Exchange 2007 へのアップグレード

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-08-07

切り替えとは、既存の Exchange 組織を Microsoft Exchange Server 2007 にアップグレードする場合のシナリオです。切り替えを行うには、既存の Exchange サーバーから新しい Exchange 2007 サーバーにデータを移動する必要があります。たとえば、Exchange Server 2003 組織または Exchange 2000 Server 組織から Exchange 2007 組織にアップグレードする場合は、切り替えを実行します。

移行とは、Exchange 以外のメッセージング システムから Exchange 2007 にデータを移行することによって、または最初の組織の Exchange 構成データを保持せずに、既存の Exchange 組織からまったく新しい Exchange 組織にデータを移行することによって、Exchange 2007 にアップグレードするシナリオです。たとえば、別の会社と合併するときには、移行を実行する場合があります。このシナリオでは、既存の Exchange 組織の構成データを維持しないで、他の会社の Exchange 組織にメールボックスとデータを移動します。移行を実行するもう 1 つの例は、ロータス ノーツから Exchange 2007 にアップグレードする場合です。このシナリオでは、ロータス ノーツ組織のデータを維持しないで、新しい Exchange 2007 組織にメールボックスとデータを移動する必要があります。

重要 :
Exchange 2007 に切り替えるときは、既存の Exchange サーバー上でインプレース サーバー アップグレードを実行することはできません。代わりに、新しい Exchange 2007 サーバーを既存の組織にインストールして、データを新しい Exchange 2007 サーバーに移動する必要があります。

重要 :
既存の Exchange Server version 5.5 組織を Exchange 2007 にアップグレードすることはできません。最初に Exchange Server 5.5 組織から Exchange 2003 組織または Exchange 2000 組織に移行した後、Exchange 2003 組織または Exchange 2000 組織を Exchange 2007 に切り替えることができます。

切り替えプロセスはいくつかの段階で発生します。各段階において、個々の Exchange 2007 サーバーの役割とトランスポート機能が追加されます。各段階が終了すると、組織には Exchange 2007 と Exchange 2003 または Exchange 2000 が共存し、サポートされている共存モードで実行されます。エンドツーエンドのプロセスは、移行プロセス全体でメッセージング機能とその安定性を維持できるように設計されています。同一組織内で Exchange 2007 を Exchange 2003 または Exchange 2000 と共存させる際の、共存の確立およびサーバーの管理の詳細については、「Exchange Server 2003 および Exchange 2000 Server との共存」を参照してください。

移行プロセスには、完全に新しい Exchange 2007 組織のインストールと、さまざまな移行用ツールを用いた、古いメッセージング システムから新しい Exchange 2007 メッセージング システムへのメールボックスの移行が含まれます。

ロータス ノーツから Exchange 2007 への移行は、新しい組織に Exchange 2007 をインストールし、既存のメールボックスを移行することで行うことができます。Exchange 2007 への切り替えは、以下の既存メッセージング システムからのみ行うことができます。

• Exchange 2003 メッセージング システム
• Exchange 2000 メッセージング システム
• Exchange 2003 と Exchange 2000 の結合メッセージング システム

つまり、Exchange 2003 または Exchange 2000 の組織からアップグレードする場合は、組織の切り替え、または新しい組織への移行のどちらかを選択できます。通常は、既存組織の Exchange データを保持したいので、Exchange 2007 への切り替えを選択する必要があります。

注 :
Exchange Server 2003 から Exchange 2007 に切り替えると、Exchange ActiveSync から Exchange ActiveSync が有効なユーザーに対して、正常終了した前回の同期以降の変更はすべて失われることを示す警告が表示されます。この警告が発生するのは、ユーザーのメールボックスに格納されている同期状態が Exchange 2003 から Exchange 2007 に切り替えられないためです。次回の同期の実行中に、Exchange ActiveSync はユーザーのメールボックス内のすべてのアイテムを再同期します。

Exchange 2003 または Exchange 2000 以外のメッセージング システムからアップグレードする場合は、選択肢は Exchange 2007 への移行だけです。

