Windows SharePoint Services のサービス階層

[アーティクル]
06/15/2015

Windows SharePoint Services 3.0 オブジェクトモデルは、3 つの階層に分けることができます。このトピックではサービス階層について説明します。これには、Web サービス、Windows サービス、その他の種類のサービス、サービスのインスタンスを表すクラスが含まれます。

重要

階層内のクラスによって表されるエンティティについては、「バックグラウンド : Windows SharePoint Services でのサービスエンティティ」を参照してください。

物理オブジェクト階層は、サーバーやファイルなどの物理エンティティを表す各種クラス、およびそれらのエンティティを収めた、ファームやフォルダなどの各種コンテナで構成されています。この物理オブジェクト階層については、「Windows SharePoint Services の物理オブジェクト階層」で説明しています。

3 番目の階層はコンテンツ階層で、リストアイテムなどのデータの公開可能なアイテムを表すクラスが含まれます。リスト、コンテンツデータベース、Web サイト、Web サイトのコレクション、Web アプリケーションと呼ばれるサイトコレクションのグループなどの、入れ子になったデータのコンテナを表すクラスもあります。この階層については、「Windows SharePoint Services のコンテンツ階層」で説明しています。

注意

一部のクラスは簡単に分類できず、複数の階層に属すると見なされるという意味で、これらの階層は部分的に重なっています。

サービス階層

この階層のクラスはサービスとサービスのインスタンスを表します。

図 1. サービス階層

抽象化した階層

SPService

Windows SharePoint Services サービスは、SPService から継承するクラスによって表されます。オブジェクトモデルには、こうしたクラスが 8 個あり、SPService とその 2 つの子から新しいクラスを派生させることができます。

図 2. サービス階層ツリー (実線はシールクラスを示します)

サービス階層ツリー

SPPersistedObject から継承するもの以外に、SPService には、サービスが実行するジョブの情報を取得するメンバがあります。それぞれの派生タイプには、その特定のタイプに関連する追加機能があります。

SPServiceInstance

すべての SPService オブジェクトには Instances プロパティがあり、これにはファーム内のさまざまなサーバー上で実行されているサービスのすべてのインスタンスが保持されています。各サービスにはインスタンスが 1 つだけあり、任意の 1 つのサーバーで実行されますが、サービスの中にはインスタンスが複数あり、それぞれのインスタンスが異なるサーバーで実行されるものもあります。各インスタンスは、SPServiceInstance から派生するクラスのオブジェクトによって表されます。

SPServiceInstance の継承ツリーは、SPService のツリーとほぼ対応します。

図 3. サービスインスタンス継承ツリー (実線はシールクラスを示します)

サービスインスタンス継承ツリー

SPPersistedObject から継承するものに加え、SPServiceInstance には、サーバー上でサービスを開始および停止するメンバがあります。それぞれの派生タイプには、その特定のタイプに関連する追加機能があります。

注意

ファームの負荷分散ソフトウェアやハードウェアは、SPLoadBalancerServiceInstance クラスを使用しません。これは基本クラスであり、開発者は SPWindowsService と共に使用して、エンドユーザーが PDF ドキュメントを HTML として表示できるサービスなどの負荷分散ドキュメント変換サービスを開発できます。

Windows サービスと Web サービスは新規に作成できます。たとえば、ドキュメントをスキャンしてウイルスを検索する Windows サービスを Windows SharePoint Services の展開に追加すると効果的です。 (Windows サービスの展開の詳細については、「Services」を参照してください)。

Windows SharePoint Services のサービス階層

サービス階層

SPService

SPServiceInstance

See Also

参照

概念

その他のリソース

その他のリソース