相当します。
    他の接続ログの設定は、すべて Exchange 管理シェルで Set-TransportServer コマンドレットを使用してのみ構成できます。詳細については、「接続ログを構成する方法」を参照してください。
• [プロトコル ログ]   これらの設定は、プロトコル ログの場所を指定します。プロトコル ログは、メッセージ配信の一部であるメッセージング サーバー間の SMTP アクティビティの記録です。この SMTP アクティビティは、ハブ トランスポート サーバーおよびエッジ トランスポート サーバー上で構成される送信コネクタと受信コネクタで発生します。既定では、プロトコル ログは無効になっています。Exchange 管理コンソールでは、以下のプロトコル ログ設定が利用できます。
  • [送信コネクタ プロトコル ログのパス]   このフィールドには、送信コネクタ プロトコル ログの現在の場所が表示されます。ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーに構成されているすべての送信コネクタは、同じプロトコル ログを共有します。既定では、すべての送信コネクタでプロトコルのログ出力が無効になっています。それぞれの送信コネクタについてプロトコル ログ出力を有効/無効にするには、Exchange 管理シェルの Set-SendConnector コマンドレットを使用するか、または Exchange 管理コンソールの送信コネクタのプロパティを使用します。
    送信コネクタ プロトコル ログの場所を変更するには、[送信コネクタ プロトコル ログのパス] の横にある [参照] をクリックします。[フォルダの参照] ウィンドウで、送信コネクタ プロトコル ログ ファイルを格納する新しい場所を参照します。新しいフォルダを作成するには、親フォルダを選択し、[新しいフォルダの作成] をクリックします。次に、新しいフォルダの名前を入力します。フォルダを選択した後、[OK] をクリックして [フォルダの参照] ウィンドウを閉じます。Set-TransportServer コマンドレットでは、SendProtocolLogPath パラメータがこの機能に相当します。
  • [受信コネクタ プロトコル ログのパス]   このフィールドには、受信コネクタ プロトコル ログの現在の場所が表示されます。ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーに構成されているすべての受信コネクタは、同じプロトコル ログを共有します。既定では、すべての受信コネクタでプロトコルのログ出力が無効になっています。それぞれの受信コネクタについてプロトコル ログ出力を有効/無効にするには、Exchange 管理シェルの Set-ReceiveConnector コマンドレットを使用するか、または Exchange 管理コンソールの受信コネクタのプロパティを使用します。
    受信コネクタ プロトコル ログの場所を変更するには、[受信コネクタ プロトコル ログのパス] の横にある [参照] をクリックします。[フォルダの参照] ウィンドウで、受信コネクタ プロトコル ログ ファイルを格納する新しい場所を参照します。新しいフォルダを作成するには、親フォルダを選択し、[新しいフォルダの作成] をクリックします。次に、新しいフォルダの名前を入力します。フォルダを選択した後、[OK] をクリックして [フォルダの参照] ウィンドウを閉じます。Set-TransportServer コマンドレットでは、ReceiveProtocolLogPath パラメータがこの機能に相当します。
    プロトコル ログ出力を有効/無効にする以外のプロトコル ログの設定は、すべて Exchange 管理シェルで Set-TransportServer コマンドレットを使用してのみ構成できます。詳細については、「プロトコルのログ出力を構成する方法」を参照してください。

図 9 は、Exchange 2007 SP1 のハブ トランスポート サーバーのプロパティにある [ログの設定] タブを示しています。

メッセージ追跡ログ ディレクトリ、接続ログ ディレクトリ、送信コネクタ プロトコル ログ ディレクトリ、または受信コネクタ プロトコル ログ ディレクトリの場所を変更しても、既存のログ ファイルは古いディレクトリから新しいディレクトリにコピーされません。新しいログ ディレクトリの場所は構成を変更してほぼすぐに有効になりますが、既存のログ ファイルは古いディレクトリに残ります。

ログ ディレクトリには次のアクセス許可が必要です。

• 管理者 : フル コントロール
• システム :フル コントロール
• ネットワーク サービス :サブフォルダとファイルの読み取り、書き込み、および削除

既定では、Exchange Transport サービスは、ログ ディレクトリの作成と適切なアクセス許可の適用に際して、ネットワーク サービス ユーザー アカウントのセキュリティ資格情報を使用します。新しいログ ディレクトリがまだ存在していない場合は、新しい場所でフォルダを作成してアクセス許可を適用するために必要な権利がネットワーク サービス アカウントにあれば、新しいログ ディレクトリが作成され、正しいアクセス許可が適用されます。ログ ディレクトリが既に存在する場合は、既存のフォルダ アクセス許可は確認されません。ログ ディレクトリを移動するときは、そのログ ディレクトリを必ず確認し、新しいディレクトリに適切なアクセス許可が適用されていることを確かめてください。

トランスポート サーバーの追加設定

Exchange 管理シェルを使用してトランスポート サーバーを構成する場合は、Exchange 管理コンソールでは使用できないプロパティを変更できます。これらのプロパティでは、以下のトランスポート機能に関連する設定を制御します。

• 配信状態通知
• 外部ポストマスタのアドレス
• 接続速度
• ピックアップ ディレクトリ
• パイプライン トレース
• 有害なメッセージ
• 再生ディレクトリ
• ルーティング テーブル ログ出力

Exchange 管理シェルでコマンドレットを使用してこれらのプロパティを変更する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。

• Set-TransportServer
• Get-TransportServer

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

• Get-ExchangeServer
• Exchange 2007 サーバーの DNS 設定の構成
• メッセージの再試行、再送信、および有効期限の間隔の管理
• コネクタの管理
• ピックアップ ディレクトリの管理
• 再生ディレクトリの管理
• 配信状態通知の管理
• メッセージ追跡の管理
• プロトコル ログの管理
• 接続ログの管理
• ルーティング テーブル ログ出力の管理

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。