メールボックス サーバーの役割の概要

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

Microsoft Exchange Server 2010 には、Windows Server 2008 を実行しているサーバーにインストールして構成できるサーバーの役割がいくつかありますが、メールボックス サーバーの役割はそのうちの 1 つです。メールボックス サーバーの役割は最も一般的なサーバーの役割で、Exchange 組織の中心的な機能です。メールボックス サーバーの役割がインストールされているサーバーは、メールボックス サーバーと呼ばれます。

メールボックス サーバーでは、次の機能が実行されます。

  • メールボックス データベースをホストする

  • 電子メール ストレージの提供

  • パブリック フォルダー データベースをホストする

  • 電子メール アドレス ポリシーを計算する

  • アドレス一覧とオフライン アドレス帳 (OAB) を生成する

  • 複数のメールボックスの検索を実行する

  • 高可用性とサイト復元を提供する

  • コンテンツのインデックス処理を提供する

  • メッセージング レコード管理 (MRM) とアイテム保持ポリシーを提供する

メールボックス サーバーに関連する管理タスクについては、「メールボックス サーバーの管理」を参照してください。

目次

メールボックス サーバーの相互動作

他のサーバーの役割との共存

サーバーの役割の構成

サービスおよびポート実行可能ファイル

パブリック フォルダーの計画

メールボックス サーバーの相互動作

メールボックス サーバーは以下のものと直接通信する必要があります。

  • Active Directory

  • クライアント アクセス サーバー

  • ハブ トランスポート サーバー

  • ユニファイド メッセージング サーバー

  • Microsoft Outlook クライアント

メールボックス サーバーの接続

メールボックス サーバーの役割の接続

次のプロセスが適用されます。

  1. メールボックス サーバーは、LDAP を使用して Active Directory から受信者、サーバー、組織の構成情報にアクセスします。

  2. ハブ トランスポート サーバーのストア ドライバーは、トランスポート パイプラインのメッセージを適切なメールボックスに格納します。また、メールボックス サーバーの送信者の送信トレイにあるメッセージもトランスポート パイプラインに追加します。ストア ドライバーの詳細については、「モデレートされたトランスポートについて」を参照してください。

  3. クライアント アクセス サーバーは、クライアントからの要求をメールボックス サーバーに送信し、メールボックス サーバーのデータをクライアントに返します。また、NetBIOS のファイル共有を使用してメールボックス サーバーの OAB ファイルにアクセスします。クライアント アクセス サーバーがクライアントとメールボックス サーバー間で送信するデータの種類には、メッセージ、空き時間情報データ、クライアント プロファイル設定、OAB データが含まれます。

  4. ユニファイド メッセージング サーバーは、Outlook Voice Access 用にメールボックス サーバーの電子メール、ボイス メール メッセージ、予定表情報を取得します。また、ユニファイド メッセージング サーバーはメールボックス サーバーから格納域の制限情報も取得します。Outlook Voice Access の詳細については、「Outlook Voice Access について」を参照してください。

  5. ファイアウォール内の Outlook クライアントは、クライアント アクセス サーバーにアクセスしてメッセージを送信および取得します。ファイアウォール外の Outlook クライアントは、(RPC over HTTP を使用する) Outlook Anywhere を使用してクライアント アクセス サーバーにアクセスできます。ただし、パブリック フォルダーを表示または変更している Outlook クライアントは、RPC over TCP を使用してクライアント アクセス サーバーに直接アクセスします。Outlook Anywhere の詳細については、「Outlook Anywhere について」を参照してください。

  6. 管理者用コンピューターは、Microsoft Exchange Active Directory トポロジ サービスから Active Directory トポロジ情報を取得します。また、電子メール アドレス ポリシー情報とアドレス一覧情報も取得します。

  7. クライアント アクセス サーバーは、LDAP または Name Service Provider Interface (NSPI) を使用して Active Directory サーバーと通信し、ユーザーの Active Directory 情報を取得します。

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他のサーバーの役割との共存

クライアント アクセス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、メールボックス サーバーの役割、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割は、任意の組み合わせで同じコンピューター上に共存できます。展開するサーバーの役割の組み合わせを検討する際は、容量とパフォーマンスの計画およびセキュリティと可用性の要件に基づいて決定を行う必要があります。詳細については、「メールボックス サーバーの記憶域設計」を参照してください。

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サーバーの役割の構成

メールボックス サーバーの役割を構成するには、Exchange 管理シェルの Set-MailboxServer コマンドレットを使用します。メールボックス サーバーの役割の設定を取得するには、Get-MailboxServer コマンドレットを使用します。詳細については、「メールボックス サーバーのプロパティの構成」を参照してください。

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サービスおよびポート実行可能ファイル

Windows Server 2008 を実行するコンピューターに Exchange 2010 メールボックス サーバーの役割をインストールすると、次の表にあるサービスとポート実行可能ファイルがインストールされます。Microsoft Search (Exchange サーバー) および Microsoft Exchange 監視サービスは手動で開始するよう設定されています。他のサービスはすべて自動で開始するよう設定されています。

Services

サービスの短縮名 サービス名 関連付けられている実行可能ファイル ポート名

MSExchangeIS

Microsoft Exchange Information Store

Store.exe

MSExchangeISPorts

MSExchangeADTopology

Microsoft ExchangeActive Directory Topology

MSExchangeADTopologyService.exe

MSExchangeADTopologyPorts

MSExchangeMailboxAssistants

Microsoft Exchange メールボックス アシスタント

MSExchangeMailboxAssistants.exe

MSExchangeMailboxAssistantsPorts

MSExchangeSearch

Microsoft Exchange Search Indexer

Microsoft.Exchange.Search.ExSearch.exe

MSExchangeSearchPorts

MSExchangeServiceHost

Microsoft Exchange Service Host

Microsoft.Exchange.ServiceHost.exe

MSExchangeServiceHostPorts

MSExchangeMonitoring

Microsoft Exchange Monitoring

Microsoft.Exchange.Monitoring.exe

MSExchangeMonitoringPorts

MSExchangeSA

Microsoft Exchange System Attendant

Mad.exe

MSExchangeSAPorts

MSExchangeMailSubmission

Microsoft Exchange Mail Submission

MSExchangeMailSubmission.exe

MSExchangeMailSubmissionPorts

msftesql-Exchange

Microsoft Search (Exchange Server)

Msftesql.exe

msftesql-ExchangePorts

MSExchangeTranportLogSearch

Microsoft Exchange Transport Log Search

MSExchangeTransportLogSearch.exe

MSExchangeTransportLogSearchPorts

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パブリック フォルダーの計画

パブリック フォルダーを展開する前にこれが提供する機能について十分理解し、パブリック フォルダーが組織のニーズに合うことを確認しておくことが重要です。

Exchange パブリック フォルダーは、多数のユーザーが共有する情報のリポジトリとして機能することを目的としています。企業が複数のサーバーへのデータ レプリケーションを必要とするときは、パブリック フォルダーを使用する必要があります。パブリック フォルダーへのアクセスは、MAPI プロトコルを通じて通常のメールボックス アクセスと統合されます。パブリック フォルダーの詳細については、「パブリック フォルダーについて」および「パブリック フォルダーの管理」を参照してください。

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