次の方法で共有


Office 2010 の保守のベスト プラクティス

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

この記事では、Microsoft Office 2010 インストールをメンテナンスおよびカスタマイズする方法を説明します。

Office 2010 には、Office インストールをカスタマイズおよびメンテナンスするために以下の方法が用意されています。

  • Config.xml   Config.xml file ファイルはインストール タスクの構成に使用します。セットアップ カスタマイズ .msp ファイルと Config.xml ファイルの両方を使用して Office をカスタマイズする場合は、Config.xml ファイルで定義したカスタマイズが、カスタマイズ .msp ファイルより優先されます。Config.xml を使用すると、以下のようなオプションを構成できます。

    • ネットワーク インストール ポイントのパスを指定する。

    • インストールする製品を選択する。

    • セットアップ オプションをカスタマイズする。ログ記録、セットアップ カスタマイズ ファイルの場所、ソフトウェア更新プログラムの場所などのオプションがあります。

    • ユーザー名、会社名などのインストール オプションを指定する。

    • Office をインストールせずにローカル インストール ソース (LIS) をユーザーのコンピューターにコピーする。

    • インストールに対して言語の追加または削除を行う。

  • Office カスタマイズ ツール   Office カスタマイズ ツール (OCT) は、セットアップ プログラムの一部になっており、ほとんどのカスタマイズに使用される主要ツールです。OCT は、セットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルにカスタマイズを保存し、セットアップ時またはメンテナンス モードの操作中のどちらかに適用されます。OCT を使用して以下の領域をカスタマイズできます。

    • [セットアップ]。既定のインストール場所と既定の組織名、追加のネットワーク インストール ソース、プロダクト キー、ライセンス条項、表示レベル、表示レベル、以前のバージョンの Office の削除、インストール中に実行するカスタム プログラム、セキュリティ設定、およびセットアップ プロパティの指定に使用します。

    • [機能]。ユーザー設定の構成と、インストールする Office 機能の指定に使用します。

    • [追加内容]。ファイルおよびレジストリ エントリの追加や削除、およびショートカットの構成に使用します。

    • [Outlook]。ユーザーの既定の Outlook プロファイルのカスタマイズ、Exchange 設定の指定、アカウントの追加、変更、および削除、設定のエクスポート、および送受信グループの指定に使用します。

  • セットアップのコマンド ライン オプション   Setup.exe のコマンド ライン オプションは、メンテナンス、修復、アンインストールの各操作にも使用できます。ただし、Setup.exe のコマンド ライン オプションの用途は限られています。OCT を使用すると、セットアップ プロパティおよびその他のカスタマイズを構成できます。

この記事の内容

  • Config.xml ファイルを使用したメンテナンス

  • Office カスタマイズ ツールを使用したメンテナンス

  • セットアップのコマンド ライン オプションを使用したメンテナンス

Config.xml ファイルを使用したメンテナンス

Config.xml ファイルは、ユーザーのコンピューターにインストールされることもキャッシュされることもありません。セットアップの実行中にのみ使用されます。管理者は、Config.xml ファイルを編集することによって、インストールを詳細にカスタマイズできます。既定では、コア製品フォルダーに格納される Config.xml ファイルで、セットアップにその製品のインストールが指示されます。たとえば、ProPlus.WW フォルダー内の Config.xml ファイルによって Microsoft Office Professional Plus 2010 がインストールされます。

セットアップのコマンド ラインで /config を使用して、製品の既定の Config.xml ファイルの場所を指定したり、カスタムの Config.xml ファイルを指定したりできます。既にインストールされている製品に対して /config を使用した場合、変更する製品がセットアップに指示されます。/config コマンドの構文は以下のとおりです。

/config [パス]

たとえば、/config コマンドを使用して Setup.exe を実行するには、次のように入力します。

\\server\share\Office14 \setup.exe /config \\server\share\Office14\ProPlus.WW\Config.xml

各部分の意味は次のとおりです。

Office14 はネットワーク インストール ポイントのルートです。

Config.xml ファイルを使用して、以下のインストール後のタスクを実行できます。

  • メンテナンス モードの操作 (機能の追加または削除)

