コンテンツ タイプの設定とサイト内の列
Windows SharePoint Services 3.0 では、新たにコンテンツ タイプとサイト内の列という 2 つのツールが用意され、データの整理と統一に利用できます。
コンテンツ タイプ
コンテンツ タイプとは、Windows SharePoint Services 3.0 で提供される機能およびサービス全体で使用される中心的概念であり、ユーザーはこれを利用して SharePoint コンテンツをより有意な方法で整理することができます。コンテンツ タイプは、特定のカテゴリのコンテンツに適用する設定をまとめて再利用できるようにしたものです。コンテンツ タイプを使用すると、ドキュメントのメタデータや動作、またはアイテムの種類を再利用可能な方法で集中的に管理することができます。
たとえば、ソフトウェア仕様と契約書という 2 つの種類のドキュメントがあるとします。この 2 種類のドキュメントを同じドキュメント ライブラリに保存しようとするのは合理的です。ただし、各種類のドキュメントについて収集して格納するメタデータはまったく異なります。さらに、この 2 種類のドキュメントに割り当てるワークフローも大きく異なることが予想されます。
コンテンツ タイプを利用することで、種類の異なる複数のコンテンツを同じドキュメント ライブラリやリストに保存できるようになります。この例の場合には、Specification と Contract という 2 つのコンテンツ タイプを定義します。各コンテンツ タイプには、アイテム メタデータを収集して保存する列を別々に含めることができ、さらに別々のワークフローを割り当てることができます。それでも、それぞれのコンテンツ タイプのアイテムは同じドキュメント ライブラリに格納できます。
コンテンツ タイプを使用してワークフローやカスタム属性などの追加設定をアイテムに割り当てることで、コンテンツ タイプの機能をさらに拡張することができます。
コンテンツ タイプは特定のリストやドキュメント ライブラリと無関係に定義できるため、特定のコンテンツ タイプを複数の SharePoint サイトのリストで使用できるように設定できます。これにより、サイト コレクションに格納するコンテンツの種類の定義と管理を集中的に行えます。たとえば、仕様書コンテンツ タイプを使用すると、ソフトウェア仕様書が複数のサイトに格納されている場合でも、すべてのソフトウェア仕様書が同じメタデータを追跡することができます。
コンテンツ タイプはファイル形式に依存しません。ドキュメント ライブラリの場合、ドキュメント テンプレートを指定できます。ユーザーがこのコンテンツ タイプの新しいドキュメントを要求すると、Windows SharePoint Services によってテンプレートに基づくドキュメントが作成されます。ただし、ユーザーはまったく違うファイル形式であっても、異なるテンプレートに基づいてドキュメントをアップロードすることもできます。
サイト内の列
サイト内の列は、列定義に対する再利用可能で一元的なモデルです。サイト内の列を作成すると、この列を使用するすべてのリストに同じ定義が適用されます。これによって、各リストに列を複製していくという面倒な作業が不要になります。
サイト列は、再利用可能な列定義またはテンプレートであり、複数の SharePoint サイトの複数のリストに割り当てることができます。サイト列によって再作業を削減し、サイト間およびリスト間でメタデータの一貫性を維持できます。たとえば、Customer というサイト内の列を定義するとします。ユーザーはその列をリストに追加して、コンテンツ タイプ内で参照することができます。これにより、使用される場所に関係なく、その列が (少なくとも最初の時点で) 同じ属性を持つようになります。
さらに、サイト内の列によってメンテナンスの実行箇所が 1 つに集約されます。たとえば、企業の特定の状態を示す選択肢が複数含まれる、状態のサイト内の列を作成し、その列をサイト コレクション内の複数のプロジェクト マスタ リストに実装することができます。新しい状態を追加する場合、サイト内の列を変更するだけで済み、状態列を含む列をそれぞれ変更する必要はありません。
サイト コンテンツ タイプと同様に、実際のリストやコンテンツ タイプとは関係なく、サイト レベルでサイト内の列を定義します。
列をリストに追加すると、Windows SharePoint Services によって、サイト内の列がリスト内の列としてリストにローカルにコピーされます。その後で、リスト内の列に変更を加えることができます。この変更は、列がそのリストで使用されるときにのみ列に適用されます。
状況によっては、特定のリストの列を変更する必要が生じます。そのため、リスト レベルで列を個別にカスタマイズすることもできます。たとえば、会社の IT 部門のすべてのプロジェクトに On Hold-Waiting for Hardware という追加状態があるとします。この状態を IT 部門のマスタ プロジェクト リスト内の列に追加することができます。
独自のリスト内の列をリスト上に直接作成することもできます。いずれの方法でも、リスト内の列は、その列を追加したリストにのみ適用されます。リスト内の列を複数のリストに追加することはできません。
コンテンツ タイプ内のサイトやリストの列を参照することができます。