サポートされるシナリオ

次の表は、サポートされる切り替えと移行のシナリオの一覧です。

表 1   サポートされる切り替えと移行のシナリオ

既存のメッセージング システム	Exchange 2007 へのインプレース サーバー アップグレード	Exchange 2007 組織への切り替え	Exchange 2007 への移行
Exchange Server 5.5	サポートされていません	サポートされていません	サポートされています。最初に Exchange 2003 または Exchange 2000 に移行した後、Exchange 2003 または Exchange 2000 を Exchange 2007 に切り替えする
Exchange 2003	サポートされていません	サポートされています	[サポート]
Exchange 2000	サポートされていません	[サポート]	サポートされています
Exchange 2003 および Exchange 2000 が混在する組織	サポートされていません	[サポート]	サポートされています
ロータス ノーツ	サポートされていません	サポートされていません	サポートされています。相互運用性および移行ツールを使用

詳細情報

以下では、Exchange 2007 への切り替え方法についての詳細な情報が提供されています。

• 単一フォレストから単一フォレスト
  Exchange 2003 または Exchange 2000 の既存の単一フォレストのトポロジを使用している場合、単一フォレストの Exchange 2007 組織に切り替えることができます。このシナリオで Exchange 2007 を展開する方法の詳細については、「単一フォレストから単一フォレストに移行する方法」を参照してください。

• フォレスト間からフォレスト間
  Exchange 2003 または Exchange 2000 の既存のフォレスト間のトポロジを使用していて、各フォレストに Exchange サーバーとメールボックスが存在する場合、Exchange 2007 のフォレスト間のトポロジに切り替えることができます。このシナリオで Exchange 2007 を展開する方法の詳細については、「フォレスト間で移行する方法」を参照してください。

• 単一フォレストからフォレスト間
  Exchange 2003 または Exchange 2000 の既存の単一フォレストのトポロジを使用している場合、Exchange 2007 のフォレスト間のトポロジに切り替えることができます。このシナリオで Exchange 2007 を展開する方法の詳細については、「単一フォレストからフォレスト間のトポロジに移行する方法」を参照してください。

• リソース フォレストからリソース フォレスト
  既存の Exchange 2003 トポロジまたは Exchange 2000 トポロジを使用していて、専用の Exchange フォレスト内に Exchange 2003 または Exchange 2000 のいずれかを含むリソース フォレストが既に存在する場合、その専用 Exchange フォレストに Exchange 2007 を追加し、既存のメールボックスを新しい Exchange 2007 サーバーに移動することができます。このシナリオで Exchange 2007 を展開する方法の詳細については、「リソース フォレストからリソース フォレストに移行する方法」を参照してください。

• 単一フォレストからリソース フォレスト
  既存の Exchange 2003 トポロジまたは Exchange 2000 トポロジを使用していて、リソース フォレストのトポロジを使用していない場合、専用の Exchange フォレストに Exchange 2007 を展開するには、まず、フォレスト間とリソース フォレストを組み合わせたシナリオで Exchange 2007 を展開する必要があります。この場合は、既存の Exchange 2003 フォレストまたは Exchange 2000 フォレスト内に一部の Exchange メールボックスが置かれ、Exchange 2007 リソース フォレスト内に一部の Exchange メールボックスが置かれることになります。すべての Exchange メールボックスを Exchange 2007 フォレストに移動する場合は、単一リソース フォレストのシナリオを使用します。このシナリオで Exchange 2007 を展開する方法の詳細については、「単一フォレストからリソース フォレストに移行する方法」を参照してください。

詳細情報

Exchange Server 5.5 から Exchange 2007 への移行の詳細については、「Exchange Server 5.5 からの移行」を参照してください。

ロータス ノーツからの移行の詳細については、「ロータス ノーツからの移行」を参照してください。

Exchange 2007 移行ソリューションを提供する Microsoft パートナーの詳細については、Exchange Server 2007 パートナー: 移行ソリューションに関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。