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パイロット環境をセットアップする

このセクションでは、Microsoft Office SharePoint Server 2007 サイトの最終の実環境テスト用として、すべてのコード要素とすべてのコンテンツを含むパイロット環境でサーバーをセットアップする方法について説明します。この情報は、Windows Server 2003、Office SharePoint Server 2007、および Microsoft SQL Server 2005 を使用する複数のコンピュータで構成されるファーム環境を対象にしています。

注意

このトピックでは、運用環境をセットアップする方法については説明しません。この詳細については、「シンプル サーバー ファームに展開する (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

パイロット環境では、テスターは、すべてのサイト要素がネットワーク内、および運用環境と同じセキュリティ状況で想定どおり動作するかどうかを確認できます。この環境の詳細については、「環境の確認」を参照してください。

注意

Visual Studio のようなソースレベルのデバッガのないテスト環境では、コンポーネントとアプリケーションのトラブルシューティングが必要になることがあります。この準備として、コード要素と共にプログラム データベース (.pdb) ファイルを生成し、ログの記録、追跡、およびその他の計測オプションを有効にする必要があります。詳細については、MSDN の記事「PDB Files」(https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/yd4f8bd1(VS.71).aspx(英語)) を参照してください。

ハードウェア要件およびソフトウェア要件

パイロット環境は一般にパフォーマンス、信頼性、拡張性、またはフェールオーバーのテストに使用されるため、Office SharePoint Server 2007 およびその他のソフトウェアを実行するコンピュータは運用環境と同等レベルの堅牢性を備えている必要があります。ハードウェア要件とソフトウェア要件の詳細については、「ハードウェアおよびソフトウェアの要件を決定する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

Office SharePoint Server 2007 とその他のソフトウェアをインストールする

開発したコード要素の対象となるすべてのコンポーネントと機能を含む Office SharePoint Server 2007 ファームをインストールする必要があります。通常、パイロット ファームは、2 台以上のフロントエンド Web サーバー、1 台以上のアプリケーション サーバー、および 1 台のデータベース サーバーで構成されます。ただし、パイロット ファームをスケーリングする際は、運用環境のスケールとトポロジを模倣して、可能な限り実際の環境に近い状況でサイトとコード要素をテストできるようにする必要があります。Office SharePoint Server 2007 ファームを作成する方法の詳細については、「シンプル サーバー ファームに展開する (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

注意

Office SharePoint Server 2007 のインストールが完了したら、最新のソフトウェア更新プログラムをインストールする必要があります。

テストの概要

Visual Studio 2005 Team System を使用してテストする方法の詳細については、「開発とテスト」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=106298&clcid=0x411) または「テストの種類」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=106300&clcid=0x411) を参照してください。Visual Studio 2005 Team System を使用してテストする方法の詳細については、「ビルド、デバッグ、およびテスト」(https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/d8k88a0k(VS.90).aspx) を参照してください。

以下の表は、パイロット環境で実行する最も一般的なテストの種類、各テストの説明、および社内で開発したファイル プロパティ コントロールに対するテストの例を示しています。なお、このプロパティ コントロールは、さまざまなフォルダ内のファイルを列挙し、これらのファイルの各種プロパティをリスト コントロールに表示するものです。

テストの種類 説明

操作性とアクセス

ユーザーが想定どおり要素を表示し、使用できることを確認します。サードパーティ ブラウザでのテストが含まれることもあります。

視覚障碍、聴覚障碍、または運動障碍のあるユーザーが機能を使用できることを確認します。

コントロールがさまざまなページ サイズ条件で正しく表示されること、およびユーザーがサードパーティ ブラウザでコントロールを使用できること (該当する場合) を確認します。Office SharePoint Server 2007 のブラウザ互換性の詳細については、「ブラウザ サポートを計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

セキュリティ

要素に想定どおりアクセスできること、およびユーザーがすべてのセキュリティ関連タスクを設計どおり実行できることを確認します。

シングル サインオン機能とユーザー インターフェイス トリミングのテストを伴います。

ユーザー入力テスト、認証と承認のテスト、およびセキュリティ問題に対するテスト (クロスサイト スクリプティング、バッファ オーバーフロー、サービス拒否攻撃など) を伴います。

ユーザーがページにログオンできること、ユーザーがコントロールを使用して特定のストアからファイル プロパティを表示できること、およびアクセス権を持たないストアからはファイル プロパティを表示できないことを確認します。Office SharePoint Server 2007 のセキュリティの詳細については、「セキュリティを計画および設計する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

パフォーマンス

要素のパフォーマンス ベースラインを決定します。要素で設計どおりユーザー負荷に対応できること、および要素によってサイト パフォーマンスが低下しないことを確認します。

社内で開発したリスト コントロールで 1,000 個の要素を扱っても大幅にサイト パフォーマンスが低下しないことを確認します。Office SharePoint Server 2007 のパフォーマンス期待値の詳細については、「パフォーマンスと容量を計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

信頼性

要素で必要なソースとの接続が維持されること、および設計上の負荷以下で接続がフリーズまたはタイムアウトしないことを確認します。

社内で開発した画像コントロールから 3 つのコンテンツ データベースにアクセスできること、およびタイムアウトせずに複数の画像をダウンロードできることを確認します。

拡張性

要素でコンテンツの拡張に対応できること、複数のリソースを使用できること (該当する場合)、および複数のインスタンスを使用できること (該当する場合) を確認します。

フォルダ数が 1,000 に増えても、社内で開発したファイル プロパティ コントロールですべてのフォルダ内のファイルを列挙できることを確認します。Office SharePoint Server 2007 の拡張性期待値の詳細については、「パフォーマンスと容量を計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

管理性

要素またはページから正しいイベントが送信されること、および指定されたログに正しいエントリが書き込まれることを確認します。

エラー導入テスト時にコントロールから正しいイベントが生成されることを確認します。

国際化と他言語対応

ユーザー入力が許可された Web ページとコントロールでそれぞれの地域の文字が正しく表示および処理されることを確認します。

Web ページまたはコントロールで、長すぎるテキストを切り捨てるかどうか、文字の並びを言語に応じて変更できるかどうか、などの問題を検討します。

このブックのダウンロード

このトピックは、参照および印刷しやすいように、次のダウンロード可能なブックに収録されています。

使用できるすべてのドキュメントの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。