  • 修復

  • 削除

このセクションの内容

  • Config.xml ファイルを変更する

  • Config.xml ファイルで機能の状況を個別に構成する

Config.xml ファイルを変更する

Office 2010 (この例では Office Professional Plus 2010) の Config.xml ファイルを変更する手順は、以下のとおりです。

Config.xml ファイルを変更するには

  1. エクスプローラーを使用して、*\\server\share\Office_2010\ProfessionalPlus\*ProPlusWW ディレクトリに移動します。

  2. メモ帳などのテキスト エディターを使用して Config.xml ファイルを開きます。そのためには、Config.xml ファイルを右クリックして、[プログラムから開く]、[メモ帳] の順にクリックします。

  3. Config.xml ファイルを変更し、カスタマイズが完了したらファイルを保存します。以下のセクションでは、Config.xml ファイルのカスタマイズ例を示します。

    セットアップのユーザー インターフェイス、エラー メッセージ、およびその他のダイアログ ボックスを非表示にし、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意するように Display Level を構成するには、Config.xml ファイルで Display 要素が含まれている行を探します。

    注意

    ライセンス条項は、Display 要素の AcceptEula 属性で "Eula" と呼ばれています。

    <!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->

    Display を以下のように変更します。

    <Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />

    同様に、詳細なログ記録をオンにし、ログ ファイルを AppInst フォルダーに格納するには、Config.xml ファイルで Logging 要素が含まれている行を探し、以下のように変更します。

    <Logging Type="verbose" Path="%temp%\Log\AppInst\Office2010" Template="Microsoft Office 2010 Professional Plus Setup(*).txt" />

    機能がアンインストールされるように設定するには、Config.xml ファイルの OptionState 要素を指定して、ユーザーのコンピューターから機能がアンインストールされ、その機能の子機能も同じ指定の状況に設定されるようにします。この例では、Microsoft Access 2010 を使用します。Access 2010 をアンインストールするには、OptionState 要素が含まれている行を探し、以下のように変更します。大文字と小文字が区別されることに注意してください。

    <OptionState Id=”ACCESSFiles” State=”absent” Children=”force” />

    Config.xml ファイルの OptionState 要素には、インストール時に製品の個々の機能を処理する方法を指定するオプションが用意されています。OptionState 要素の Id 属性の値は、インストールする製品の製品フォルダー内の Setup.xml ファイルにあります。たとえば、Microsoft Office Professional Plus 2010 をインストールする場合のファイルは ProPlus.WW\setup.xml です。Office Professional Plus 2010 でインストールされるアプリケーションの OptionState Id 値の詳細については、「Office 2010 に対する Config.xml ファイルの OptionState ID 値」を参照してください。Config.xml ファイルの詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

Config.xml ファイルで機能の状況を個別に構成する

Office 2010 の展開で、複数のユーザー グループに対して機能の状況を個別に構成する必要がある場合は、Config.xml ファイルの OptionState 要素を使用して、機能の状況を指定できます。そのためには、展開する Office 製品の Config.xml ファイルを、以下の例のようにカスタマイズします。このセクションの例は、Microsoft Office Professional Plus 2010 にのみ適用されます。他の Office 2010 製品を使用するには、必要な productIDConfiguration Product の値として指定します。たとえば、Office Professional Plus 2010 製品の場合は "ProPlus" を使用します。

ProductID 値は、ネットワーク インストール ポイントのコア製品フォルダー (core_product_folder_name**.WW** フォルダー。たとえば ProPlus.WW) にある Setup.xml ファイルに含まれています。Setup.xml ファイル内の [ProductID] は、Setup 要素の Id 属性の値と同じです。たとえば、Office Professional Plus 2010 の Setup.xml には、Setup Id="ProPlus" を含む以下の行があります。この場合、ProPlusProductID です。

<Setup Id="ProPlus" Type="Product" ProductCode="{90140000-0011-0000-0000-0000000FF1CE}">

<Configuration Product="ProPlus">
<OptionState Id="ACCESSFiles" State="absent" Children="force" /> <!-- Access -->
<OptionState Id="EXCELFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Excel -->
<OptionState Id="OUTLOOKFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Outlook -->
<OptionState Id="PPTFiles" State="local" Children="force" /> <!-- PowerPoint -->
<OptionState Id="PubPrimary" State="absent" Children="force" /> <!-- Publisher -->
<OptionState Id="SHAREDFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Office Shared Features -->
<OptionState Id="TOOLSFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Office Tools -->
<OptionState Id="VisioPreviewerFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Visio Viewer -->
<OptionState Id="WORDFiles" State="local" Children="force" /> <!-- Word -->
<OptionState Id="XDOCSFiles" State="absent" Children="force" /> <!-- InfoPath -->
</Configuration>

