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対象ユーザーを計画する

この記事の内容 :

  • 対象ユーザーについて

  • 主要な対象ユーザーを計画する

  • ワークシート

対象ユーザーを使用して組織内のユーザーをグループ化できるため、できる限りユーザーに関連した情報になるように情報を個人用に設定できます。Microsoft Office SharePoint Server 2007 の Audiences Shared Service の [対象ユーザーの管理] ページで、10,000 人までの対象ユーザーを作成および管理し、その対象ユーザーを使用して、当該共有サービスを使用するすべてのサイト コレクション内のコンテンツを発信できます。

初期展開中に対象ユーザーを計画するときは、コンテンツの必要性の評価、情報アーキテクチャ計画、サイト コレクション構造、および各サイト コレクションに関連付けられたユーザーに基づいて、少数の主要対象ユーザーを特定します。

対象ユーザーについて

対象ユーザーを計画する前に、対象ユーザーを定義する方法について理解する必要があります。対象ユーザーは、共有サービス プロバイダ (SSP) 管理者が、Audiences Shared Service を提供するサーバー ファームの主要サービスにある [アプリケーション構成の管理] ページで定義します。対象ユーザーには、以下の 3 種類があります。

  • SharePoint グループ   SharePoint グループを定義するには、各グループを各サイト コレクションに対する一連のアクセス許可レベルと関連付け、ユーザー アカウントに基づいてメンバをグループに追加します。管理者は、初期の構成および展開中に、新しい SharePoint グループを作成します。SharePoint グループに基づく対象ユーザーは、選択したグループのメンバであるユーザーにコンテンツを配信します。対象ユーザーに使用する SharePoint グループには、特定のユーザーを指定することも一般的なユーザーを指定することもできますが、各サイト コレクションに関連するビジネス プロセスと対象ユーザーのニーズに固有のユーザー セットで作成する必要があります。

  • グローバル対象ユーザー   グローバル対象ユーザーは、SSP 管理者が管理するユーザー プロファイルのプロパティに基づいている対象ユーザーです。グローバル対象ユーザーは、ユーザー プロファイルのプロパティに基づいてユーザーにコンテンツを配信します。

  • 配布リストとセキュリティ グループ   配布リストは、各組織のポリシーに応じて、組織内のさまざまなユーザーごとに作成できます。配布リストに基づく対象ユーザーは、含まれている配布リストのメンバであるユーザーにコンテンツを配信します。

対象ユーザーに使用する配布リストとセキュリティ グループのプロパティは、Windows セキュリティ、および Microsoft Exchange Server、Active Directory ディレクトリ サービス、LDAP (ライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコル) などのメール サーバーやディレクトリ サービスからインポートする必要があります。配布リストを含むこれらのプロパティは、ユーザー プロファイルのインポート時にインポートされます。ユーザー プロファイルの詳細については、「ユーザーとユーザー プロファイルを計画する」を参照してください。

ユーザー プロファイルのプロパティとその基礎となるソースは、頻繁に変更されます。対象ユーザーを最新状態に保つには、SSP 管理者が対象ユーザーをコンパイルする必要があります。対象ユーザーを更新するためのコンパイルを定期的に実行するほか、必要に応じて対象ユーザーをコンパイルすることもできます。Office SharePoint Server 2007 で対象ユーザーのコンパイルを設定し、コンパイルのスケジュールを作成するには、Microsoft Windows SharePoint Services Extensible Job Service を使用します。

主要な対象ユーザーを計画する

対象ユーザーはほかの管理機能に基づいているため、対象ユーザーの計画はその管理機能の計画を含めた複数段階のプロセスとすることをお勧めします。その基本的な手順を以下に示します。

  1. Windows セキュリティを計画します。

  2. ユーザー プロファイルを計画します。

  3. 配布リストと SharePoint グループを計画します。

  4. サイトとサイト コレクションを計画します。

  5. グループ、配布リスト、およびユーザー プロファイルのプロパティに基づいて対象ユーザーを計画します。

対象ユーザーの計画を開始する前に、最初の 4 つの手順を完了します。初期展開で対象ユーザーの計画を開始する場合は、すべての配布リスト、SharePoint グループ、および各サイトとサイト コレクションの主要目的を記録します。次に、上に挙げた条件に基づいて、組織内の重要なグループを反映するように比較的少数の対象ユーザーを作成するには、その情報をどのようにグループ化するのが最善であるかを検討します。

