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グループ測定値について

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2010-07-07

グループ測定値は、組織内の配布グループと動的配布グループに関する次のデータの集まりです。

  • メンバーの数

  • 組織の外部にいるメンバーの数

グループ測定値データは、Microsoft Exchange Server 2010 のメール ヒントをサポートするために使用します。メール ヒントは、送信者がメッセージを作成しているときに送信者に表示される情報メッセージです。Exchange 2010 で使用可能なメール ヒントの完全な一覧などのメール ヒントの詳細については、「メールヒントについて」を参照してください。

グループ測定値データは、次のメール ヒントを表示するかどうかを決定するのに使用します。

  • 多数の対象ユーザー   このメール ヒントは、組織内に構成された多数の対象ユーザーと見なされるメンバーシップ数を持つ配布グループを送信者が追加するときに表示されます。既定では、宛先が 25 人を超える受信者になっているメッセージは多数の対象ユーザーと見なされます。

  • 外部受信者   このメール ヒントは、組織外部にいるメンバーを持つ配布グループを送信者が追加するときに表示されます。

配布グループと動的配布グループのこれらの特徴を確認することは、簡単な作業ではありません。ユーザーが作成したメッセージに受信者が追加されると、その都度メール ヒントが評価されます。この情報を送信者のメッセージの作成中に計算することは、メール ヒントの表示の遅延の原因になったり、場合によっては組織の規模によってパフォーマンスの低下を招くことになるので、適切ではありません。

パフォーマンスを低下させずに送信者にこの貴重な情報を提供するため、Exchange では、グループ測定値データを、就業時間以外の時間帯に実行するようにスケジュール可能なバックグラウンド プロセスとして計算します。メール ヒントの受信者を評価する際、Exchange はグループ測定値データを読み取ります。

メール ヒントに関連する管理タスクについては、「メール ヒントの管理」を参照してください。

グループ測定値の生成と配布

既定では、グループ測定値データはオフライン アドレス帳 (OAB) を生成するのと同じメールボックス サーバー上で生成されます。これは、Set-MailboxServer コマンドレットを使用してそのサーバー上でグループ測定値の生成を明示的に無効にするとしても当てはまります。メールボックス サーバーは、毎日曜日に、すべての配布グループと動的配布グループに対する完全なグループ測定値データを生成し、最後の完全生成以降に変更されたグループがあればそのための増分更新データを生成します。グループ測定値データの完全生成日は変更できませんが、生成する時間は毎日設定できます。既定では、グループ測定値データは、毎日深夜 2 時間以内にランダムに生成されます。

グループ測定値には次のファイルが関連付けられます。

  • GroupMetrics-< 日付 >T< 時間 >.bin   このバイナリ ファイルは主要なグループ測定値データ ファイルです。このファイルには、組織内のすべての配布グループと動的配布グループのメンバーシップと外部メンバー数が保存されています。ファイル名の日付と時間の各セクションはハイフンで区切られます。たとえば、2010 年 1 月 18 日、20 時 (午後 8:00) に作成されたグループ測定値データ ファイルは、次のファイル名になります。GroupMetrics-2010-01-18T20-00-00.bin。

  • GroupMetrics-< サーバー名 >.xml   この XML ファイルには、グループ測定値データを生成するために構成されたメールボックス サーバーに関する情報が保存されています。このファイルは、Microsoft Exchange ファイル配布サービスにとって必要なファイルで、配布する必要があるバイナリ ファイルをポイントします。

  • ChangedGroups.txt   このファイルには、最後にグループ測定値データが生成されたときに更新されたグループの一覧が保存されます。

次のシナリオでは既定でグループ測定値データは生成されません。

  • 組織内の OAB を使用しない場合。つまり、OAB 配布用のパブリック フォルダーのみを使用する場合。

  • OAB 生成のためのサーバーが、メールボックス サーバーの役割をインストールしている Microsoft Exchange Server 2007 を実行するサーバーである場合。

これらのシナリオのいずれかが当てはまる場合は、グループ測定値の生成を開始するために Exchange 2010 メールボックス サーバーを手動で構成する必要があります。詳細な手順については、「グループ測定値を構成する」を参照してください。

グループ測定値データは、Microsoft Exchange ファイル配布サービスを使用してクライアント アクセス サーバーに配布されます。Microsoft Exchange ファイル配布サービスは、Active Directory に照会して、グループ測定値の生成が有効になっているメールボックス サーバーの一覧を取得し、8 時間ごとに最も近いメールボックス サーバーからグループ測定値データをコピーします。

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