Office カスタマイズ ツールを使用したメンテナンス

管理者は、OCT を実行して既存のインストールを変更できます。そのためには、エクスプローラーを使用して、変更する既存の Office のインストール先に移動し ([参照] を使用)、Setup.exe /admin を実行します。既存の .msp ファイルを更新するか、新しい .msp ファイルを作成するかを選択できます。作成または更新した .msp ファイルをカスタマイズ ディレクトリに保存してから、Windows インストーラー コマンド ラインを使用して .msp 更新プログラムをインストールできます。

このセクションの内容

  • .msp カスタマイズ ファイルを展開する準備をする

  • インストールされている製品を確認する

  • .msp カスタマイズ ファイルを変更する

  • OCT .msp カスタマイズ ファイルによって更新される Office 2010 製品を確認する

  • .msp カスタマイズ更新プログラムをインストールする

.msp カスタマイズ ファイルを展開する準備をする

.msp カスタマイズ ファイルを使用するときは、多言語の展開および .msp 更新プログラムのシーケンス番号のしくみに関する重要な問題について考慮が必要です。

追加言語の展開

カスタマイズの一環として追加の言語を展開する場合、まず、展開するすべての Office 2010 言語パックを、Office 製品ファイルが格納されているネットワーク インストール ポイント (以下の例を参照) にコピーする必要があります。

\\server\share\Office14

インストール ソースに含まれる製品の静的リストは、カスタマイズ更新プログラムの初期作成時にのみ作成されます。後で別の言語をインストール ソースに追加する場合、既存のカスタマイズ更新プログラムは、そのような変更を反映するように更新されません。

Office 2010 では、初期セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成して (Microsoft Office Professional Plus 2010 などの) インストールをカスタマイズし、後から言語を追加することになった場合、OCT の Import オプションを使用して言語の変更を適用できます。このような場合は、最初に、Office 製品のソース ファイル (この例では Microsoft Office Professional Plus 2010) が格納されているネットワーク インストール ポイントに、言語パックを追加する必要があります。次に、ネットワーク インストール ポイントのルートから OCT を実行して、この製品に対する新しいセットアップ カスタマイズ ファイルを作成し、以前に Office Professional Plus 2010 用に作成した元のカスタマイズ .msp ファイルをインポートします。手順については、Office 2010 のセットアップ カスタマイズ ファイルをインポートする の「既存のインストールに言語をインポートする」を参照してください。

特定の .msp セットアップ カスタマイズ ファイルによって更新される製品については、「OCT .msp カスタマイズ ファイルによって更新される Office 2010 製品を確認する」を参照してください。

Updates フォルダーの使用

Updates フォルダーは、Office 2010 の初期または新規のインストール時にのみ使用されます。Updates フォルダーに含めることができるのは、初期またはベースラインの OCT .msp カスタマイズ ファイルと、サービス パックおよび修正プログラム (.msp 形式のみ) です。

重要

インストールする Office 2010 製品ごとに 1 つのカスタマイズ .msp ファイルのみを、初期インストール用の Updates フォルダーに配置できます。製品のカスタマイズ .msp ファイルの残りは、Office のインストールが完了した後に展開する必要があります。Updates フォルダーでは、1 つの製品につき 1 つのセットアップ カスタマイズ ファイルのみがサポートされます。
Office 2010 の初期インストールを展開する場合に Office 2010 ソフトウェアの更新プログラム (サービス パックや修正プログラムなど) も展開する必要がある場合、セットアップでそれらの製品更新プログラムをインストール プロセスの一部として適用できます。Office 2010 製品更新プログラムを Updates フォルダーに入れることができます。このような、Updates フォルダーにセットアップ カスタマイズ .msp ファイルと製品更新プログラムの両方を入れるシナリオでは、セットアップによって初期インストールでセットアップ カスタマイズ .msp ファイルのみが適用されます。製品更新プログラムは、インストールの完了後に適用されます。

