サイト定義と準備 : フィーチャー フレームワーク

Windows SharePoint Services 3.0 ではフィーチャーという新しい構造を使用しています。フィーチャーは 1 つまたは複数の要素を格納できるエンド ユーザー指向のコンテナです。要素は Windows SharePoint Services の最小概念です。

フィーチャーは、Windows SharePoint Services の既存の構造と同様に CAML (Collaborative Application Markup Language) の概要を使用して XML 形式で定義されます。個々のフィーチャー定義には 1 組みの XML ファイルが含まれています。これまで Windows SharePoint Services 2.0 のサイト定義内にあった項目の多くは、モジュール化され、要素として個別に適用されます。

Windows SharePoint Services 3.0 では、SharePoint サイト定義は基本的にフィーチャーのリスト、レイアウト ページ、およびマスタ ページに変換されます。目標は、テンプレート化された SharePoint サイトを、管理者がサイトのフィーチャーを切り替えるか、場合によってはレイアウト ページやマスタ ページを切り替えるだけで、別のテンプレート化された SharePoint サイトに簡単に変換できることです。

Windows SharePoint Services 2.0 のサイト定義を Windows SharePoint Services 3.0 のサイトにアップグレードするには、以前の機能を新しいフィーチャーにマップするアップグレード定義スキーマを作成する必要があります。

定義

Web の作成   特定の URL に SPWeb オブジェクトを作成すること。サイトの作成は、サイトの準備の前に行われます。

Web の準備   テンプレートを選択し、そのテンプレートの内容に基づいて初期のページ、リスト、および Web パーツ構造を設定すること。

フィーチャーのアクティブ化   Web サイトで特定のフィーチャーをアクティブ化すること。

サイト定義   サイト定義では、サイトの基本的な青写真、サイトに置くリスト、既定のナビゲーション構成などを指定します。サイト定義には、フロントエンド Web サーバー上の XML、ASPX、およびその他のファイル一式が関係します。詳細については、「テンプレートおよび定義を使用する」を参照してください。

サイト テンプレート   サイト テンプレートは、基本サイト定義からの相違点および変更点を含むパッケージです。このパッケージは .stp ファイルとして格納されます。.stp ファイルは相違点を定義する XML ファイルを含む CAB ファイルです。適切な権限を持つユーザーは、この .stp ファイルをサイト コレクションにダウンロード/アップロードできます。つまり, .stp ファイルにはある程度の移植性があります。詳細については、「テンプレートおよび定義を使用する」を参照してください。

フィーチャー   フィーチャーとは、ユーザーが特定の目標や課題を達成するために役立つ Windows SharePoint Services 要素のパッケージです。たとえば、あるフィーチャーに "お気に入りのアイテム" という名前を付け、以下のものを含める場合が考えられます。

  • ユーザーごとにそのユーザーのお気に入りのアイテムを格納するカスタム リスト。1 つのフィーチャーを有効にすると、ワークスペースあたり 1 つの非表示リストとしてこのリストが作成されます。

  • すべてのリストに添付され、お気に入りリストにアイテムを追加する、"お気に入りに追加" というユーザー設定メニュー項目。

  • お気に入りの上位 10 位をユーザーに表示し、利用状況とリンクの追跡によってランキングの精度を高める Web パーツ。

これらの要素は、単独で役立つとは限りませんが、サイトでこれらのすべてを有効にしたときに、特定の課題を解決する完成した 1 つのフィーチャーとなります。詳細については、「フィーチャーを操作する」を参照してください。

要素   要素はフィーチャー内の最小単位です。要素には、たとえばユーザー設定メニュー項目やイベント ハンドラなど、さまざまな型があります。詳細については、「要素型」を参照してください。

Web サイト フィーチャー   Web サイト フィーチャーは、Web サイト レベルを適用範囲とするフィーチャーです。フィーチャーの適用範囲は、フィーチャー開発者がフィーチャーに含めた要素によって暗黙的に決定されます。

サイト コレクション フィーチャー   サイト コレクション フィーチャーは、サイト コレクション レベルを適用範囲とするフィーチャーです。通常、サイト コレクション フィーチャーには、サイト コレクションに共通の Web パーツやコンテンツ タイプなど、サイト コレクション全体に適用される項目が含まれます。

ファーム フィーチャー   ファーム フィーチャーは、サーバー ファーム全体を適用範囲とするフィーチャーです。この意味で、ファーム フィーチャーは "グローバル フィーチャー" とも呼ばれます。他の種類のフィーチャーと異なり、グローバル フィーチャーはファームで既定でアクティブ化されます。ファーム フィーチャーには、アプリケーションやロジックを実装するために欠かせないいくつもの要素が含まれています。

Web アプリケーション フィーチャー   Web アプリケーション フィーチャーは、Web アプリケーション レベルを適用範囲とするフィーチャーです。Web アプリケーション フィーチャーは、アクティブ化/非アクティブ化できます。以下の要素型を含めることができます。

  • Web アプリケーション アセンブリ

  • Web アプリケーション管理用リンク

  • フィーチャーの適用範囲の詳細については、「要素の範囲」を参照してください。

新しいコールバック

フィーチャーはイベント処理用の以下のコールバックをサポートします。

  • FeatureInstalled/FeatureUninstalled   オブジェクト モデルまたはコマンド ライン操作によって、フィーチャーがインストールまたはアンインストールされました。

  • FeatureActivated   Web サイトでフィーチャーがアクティブ化されました。

  • FeatureDeactivating   Web サイトでフィーチャーを非アクティブ化しています。

See Also

概念

フィーチャーを操作する