SharePoint グループの追加作成を対象ユーザーと共に計画するかどうかを検討することをお勧めします。各サイト コレクションには、通常、特定のユーザー グループに関連付けられた中心となる一連のビジネス プロセスがあり、カスタム SharePoint グループを使用して、既存の SharePoint グループ、Windows セキュリティ、ユーザー プロファイル プロパティ、および配布リストと組み合わせれば、各対象ユーザーをできる限り正確に定義できます。対象ユーザー計画プロセスの終了までに、各サイト コレクションを使用しているユーザー グループのニーズを特定し、それを満たす対象ユーザーの一覧を完成させておく必要があります。

対象ユーザー ルール 説明

ユーザー プロファイル プロパティ

プロパティの評価に使用される論理演算子が含まれます。

レポート構造

ユーザー プロファイルに記録され、個人用サイト Web パーツでは既定で表示されます。

メンバシップ

配布リスト、Windows セキュリティ グループなどのソース グループにあります。メンバシップも、個人用サイトでは既定で表示されます。

また、対象ユーザーは、対象ユーザー ルールとして含めなくても、配布リストや SharePoint グループから直接作成することもできます。

通常は、対象ユーザーを作成する場合は、それに適した開始点があります。たとえば、既存の作業チーム、グループ間プロジェクト、主要なビジネス プロセス、およびサイト構造には、ユーザー プロファイルのプロパティ、レポート構造、またはメンバシップに基づく対象ユーザーの役割を使用して簡単に対象ユーザーに変換できるユーザー グループが含まれています。

また、対象ユーザーを計画すると、配布リスト、ユーザー プロファイル プロパティ、SharePoint グループ、およびレポート構造の計画について改善可能な点を見つけることもできます。何人かのユーザーを 1 つのグループにまとめ、そのグループをコンテンツ配信の対象にしようとしたものの、SharePoint グループ、配布リスト、ユーザー プロファイル プロパティがまだ存在していない場合は、そのようなグループ、リスト、またはプロパティを追加するための計画を策定することをお勧めします。

ワークシートでの作業

計画した対象ユーザーを記録するには、Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 ユーザー、プロファイル、ポリシー ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101634051041) を使用します。各対象ユーザーへの配信を計画しているコンテンツをすべて記録します。対象ユーザーを作成する前に追加する必要があり、ユーザー プロファイルの基礎となる配布リスト、グループ、およびプロパティをすべて記録します。

対象ユーザーに配信するコンテンツを計画する

対象ユーザーを作成したところで、まだ作業は全体の半分が残っています。対象ユーザーを使用して、コンテンツを配信したり、正しいユーザーに対して関連情報を強調したり、不適切なユーザーへの関連のない情報の提示を削減したりします。

コンテンツは以下の方法で配信します。

  • リスト アイテムまたは Web パーツを使用します。

  • 信頼できる個人用サイトのホストの場所を使用します。

  • 個人用設定サイトにコンテンツを配信するには、個人用サイトにあるナビゲーション バーを使用します。

  • サーバー検索機能の一部とします。

  • 対象ユーザーで Web パーツにフィルタを適用します。

リスト アイテムまたは Web パーツでコンテンツを配信する

特定の対象ユーザーを Web パーツのツール ウィンドウにある [詳細設定] セクションの [対象ユーザー] ボックスに追加することによって、あらゆる Web パーツを、特定の対象ユーザーに配信することができます。

対象ユーザーは、各種の Web パーツを使用して、さまざまな方法でユーザーにコンテンツを配信できます。サイト コレクション ページのコンテンツを配信する最適な方法の 1 つは、コンテンツ クエリ Web パーツを使用することです。

コンテンツ クエリ Web パーツは既定ではポータル サイト領域またはチーム サイトなど特定の SharePoint テンプレート ページ用に提供されており、以下の方法でコンテンツを配信できます。

  • オプションまたは対象ユーザーで結果をグループ化します。そのグループは、通常、Web パーツとリスト アイテムの両方で配信するために使用されます。

  • 複数の階層レベルのリスト アイテムを表示し、対象ユーザー情報をより適切に表現します。

  • コンテンツ クエリ Web パーツを使用して、特定の対象ユーザーに特定のリスト アイテムを配信します。それらのリスト アイテムが Web パーツまたはページに表示される場合でも、ページ全体または Web パーツ全体ではなく、個々のリスト アイテムのみが配信されます。

また、さまざまな Web パーツを使用して、対象ユーザーに個人用サイトのコンテンツを配信することもできます。それらの Web パーツの詳細については、「個人用設定 Web パーツを計画する」を参照してください。

信頼できる個人用サイトのホストの場所でコンテンツを配信する

共有サービスが地理的に分散しているグローバルな展開のように、シナリオによってはユーザーが 1 つ以上の個人用サイトのホストの場所にアクセスできることもあります。このようなシナリオでは、各 SSP の SSP 管理者は SSP 全体の信頼できる個人用サイトのホストの場所のリストを管理し、その場所を表示する必要がある対象ユーザーに各場所を配信します。

