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メッセージをキューからエクスポートする方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2012-05-23

ここでは、Exchange 管理シェルを使用して、Microsoft  Exchange Server 2007 ハブ トランスポート サーバーの役割、またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータのキューから、指定したファイル パスにメッセージをコピーする方法について説明します。Exchange キュー ビューアを使用してこのタスクを実行することはできません。ただし、キュー ビューアを使用すると、このタスクを実行する前にメッセージの検索、識別、および中断を行うことができます。

キューからファイルにメッセージをエクスポートしても、このメッセージはキューから削除されません。メッセージのコピーは、指定した場所にテキスト ファイルとして作成されます。でき上がったファイルは、テキスト エディタや電子メール クライアント アプリケーションなどのアプリケーションで表示できます。また、Exchange 組織内外にあるその他任意のハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバー上で、再生ディレクトリを使用することにより、メッセージ ファイルを再送信できます。

開始する前に

以下の手順を実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループ

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

メッセージをキューからエクスポートする前に、以下の手順を実行する必要があります。

  1. 対象の場所に関する以下の情報を確認します。
    • メッセージをエクスポートする前に、エクスポート先のディレクトリが存在している必要があります。このディレクトリは、自動的には作成されません。絶対パスが指定されていない場合は、現在の Exchange 管理シェルの作業ディレクトリが使用されます。
    • 指定するパスは、Exchange 2007 コンピュータ上のローカル パスでも、リモート サーバー上で共有の汎用名前付け規則 (UNC) パスでもかまいません。
    • アカウントに対象のディレクトリへの書き込みアクセス許可が与えられている必要があります。
  2. エクスポートするメッセージを検索して特定します。メッセージを表示する方法の詳細については、「メッセージを表示する方法」を参照してください。
  3. エクスポート処理中に配信が行われないように、エクスポートするメッセージを中断します。エクスポート処理を正しく行うためには、メッセージが中断の状態になっている必要があります。リモート配信キュー、メールボックス配信キュー、到達不能キュー、または有害メッセージ キューからメッセージをエクスポートできます。有害メッセージ キュー内にあるメッセージは、既に中断状態になっています。送信キュー内のメッセージを中断またはエクスポートすることはできません。メッセージを中断する方法の詳細については、「メッセージを中断する方法」を参照してください。

キューに入っているメッセージをファイルへエクスポートするには、次の操作を行います。

キュー内のメッセージをファイルにエクスポートする際には、以下の点を考慮してください。

  • キュー内のメッセージをエクスポートしても、メッセージがキューから削除されるわけではありません。メッセージを調べるためにエクスポートした場合、中断したメッセージを配信するのは後からでも再開できます。メッセージを再開する方法の詳細については、「メッセージを再開する方法」を参照してください。再生ディレクトリを使用して、メッセージをエクスポートし、再発信した場合は、配信するメッセージが重複しないように、中断したメッセージを削除する必要があります。キューからメッセージを削除する方法の詳細については、「キューからメッセージを削除する方法」を参照してください。
  • ファイル名またはパスとファイル名を指定すれば、個々のメッセージをファイルにエクスポートできます。ファイル名を指定する場合は、ファイル名拡張子の .eml が含まれていることを確認してください。ファイルが電子メール クライアント アプリケーションから簡単に開くことができ、あるいは再生ディレクトリがファイルを正しく処理します。
  • 既に存在するディレクトリへのエクスポート パスを指定した場合は、ファイル名を自動的に決定しながらメッセージをファイルにエクスポートすることができます。エクスポート先ディレクトリが既に存在する場合は、各メッセージのファイル名は自動的に InternalMessageID.eml に設定されます。InternalMessageID は、現在メッセージを処理している Exchange 2007 サーバーに割り当てられたメッセージ識別子です。

指定したキューから指定したメッセージへのエクスポート

Exchange 管理シェルを使用して、指定したキューから指定したメッセージをファイルへエクスポートするには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Export-Message -Identity <MessageIdentity> -Path <PathWithFileName>
    

    たとえば、Exchange01 というサーバー上のドメイン "Contoso.com" のリモート配信キューにある 1234 の InternalMessageID を含むメッセージのコピーを、"C:\Contoso Export\export.eml" へエクスポートするには、次のコマンドを実行します。

    Export-Message -Identity ExchSrv1\contoso.com\1234 -Path "C:\Contoso Export\export.eml"
    

指定したキューからすべてのメッセージへのエクスポート

Exchange 管理シェルを使用して、指定したキューからすべてのメッセージをディレクトリへエクスポートするには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Get-Message -Queue "<QueueIdentity>" | Export-Message -Path "<LocalPath>"
    

    たとえば、Exchange01 という名前のサーバー上にある "Contoso.com" というリモート配信キューから、ローカル コンピュータ上の "C:\Contoso Export" ディレクトリにすべてのメッセージのコピーをエクスポートするには、次のコマンドを実行します。

    Get-Message -Queue "Exchange01\contoso.com" | Export-Message -Path "C:\Contoso Export"
    

サーバー上のすべてのキューから指定したメッセージへのエクスポート

Exchange 管理シェルを使用して、サーバー上のすべてのキューから指定したメッセージをディレクトリにエクスポートするには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Get-Message -Filter {<Property> -<Operator> "<Value>"} -Server "<ServerIdentity>" | foreach {Export-Message -Identity:$_.Identity -Path "<LocalPath>"}
    

    たとえば、Exchange01 というサーバー上にあるすべてのキュー内から "Contoso.com" ドメインの送信者が送信したすべてのメッセージのコピーを、ローカル コンピュータ上のディレクトリ "C:\Contoso Export" へエクスポートするには、次のコマンドを実行します。

    Get-Message -Filter {FromAddress -like "@contoso.com"} -Server "Exchange01" | foreach {Export-Message -Identity:$_.Identity -Path:"C:\Contoso Export"}
    

構文およびパラメータの詳細については、「Export-Message」を参照してください。

Exchange 管理シェル コマンド出力で作業する方法の詳細については、「コマンド出力の操作」を参照してください。

詳細情報

詳細については、「Exchange 管理シェルを使用したキューの管理」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。