初期インストールでは、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルを Updates フォルダーに置く以外の方法として、セットアップの /adminfile コマンド ライン オプションを使用して、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルの完全修飾パスを指定できます。たとえば、以下のように入力します。

setup.exe /adminfile \\server\share\mychanges\custom.msp

初期インストールでは、以下の例のように、Config.xml ファイルの SetupUpdates 要素を使用することもできます。

<SetupUpdates CheckForSUpdates="Yes" SUpdateLocation= "<path1>;<path2>" />

各部分の意味は次のとおりです。

  • CheckForSUpdates="Yes" は、セットアップが SUpdateLocation のパス一覧を使用してセットアップ カスタマイズ ファイルを検索することを表します。

  • SUpdateLocation は、セットアップ カスタマイズ ファイルが含まれているフォルダーの完全修飾パスをセミコロンで区切った一覧です。パスには環境変数を使用しないでください。パスに環境変数が使用されていると、指定したパスにある更新プログラムが無視されます。

SetupUpdates 要素の詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

.msp ファイルのシーケンス番号のしくみについて

OCT でカスタマイズ .msp ファイルを保存するたびに、そのカスタマイズ ファイルの更新プログラムのシーケンス番号が現在のコンピューターのタイム スタンプによって更新され、新しい更新プログラムのグローバル一意識別子 (GUID) が生成されます。初期インストール後、OCT .msp ファイルは、ファイルのタイム スタンプに従って時間順に適用されます。

シーケンス番号のしくみを説明するために、以下の OCT .msp メンテナンス ファイルを既に作成しているとします。

  1. Microsoft Access を [インストールしない] に設定した、"uninstall-access.msp" という名前の OCT .msp ファイル。このファイルは最初に保存されるため、それ以降に作成する他の OCT カスタマイズ .msp ファイルよりも、更新プログラムのシーケンス番号は若く、スタンプの日時は古いものとなります。この .msp ファイルには最初に番号が付けられ、Microsoft Access 機能はユーザーのコンピューターで [インストールしない] に設定されます。

  2. Microsoft Access を [マイ コンピューターからすべて実行] に設定した、"install-access.msp" という名前の OCT .msp ファイル。このファイルは最後に保存されるため、更新プログラムのシーケンス番号はより大きくなり、スタンプの日時はより新しいものとなります。この .msp ファイルには、最初の OCT .msp ファイル "uninstall-access.msp" よりも後に番号が付けられます。したがって、Microsoft Access 機能はユーザーのコンピューターで [マイ コンピューターからすべて実行] に設定されます。

Office 2010 カスタマイズ ファイルからの更新プログラム シーケンス情報の取得

カスタマイズ .msp ファイルのタイム スタンプは、更新プログラムのタイトル SummaryInfo に含まれています。Office 2010 カスタマイズ ファイルで更新プログラムのシーケンス情報を確認するには、このセクションに記載されているサンプル Microsoft Visual Basic スクリプト (.vbs) を使用して、タイム スタンプ情報を表示します。タイム スタンプは世界協定時刻 (UTC) で表示され、形式は YYYY.MMDD.hhmm.sssss です。UTC の詳細については、MSDN Web サイトの「GetSystemTime Function」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127840\&clcid=0x411) を参照してください。

スクリプトを実行するには、Microsoft Windows スクリプト ホスト (WSH) を使用します。WSH は、Windows スクリプト互換のスクリプト エンジンに対応する、言語に依存しないスクリプト ホストです。WSH を使用すると、Windows デスクトップとコマンド プロンプトの両方からスクリプトを実行できます。

  • Windows からスクリプトを実行できるように、WScript.exe には、スクリプトのプロパティを設定するための Windows ベースのダイアログ ボックスが用意されています。

  • コマンド プロンプトからスクリプトを実行できるように、CScript.exe には、スクリプトのプロパティを設定するためのコマンド ライン スイッチが用意されています。

WSH では、スクリプトのドラッグ アンド ドロップもサポートされます。つまり、WSH スクリプトの上にファイルをドラッグできます。ドラッグしたファイルの名前が、コマンド ラインの引数に変換されます。WSH の詳細については、MSDN Web サイトの以下のリソースを参照してください。

スクリプト サンプルを保存するには、メモ帳などのテキスト エディターを開き、以下のスクリプト コードをコピーしてファイルに貼り付けます。このスクリプト ファイルを PatchSequenceInfo.vbs という名前で保存します。スクリプトは、コンピューター上の任意の場所に格納できます。

' Utility to show the patch sequence information of a patch
' For use with Windows Scripting Host, CScript.exe or WScript.exe
' Copyright (c) 2010, Microsoft Corporation. All rights reserved.