信頼できる個人用サイトのホストの場所は、リスト内の優先度に従って処理されます。このためユーザー側では、ユーザーが表示している個人用サイトに最も関連する、個人用設定された情報が表示され、個別の SSP を使用できない場合であっても個人用設定された情報を使用できます。これは、初期展開中では非常に簡単です。ほとんどの展開では、SSP は 1 つだけで、この機能を構成する必要がありません。

ワークシートでの作業

展開内の SSP の数および SSP 全体でユーザーが表示する必要がある個人用設定された情報に基づいて、信頼できる個人用サイトのホストの場所を計画および記録するには、Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 ユーザー、プロファイル、ポリシー ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101634051041) を使用します。

詳細については、「個人用サイトを計画する」を参照してください。

個人用サイトのナビゲーション バーでコンテンツを配信する

個人用サイトのナビゲーション バーにある個人用設定サイトへの個人用サイト リンクを特定の対象ユーザーに配信できます。リンクは、SSP 管理者によって、個人用サイトのナビゲーション バーに追加されます。通常、個人用設定サイトは全員ではなく、組織内のあるグループと関連しています。SSP 管理者は、サイト内の個人用に設定されたコンテンツに関連するユーザーにのみ表示されるように、リンクを配信できます。詳細については、「個人用サイトを計画する」を参照してください。

Office クライアント アプリケーションに発行されたリンクを配信する

個人用設定リンク リストにある個人用設定サイトの配信先に基づいて、個人用設定サイトを個人用サイトのナビゲーション バーに表示できるのと同じように、[Office クライアント アプリケーションに発行されたリンク] ページのリンクを配信できます。[共有サービス管理] ページの [ユーザー プロファイルと個人用サイト] セクションにあるこのリストを使用して、Office クライアント アプリケーションから Office Server サイトへのリンクを含めます。クライアント アプリケーションに表示されるリンクの例を以下に示します。

  • チーム サイト、ポータル サイト、およびプロジェクト ワークスペースを含むサイト。

  • データ接続ライブラリ。

  • ドキュメント ライブラリまたはドキュメント リポジトリ。

たとえば、個人サイト ディレクトリをこのリストに追加すると、その場所はユーザーが Office クライアント アプリケーションでドキュメントを共有する場合の選択肢となります。この選択肢を提供すると、ユーザーは複数のクライアント コンピュータから同じ個人用サイトを使用できます。同じように、リストに追加したデータ コレクション ライブラリは Microsoft Excel クライアントに表示され、ドキュメント ライブラリは Office クライアント アプリケーションでドキュメントを保存する場合に常に表示されるようになります。既定では、Office クライアント アプリケーションへのリンクは、SSP のユーザー全員に表示されます。そのようなリンクがさらに効果を発揮するのは、リンクが最も必要とするユーザーに配信されて、ユーザーが自身の作業に関連する個人用サイト、データ接続ライブラリ、およびドキュメント ライブラリのみを参照できるようになった場合です。

Office SharePoint Server 2007 の初期展開を計画するときに、このような種類のリンクを個別に検討します。SSP を使用して、すべてのサイト コレクションのサイト、データ接続ライブラリ、およびドキュメント ライブラリに対応できるリンクを追加することを計画します。

ワークシートでの作業

各リンクおよびそれぞれのリンクに関連する対象ユーザーを記録するには、Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 ユーザー、プロファイル、ポリシー ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM101634051041) を使用します。

対象ユーザーでフィルタを適用する

特定のプロパティに基づく結果のみが表示されるように、フィルタと呼ばれる Web パーツのグループを別の Web パーツに接続できます。使用できるプロパティはフィルタによって異なりますが、使用できるオプションの 1 つに、対象ユーザーでフィルタを適用するというものがあります。フィルタは、通常、ビジネス データ Web パーツに接続されるため、対象ユーザーに基づいてビジネス データを配信できます。単純な Web パーツの個人用設定とは異なり、フィルタでビジネス データ Web パーツに渡した対象ユーザー プロパティは、結果を表示するときに比較的複雑なビジネス分析または計算に使用できます。

フィルタは、通常、ダッシュボード、レポート センター サイトなどのレポートが有効になっているサイトで使用されますが、個人用設定サイトなどさまざまな種類のサイトでも使用できます。フィルタの詳細については、「ダッシュボードとフィルタを計画する」を参照してください。

ワークシート

対象ユーザーを計画するには、以下のワークシートを使用します。

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入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。