TcpTimedWaitDelay キーがないか、既定値ではない
[このトピックの目的は、Exchange Server アナライザ ツールが提起した特定の問題に取り組むことです。解決策を適用する対象は、Exchange Server アナライザ ツールを実行し、その特定の問題が発生しているシステムに限定する必要があります。無料でダウンロードして入手できる Exchange Server アナライザ ツールは、トポロジ内の各サーバーから構成データをリモートで収集し、データを自動的に分析します。生成されるレポートには、構成上の重要な問題点、潜在的な問題点、および製品の各種設定で既定値以外のものが、詳細に記載されます。これらの推奨事項に従うことにより、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性、およびアップタイムの向上を達成できます。このツールの詳細、または最新バージョンのダウンロードについては、「Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ ツール バージョン 2 のダウンロード」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=34707) を参照してください。]
トピックの最終更新日: 2007-03-13
Microsoft Exchange アナライザ ツールは Active Directory ディレクトリ サービスに対してクエリを実行し、msExchExchangeServer オブジェクト クラスを持つすべてのオブジェクトについて、serialNumber 属性の値を判断します。文字列値に "Version 5.5" が含まれている場合、コンピュータでは Exchange Server 5.5 を実行しています。文字列値に "Version 6.0" が含まれている場合、コンピュータでは Exchange 2000 Server を実行しています。文字列値に "Version 6.5" が含まれている場合、コンピュータでは Exchange Server 2003 を実行しています。文字列値に "Version 8.0" が含まれている場合、コンピュータでは Exchange Server 2007 を実行しています。
次に、Exchange アナライザ ツールは、見つかった各 Exchange Server 2007 サーバーの次のレジストリを読み取り、TcpTimedWaitDelay キーの値が既定値の 60 に設定されているかどうかを判断します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
TcpTimedWaitDelay キーは、TCP が閉じられた接続を解放してそのリソースを再利用するまで待機する必要がある時間を決定します。閉じられてから解放するまでの間隔は、TIME_WAIT 状態または 2MSL 状態と呼ばれます。この間、クライアントとサーバーにとっては、新しい接続を確立する場合より大幅に少ないコストで接続を再度開くことができます。
このエントリの値を小さくすると、TCP は閉じられた接続をより短時間に解放し、新しい接続のためにより多くのリソースを提供できます。ただし、値が小さすぎる場合、接続が完了する前に TCP が接続リソースを解放し、サーバーが追加のリソースを使用して接続を再確立する必要が生じる可能性があります。
Exchange アナライザが TcpTimedWaitDelay キーの値がないか、既定値の 60 とは異なると判断すると、警告が表示されます。
最適なパフォーマンスを得るには、Exchange Server 2007 サーバーで、TcpTimedWaitDelay キーを既定値の 60 に設定することをお勧めします。
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このトピックには、レジストリの編集に関する説明が含まれています。レジストリを編集するには、問題発生時にレジストリを復元する方法を理解している必要があります。レジストリの復元方法の詳細については、Regedit.exe または Regedt32.exe のヘルプで、「レジストリを復元する」を参照してください。 |
TcpTimedWaitDelay レジストリ キーを既定値に設定するには、次の操作を行います。
Regedit.exe や Regedt32.exe などのレジストリ エディタを起動します。
次の場所に移動します。HKLM\System\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
[TcpTimedWaitDelay] をダブルクリックし、[値のデータ] ボックスを 60 (10 進数) に設定します。
レジストリ エディタを終了し、コンピュータを再起動します。
レジストリを編集する場合、およびレジストリを編集する方法を詳しく知りたい場合は、Microsoft サポート技術情報の文書番号 256986「Microsoft Windows レジストリの説明」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=256986) を参照してください。
この問題は、「MaxUserPort キーがないか、既定値ではない」というアナライザの問題に関連しています。
MaxUserPort および TcpTimedWaitDelay レジストリ キーが及ぼす影響の詳細については、Windows 2000 リソース キットの伝送制御プロトコルについてのトピック (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=85654) を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。