Const MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE = 32

If Not wscript.arguments.count = 1 Then 
    Wscript.Echo "Patch Sequence Number" & _
        vbNewLine & "You must supply the location of the Office customization patch " & _
        vbNewLine & _
        vbNewLine & "Copyright (c) 2010, Microsoft Corporation.  All rights reserved."
    Wscript.Quit 1
End If

sMsiPatchSequence = "PatchFamily" & Space(22) & "Sequence" & vbCrLf
Set Msi = CreateObject("WindowsInstaller.Installer")
On Error Resume Next
Set MspDb = Msi.OpenDatabase(wscript.arguments(0),MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE)
Set qView = MspDb.OpenView("SELECT `PatchFamily`,`Sequence` FROM MsiPatchSequence")
If Not Err = 0 Then
    Wscript.Echo "Failed to read from .msp file: " & WScript.Arguments(0)
    Wscript.Quit 1
End If
On Error Goto 0
qView.Execute : Set Record = qView.Fetch()
If Not Record Is Nothing Then
    Do Until Record Is Nothing
        sMsiPatchSequence = sMsiPatchSequence & Record.StringData(1) & _
            Space(Abs(33 - Len(Record.StringData(1)))) & Record.StringData(2) & vbCrLf
        Set Record = qView.Fetch()
    Loop
End If

wscript.echo sMsiPatchSequence

PatchSequenceInfo.vbs スクリプトを実行するには

  1. エクスプローラーで、PatchSequenceInfo.vbs ファイルが格納されているフォルダーを開きます。

  2. スクリプトを実行するには、使用する Office 2010 OCT .msp ファイルを、エクスプローラー ウィンドウに表示されている PatchSequenceInfo.vbs スクリプトにドラッグします。

    または

  3. [スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックして、「cmd」と入力します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウで、以下のように入力します。

    cscript <スクリプトのパス>\PatchSequenceInfo.vbs <OCT .msp のパスおよびファイル名>

    または

    wscript <スクリプトのパス>\PatchSequenceInfo.vbs <OCT .msp のパスおよびファイル名>

    Cscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力はコマンド プロンプト ウィンドウに表示されます。Wscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力を含むメッセージ ボックスが表示されます。

インストールされている製品を確認する

Windows 7 および Windows Vista を実行しているコンピューターにインストールされている Office 2010 製品を確認するには、インストールされている Office 製品のオプションを変更する前に、コントロール パネルの [プログラムと機能] を使用します。その後、OCT を実行して既存の Office インストールを変更するときに、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスに表示される製品の一覧から、クライアント コンピューターにインストールされているのと同じ Office 製品を選択する必要があります。

たとえば、クライアント コンピューターに Office Professional 2010 製品がインストールされており、Microsoft Outlook 2010 プロファイルの構成を変更する必要があるとします。OCT を実行して .msp カスタマイズ ファイルを変更するときに、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスの一覧から Office Professional 2010 製品 (インストールされている Office 製品) を選択する必要があります。その後、構成を変更できます。クライアント コンピューターにインストールされているのと同じ製品を選択しなかった場合、更新された .msp 更新プログラムがインストールされず、以下のようなエラー メッセージが表示されることがあります。

"Windows インストーラー サービスでアップグレード修正プログラムをインストールできません。アップグレードするプログラムがないか、またはアップグレード修正プログラムでアップグレードするプログラムのバージョンが違う可能性があります。アップグレードするプログラムがこのコンピューターにあり、アップグレード修正プログラムが正しいかどうかを確認してください。"

.msp カスタマイズ ファイルを変更する

以下の例では、既存の .msp ファイルを変更する方法を示します。ここでは、Office Professional 2010 が既にインストールされていると仮定します。

