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メールボックス レプリケーション サービスの調整

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-11-11

すべての Microsoft Exchange Server 2010 クライアント アクセス サーバーに常駐する、メールボックス レプリケーション サービス (MRS) は、メールボックスの移動, .pst ファイルのインポートとエクスポート、および無効になったメールボックスや回復可能な削除によって削除されたメールボックスの復元を担当するサービスです。

MRS は複数のタスクを実行するため、調整を加えて Exchange 組織の全体的な状態を管理することができます。MRS の各インスタンスはそれぞれ独自の構成設定値を持ちますが、各インスタンスが他のインスタンスによって処理されているタスクを認識します。MRS は、構成ファイルの MSExchangeMailboxReplication.exe.config で調整します。既定では、この構成ファイルは、すべてのクライアント アクセス サーバーで同じフォルダー、つまり、Exchange のインストール先フォルダーに配置されます (パス名は、<Exchange Installation Path>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V14\Bin\MSExchangeMailboxReplication.exe.config)。

注意

構成ファイルを開くと、[! Mailbox Replication Service configuration] という名前のセクションで構成設定の最小、最大、および既定値を確認できます。

移動要求に関連する他の管理タスクについては、「移動要求の管理」を参照してください。

MRS の調整

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「テキスト エディター」。

  1. <Exchange のインストール パス>\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V14\Bin**.** に移動します。

  2. メモ帳などのテキスト エディターを使用して MSExchangeMailboxReplication.exe.config ファイルを開きます。

  3. [MRSConfiguration] セクションに移動します。次のプロパティを編集できます。

    • MaxRetries    MRS はタスクが一時的に失敗すると、何度か再試行します。このプロパティは、その最大回数を指定します。0 ~ 1000 の値を指定できます。既定値は 60 です。

    • MaxCleanupRetries    このプロパティは、MRS がタスクのクリーンアップを試みる回数を指定します。最大試行回数に到達すると、タスクは失敗します。0 ~ 100 の値を指定できます。既定値は 5 です。

    • MaxStallRetryPeriod    Microsoft Exchange Information Store サービスは、ターゲット メールボックス データベースを構成済みのデータ冗長性の制約に準拠させます。MRS はこの操作を待つ間停止しますが、このプロパティはその最大停止時間を指定します。Microsoft Exchange Information Store サービスが、メールボックス データベースの異常を報告すると、MRS は一時停止します。最長時間に到達すると、タスクは失敗します。00:00:10 (10 秒) ~ 05:00:00 (5 時間) の値を指定できます。既定値は 00:15:00 (15 分) です。

    • RetryDelay    このプロパティは、タスクが一時的に失敗した後で再実行を試みるまでの MRS の待ち時間を指定します。00:00:10 (10 秒) ~ 00:30:00 (30 分) の値を指定できます。既定値は 00:00:30 (30 秒) です。

    • MaxMoveHistoryLength   このプロパティは、メールボックスに保持される移動履歴の最大数を指定します。0 ~ 100 の値を指定できます。移動履歴の既定値はメールボックス当たり 2 です。

    • MaxActiveMovesPerSourceMDB   このプロパティは、MRS が実行できるタスクのうち、メールボックス データベースをデータ ソースとして含むタスクの総数を指定します。タスクの例としては、データベースにあるメールボックスの移動、データベースにあるメールボックスからのメールボックス データのエクスポート、データベースからのメールボックス データの復元などがあります。0 ~ 100 の値を指定できます。同時に実行できるタスク数の既定値は 5 です。

    • MaxActiveMovesPerTargetMDB   このプロパティは、MRS が実行できるタスクのうち、メールボックス データベースをデータ ターゲットとして含むタスクの総数を指定します。タスクの例としては、データベースへのメールボックスの移動、データベースにあるメールボックスへのメールボックス データのインポート、データベースにあるメールボックスへのメールボックス データの復元などがあります。0 ~ 100 の値を指定できます。同時に実行できるタスク数の既定値は 2 です。

    • MaxActiveMovesPerSourceServer    このプロパティは、MRS が実行できるタスクのうち、サーバーをデータ ソースとして含むタスクの総数を指定します。0 ~ 1000 の値を指定できます。同時に実行できる移動数の既定値は 50 です。

    • MaxActiveMovesPerTargetServer    このプロパティは、MRS が実行できるタスクのうち、サーバーをデータ ターゲットとして含むタスクの総数を指定します。0 ~ 1000 の値を指定できます。同時に実行できる移動数の既定値は 5 です。

    • MaxTotalMovesPerMRS   このプロパティは、MRS の単一インスタンスが一度に実行できるタスクの総数を指定します。0 ~ 1000 の値を指定できます。同時に実行できる移動数の既定値は 100 です。

    • FullScanMoveJobsPollingPeriod   このプロパティは、MRS の各インスタンスが新しいタスクをスキャンする間隔を示します。00:03:00 (3 分) ~ 1:00:00:00 (1 日) の値を指定できます。既定値は 00:10:00 (10 分) です。

    これまでに説明したプロパティに加え、以下のプロパティも構成できますが、これらの設定は、サポート担当者が指示する場合を除いて変更しないでください。

    • MinimumTimeBeforePickingJobsFromSameDatabase

    • ServerCountsNotOlderThan

    • MRSAbandonedMoveJobDetectionTime

    • BackoffIntervalForProxyConnectionLimitReached

    • DataGuaranteeCheckPeriod

    • DataGuaranteeTimeout

    • DataGuaranteeLogRollDelay

    • MailboxLockoutTimeout

    • MailboxLockoutRetryInterval

    • EnableDataGuaranteeCheck

    • DisableMrsProxyCompression

    • DisableMrsProxyBuffering

    • MinBatchSize

    • MinBatchSizeKB

  4. 加えた変更が、他のすべてのクライアント アクセス サーバーの MSExchangeMailboxReplication.exe.config ファイルにも適用されていることを確認してください。

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