.msp ファイルを変更するには

  1. ネットワーク インストール ポイントのルートから、以下のコマンド ラインを実行して Office カスタマイズ ツールを起動します。\\server\share\setup.exe /admin

  2. [製品の選択] ダイアログ ボックスの [既存のセットアップ カスタマイズ ファイルを開く] をクリックし、[OK] をクリックします。または、[次の製品の新しいセットアップ カスタマイズ ファイルを作成する] をクリックして、新しい OCT メンテナンス更新プログラムを最初から作成します。

  3. [ファイルを開く] ダイアログ ボックスで、変更する .msp カスタマイズ ファイルを選択し、[開く] をクリックします。

  4. OCT の左側のウィンドウでカスタマイズの項目を選択し、右側のウィンドウで使用可能なオプションを構成します。たとえば、インストールから Access 2010 を削除するには、左側のウィンドウで [機能のインストール状況の設定] をクリックします。右側のウィンドウで [Microsoft Office] を展開し、[Microsoft Access] のオプションを [インストールしない] に変更します。

  5. カスタマイズが終了したら、[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックします。

  6. ファイル拡張子 .msp を付けて一意のファイル名を指定し、[保存] をクリックします。

    .msp ファイルをカスタム フォルダーに保存することができます。たとえば、NoAccess.msp というファイル名で、\\server\share\Office_2010\ProPlus\Patches 内のフォルダーに保存します。

OCT の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

OCT .msp カスタマイズ ファイルによって更新される Office 2010 製品を確認する

OCT で行ったカスタマイズの内容は、XML (拡張マークアップ言語) 形式を使用するセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) に保存されます。このセクションに示すサンプル Microsoft Visual Basic スクリプト (.vbs) を使用すると、管理者は、特定の OCT .msp カスタマイズ ファイルによって更新される製品を確認できます。

.vbs スクリプトを実行するには、Microsoft Windows Script Host (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=100317\&clcid=0x411) を使用します。そのためには、Windows デスクトップから WScript.exe を使用するか、コマンド プロンプトで CScript.exe を実行するか、OCT .msp 更新プログラム ファイルを .vbs スクリプトにドラッグします。

スクリプト サンプルを保存するには、メモ帳などのテキスト エディターを開き、以下のスクリプト コードをコピーしてファイルに貼り付けます。このスクリプト ファイルを OctPatchTargets.vbs という名前で保存します。スクリプトは、コンピューター上の任意の場所に格納できます。

' Utility to list patch target information of an Office customization patch 
' For use with Windows Scripting Host, CScript.exe or WScript.exe
' Copyright (c) 2010, Microsoft Corporation. All rights reserved.

Const MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE = 32
Const PID_TEMPLATE                  =  7
Const MSIREADSTREAMBYTES            =  1

If Not wscript.arguments.count = 1 Then 
    Wscript.Echo "Office OCT Patch Targets utility" & _
        vbNewLine & " You must supply the location of the Office customization patch " & _
        vbNewLine & _
        vbNewLine & "Copyright (c) 2010, Microsoft Corporation.  All rights reserved."
    Wscript.Quit 1
End If

Set Msi = CreateObject("WindowsInstaller.Installer")
Set XmlDoc = CreateObject("Microsoft.XMLDOM")
sOutput = "ProducCode                              Product" & vbCrLf

On Error Resume Next
Set MspDb = Msi.OpenDatabase(WScript.Arguments(0),MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE)
Set View = MspDb.OpenView("SELECT * FROM _Streams WHERE `Name`='metadata' ")
If Not Err = 0 Then
    Wscript.Echo "Failed to read from OCT .msp file: " & WScript.Arguments(0)
    Wscript.Quit 1
End If
On Error Goto 0
View.Execute
Set Record = View.Fetch
If Not Record Is Nothing Then 
    XmlDoc.LoadXml(Record.ReadStream(2, Record.DataSize(2), MSIREADSTREAMBYTES))
    Set Elements = XmlDoc.GetElementsByTagName("Property")
    arrMspTargets = Split(MspDb.SummaryInformation.Property(PID_TEMPLATE),";")
    For Each sTarget in arrMspTargets
        For Each Element in Elements
            If Element.getAttribute("value") = sTarget Then
                sOutput = sOutput & sTarget & vbTab & _
                    Element.parentNode.parentNode.attributes(0).value & vbCrLf
            End If
        Next
    Next
End If

WScript.Echo sOutput

OctPatchTargets.vbs スクリプトを実行するには

  1. エクスプローラーで、OctPatchTargets.vbs ファイルが格納されているフォルダーを開きます。

  2. スクリプトを実行するには、使用する Office 2010 OCT .msp 更新プログラムを、エクスプローラー ウィンドウに表示されている OctPatchTargets.vbs スクリプトにドラッグします。

    または

  3. [スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックして、「cmd」と入力します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウで、以下のように入力します。

    cscript <スクリプトのパス>\OctPatchTargets.vbs <OCT .msp のパスおよびファイル名>

    または

    wscript <スクリプトのパス>\ OctPatchTargets.vbs <OCT .msp のパスおよびファイル名>

    Cscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力はコマンド プロンプト ウィンドウに表示されます。Wscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力を含むメッセージ ボックスが表示されます。

.msp カスタマイズ更新プログラムをインストールする

メンテナンス OCT セットアップ カスタマイズ .msp ファイル (Office 2010 の初期インストール後に作成) は、ソフトウェア 更新プログラムと同じようにユーザーのコンピューターに適用できる Windows インストーラー更新プログラム パッケージ (.msp ファイル) です。.msp ファイルで指定したカスタマイズに基づいて、Office のインストールが変更されます。

ユーザーがメンテナンス セットアップ カスタマイズ ファイルを適用するには, .msp ファイルをダブルクリックするか、以下の例に示すように、Msiexec.exe/p コマンド ライン オプションを付けて実行します。

msiexec.exe /p \\server\share\custom.msp

各部分の意味は次のとおりです。

  • /p は、更新プログラムを適用します。

  • \\server\share は, .msp ファイルが含まれる共有フォルダーのパスを示します。

Windows インストーラーの詳細については、MSDN Web サイトの以下のリソースを参照してください。

セットアップのコマンド ライン オプションを使用したメンテナンス

管理者は、次のいずれかを実行することによって、セットアップをメンテナンス モード (MMode) で実行できます。

  • 元のインストール ソースから Setup.exe を実行する。

  • すべてのセットアップ用ファイルが格納されているインストール済みルート フォルダー (以下の例を参照) から Setup.exe を実行する。

    "%commonprogramfiles%\Microsoft Shared\Office14\Office Setup Controller"

このセクションの内容

  • メンテナンス モードで Setup.exe を実行する

  • 既存のインストールを変更する

  • 既存のインストールを修復する

  • 製品をアンインストールする

メンテナンス モードで Setup.exe を実行する

元のインストール ソースから Setup.exe を実行できます。セットアップの対象は、1 つの製品、複数言語の製品、または複数の製品の場合があります。セットアップのユーザー インターフェイスが表示される前に、共有フォルダーに複数の製品があるかどうかが検索されます。複数の製品が見つかった場合は、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスが表示され、製品を選択できます。

セットアップを実行するには、元のインストール ソースのパスを指定する、次のコマンドを使用します。\\server\share\Office14\setup.exe

以下のメンテナンス オプションを使用できます。

  • [機能の追加と削除]。このオプションを使用すると、[言語] タブと [インストール オプション] タブのあるウィンドウが表示され、オプションの状況を既定の言語 (複数の言語がインストールされている場合) を変更できます。[言語] タブでは、インストールされているすべての言語のチェック ボックスがオンになっています。また、インストールされていないが、その製品で使用できるすべての言語について、チェック ボックスがオフになっています。必要に応じて選択し、[続行] をクリックして、インストールへの変更を確定します。

  • [修復]。このオプションを使用すると、製品の再インストールが開始され、ローカル インストール ソース (LIS) の検証と、必要に応じた修復が行われます。進行状況バーと完了通知のみが表示されます。

  • [削除]。このオプションを使用すると、製品の削除を確認するダイアログ ボックスが表示されます。[はい] をクリックすると、製品および関連する言語パックのすべてが完全に削除されます。

Setup.exe のコマンド ライン オプションを使用すると、以下のメンテナンス タスクを実行できます。

  • 既存のインストールを変更する

  • 既存のインストールを修復する

  • 製品をアンインストールする

既存のインストールを変更する

メンテナンス モードで Setup.exe を実行して既存の Office インストールを変更するには、以下の構文の /modify コマンド ライン オプションを使用します。

/modify [ProductID]

各部分の意味は次のとおりです。

[ProductID] は、変更する製品を示す値です。前に説明したとおり、ProductID 値は、ネットワーク インストール ポイントのコア製品フォルダー (core_product_folder_name**.WW** フォルダー。たとえば ProPlus.WW) にある Setup.xml ファイルに含まれています。Setup.xml ファイル内の [ProductID] は、Setup 要素の Id 属性の値と同じです。

以下の例では、/modify コマンドを使用してインストールを変更する方法を示します。Office14 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office14\setup.exe /modify ProPlus

既存のインストールを修復する

Setup.exe を実行してインストールされている Office 製品を修復するには、以下の構文の /repair コマンド ライン オプションを使用します。

/repair [ProductID]

各部分の意味は次のとおりです。

[ProductID] は、変更する製品を示す値です。製品に対する Setup.xml ファイルで [ProductID] の値を検索します。

以下の例では、/repair コマンドを使用して Office Professional Plus 2010 インストールを修復する方法を示します。Office14 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office14\setup.exe /repair ProPlus

企業展開では、サイレント修復操作およびサイレント アンインストール操作を実行することをお勧めします。そうすれば、ユーザーが情報の入力を求められることがなくなり、ファイルの使用中でも、ユーザー操作の待機による修復プロセスやアンインストール プロセスの中断を防ぐことができます。

ユーザーによる操作を必要としない、Office 2010 製品のサイレント修復を構成するには、以下の手順に従って、製品の Config.xml ファイルを変更し、Display 要素の Level 属性を "none" (Display Level="none") に設定した後、Config.xml ファイルを SilentRepairConfig.xml という名前で保存します。

Config.xml のサイレント インストール オプションを指定するには

  1. テキスト エディター ツール (メモ帳など) を使用して、修復する製品の Config.xml ファイルを開きます。

  2. 次の例に示すような、Display 要素を含む行を探します。

    <!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->

  3. 目的のサイレント オプションを使用するように Display 要素のエントリを変更します。たとえば、以下の構文を使用します。

    <Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />

  4. Config.xml ファイルを SilentRepairConfig.xml という名前で保存します。

たとえば、Config.xml ファイルを変更してサイレント オプションを指定した後に Office Professional Plus 2010 を修復するには、以下のコマンドを使用します。\\server\share\Office14\ProPlus は、Office Professional Plus 2010 のソース ファイルのパスです。<pathtoSilentRepairConfig.xml> は、Office Professional Plus の変更済み Config.xml ファイルの場所です。

\\server\share\Office14\ProPlus \setup.exe /repair ProPlus /config <pathtoSilentRepairConfig.xml>\SilentRepairConfig.xml

製品をアンインストールする

Setup.exe を実行して特定の Office 製品をユーザーのコンピューターから削除するには、以下の構文の /uninstall コマンド ライン オプションを使用します。

/uninstall [ProductID]

各部分の意味は次のとおりです。

[ProductID] は、変更する製品を示す値です。製品に対する Setup.xml ファイルで [ProductID] の値を検索します。

以下の例では、/uninstall コマンドを使用して Office Professional Plus 2010 インストールを削除する方法を示します。Office14 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office14\setup.exe /uninstall ProPlus

企業展開では、サイレント アンインストールを実行することをお勧めします。ユーザーによる操作を必要としない、Office 2010 製品のサイレント アンインストールを実行するには、アンインストールする製品の Config.xml ファイルを変更し、Display 要素の Level 属性を "none" (Display Level="none") に設定した後、Config.xml ファイルを UninstallConfig.xml という名前で保存します。

たとえば、Config.xml を変更してサイレント オプションを設定した後に Microsoft Visio Professional 2010 をアンインストールするには、以下のコマンドを使用します。\\server\share\Office14\VisPro は、Visio Professional のソース ファイルのパスです。<pathtoUninstallConfig.xml> は、Visio Professional の変更済み Config.xml ファイルの場所です。

\\server\share\Office14\VisPro \setup.exe /uninstall VisPro /config <pathtoUninstallconfig.xml>\UninstallConfig.xml

Setup.exe コマンドの詳細については、「Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。