埋め込みデータ接続を使用する Excel Services データ アクセスを構成する
適用先: SharePoint Server 2010
トピックの最終更新日: 2011-08-08
重要
この記事は、「BI インフラストラクチャを構成する: 実習」シリーズの一部です。この記事の手順を実行するには、事前に以下のことを完了しておく必要があります。
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「BI テスト環境のベースライン環境を作成する」シリーズの記事のすべての手順。
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「BI テスト環境用に Excel Services を構成する」記事のすべての手順。
Microsoft SharePoint Server 2010 の Excel Services は、外部データに接続する目的で、3 つの方法を使用します。
無人サービス アカウントを使用できます。詳細については、「BI のテスト環境用に Excel Services の無人サービス アカウントを構成する」を参照してください。
Office データ接続 (ODC) ファイルを使用できます。詳細については、「BI テスト環境で外部データ接続を使用して Excel Services のデータ アクセスを構成する」を参照してください。
ブックに ODC ファイルを埋め込むことができます。ここでは、その方法について説明します。
Excel Services データ アクセスが埋め込みデータ接続を使用するように構成するには、以下のプロセスを使用します。
データ アクセス アカウントを構成する
Secure Store Service を構成する
埋め込みデータ接続を使用する Excel ブックを作成して発行する
Excel Services ファイルでデータが更新されることを確認する
データ アクセス アカウントを構成する
埋め込みデータ接続を使用するよう Excel Services を構成する手順は、データ アクセス アカウントの構成から始めます。次に、このアカウントに対して、SQL Server に保存されているデータへの読み取りアクセスを与えます。
注意
SQL Server をセットアップしたときにインストールした、ContosoRetailDW のデータセットを使用します。詳細については、「BI テスト環境用に SQL Server をセットアップする」を参照してください。
データ アクセス用の Active Directory アカウントを作成するには
Contoso\administrator アカウントを使用して Contoso-DC にログインします。
[スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール]、[Active Directory ユーザーとコンピューター] の順にクリックします。
contoso.local ノードを展開します。
[ユーザー] を右クリックし、[新規作成]、[ユーザー] の順にクリックします。
[フル ネーム] ボックスと [ユーザー ログオン名] ボックスに「ExcelDataEmbed」と入力し、[次へ] をクリックします。
アカウントのパスワードを入力および確認入力します。
[ユーザーは次回のログオン時にパスワード変更が必要] チェック ボックスをオフにします。
[パスワードを無期限にする] チェック ボックスをオンにします。
[次へ] をクリックし、[完了] をクリックします。
これで ExcelDataEmbed アカウントが作成されました。次の手順では、必要なデータへの読み取りアクセスをそのアカウントに許可します。以下の手順で、SQL Server ログオンを作成し、データベースに読み取りアクセスを与えます。
SQL Server ログオンを作成するには
Contoso\SQLAdmin アカウントを使用して Contoso-SQL にログインします。
[スタート] ボタン、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2008 R2]、[SQL Server Management Studio] の順にクリックします。
[サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、[サーバーの種類] として [データベース エンジン] を選択し、[サーバー名] ボックスに「Contoso-SQL」と入力して、[接続] をクリックします。
オブジェクト エクスプローラーで、[セキュリティ] を展開します。
[ログイン] を右クリックし、[新しいログイン] をクリックします。
[ログイン - 新規作成] ダイアログ ボックスが表示されます。
[ログイン名] のテキスト ボックスに、「Contoso\ExcelDataEmbed」と入力します。
[ログイン - 新規作成] ダイアログ ボックスの、[ページの選択] ウィンドウで、[ユーザー マッピング] をクリックします。
データベースの一覧が表示されます。
ContosoRetailDW データベースの [マップ] チェック ボックスをオンにし、[ContosoRetailDW のデータベース ロール メンバーシップ] セクションで [db_datareader] チェック ボックスをオンにします。
[OK] をクリックして [ログイン - 新規作成] ダイアログ ボックスを閉じます。Contoso\ExcelDataEmbed データ アクセス アカウントが [ログイン] リストに表示されていることを確認してください。
これでデータ アクセス アカウントが作成されました。次の手順では Secure Store Service アプリケーションを構成します。
Secure Store Service アプリケーションを構成する
Secure Store Service アプリケーションの構成は、Active Directory グループの作成から始めます。このグループは、埋め込みデータ接続を使用している Excel ユーザーにデータ アクセスを提供する目的で使用されます。
ユーザー データ アクセス用の Active Directory グループを作成するには
Contoso\Administrator アカウントを使用して Contoso-DC にログインします。
[スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール]、[Active Directory ユーザーとコンピューター] の順にクリックします。
contoso.local ノードを展開します。
[ユーザー] を右クリックし、[新規作成]、[グループ] の順にクリックします。
[新しいオブジェクト - グループ] ダイアログ ボックスが開きます。
[グループ名] ボックスに「ExcelDataEmbedGroup」と入力し、[OK] をクリックします。
グループとユーザーのリストに ExcelDataEmbedGroup が表示されたことを確認してください。
ExcelDataEmbedGroup をダブルクリックして、編集用に開きます。
[メンバー] タブ、[追加] の順にクリックします。
[ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス アカウントまたはグループの選択] ダイアログ ボックスが開きます。
[選択するオブジェクト名を入力してください] ボックスに「Contoso\susan.burk; Contoso\john.woods」と入力して [名前の確認] をクリックします。
ユーザー アカウントは確認され、ハイパーリンクとして表示されます。
[OK] をクリックして [ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス アカウントまたはグループの選択] ダイアログ ボックスを閉じます。
[OK] をクリックして、ExcelDataEmbedGroup プロパティ ダイアログ ボックスを閉じます。
これで Active Directory アカウントが作成されました。次の手順では Secure Store Service アプリケーションを構成します。まず、ターゲット アプリケーションを作成します。
ターゲット アプリケーションを作成するには
Contoso\FarmAdmin アカウントを使用して Contoso-AppSrv にログインします。
[スタート] ボタン、[すべてのプログラム]、[Microsoft SharePoint 2010 製品]、[SharePoint 2010 サーバーの全体管理] の順にクリックします。
サーバーの全体管理のホーム ページで、[アプリケーション構成の管理] の [サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
[Secure Store Service] アプリケーションをクリックします。
リボンの [新規] をクリックします。
[ターゲット アプリケーション ID] テキスト ボックスに「ExcelServicesEmbeddedData」と入力します。
[表示名] テキスト ボックスに「Excel Services Embedded Data」と入力します。
[連絡先の電子メール] テキスト ボックスに、「farmadmin@contoso.local」と入力します。
注意
この環境では電子メール通知は構成されていませんが、[連絡先の電子メール] では電子メール アドレスを指定する必要があります。
[ターゲット アプリケーションの種類] ドロップダウン リストで、[グループ] を選択し、[次へ] をクリックします。
資格情報フィールドは既定値のままにして、[次へ] をクリックします。
[メンバーシップの設定を指定します] ページの、[ターゲット アプリケーションの管理者] ボックスで、「Contoso\FarmAdmin」と入力します。
[メンバー] ボックスで、「Contoso\ExcelDataEmbedGroup」と入力して、次に [OK] をクリックします。まだ、このページは閉じないでください。
[ExcelServicesEmbeddedData] にポインターを移動し、表示された下矢印、[資格情報の設定] の順にクリックします。
[Secure Store のターゲット アプリケーション (グループ) の資格情報の設定] ページが開きます。
[Windows ユーザー名] ボックスに「Contoso\ExcelDataEmbed」と入力します。
Contoso\ExcelDataEmbed アカウントのパスワードを入力、確認入力し、次に [OK] をクリックします。
[OK] をクリックします。
これで、Excel Services データ アクセスが埋め込みデータ接続を使用するように構成できました。次の手順は、埋め込み接続を使用する Excel ブックを作成して、発行することです。次に、このブックを使用してデータが適切に Excel Services で更新されることを確認します。
埋め込みデータ接続を使用する Excel ブックを作成して発行する
このセクションでは、SQL Server に保存されたデータを使用してピボットテーブル レポートを作成し、SharePoint Server にブックを発行する方法を説明します。次に、埋め込み接続を使用するブックのデータを更新します。
SQL Server テーブルを使用してピボットテーブル レポートを作成する
このレポートでは、SQL Server に保存されるテーブルを使用します。
外部 SQL Server データを使用してピボットテーブル レポートを作成するには
Contoso\Susan.Burk アカウントを使用して Contoso-Client にログインします。
Microsoft Excel 2010 の [データ] タブで、[外部データの取り込み] グループの、[その他のデータ ソース]、[SQL Server] の順にクリックします。データ接続ウィザードが開きます。
[サーバー名] ボックスに「Contoso-SQL」と入力して、[次へ] をクリックします。
[必要なデータが含まれているデータベースを選択してください] を使用して、[ContosoRetailDW] を選択します。
[指定したテーブルに接続] チェック ボックスを選択して、次に [DimStore] を選択します。[次へ] をクリックします。
[詳細] ボックスに「Contoso Stores」と入力して、[次へ] をクリックします。
[データのインポート] ダイアログ ボックスが開きます。
注意
ローカル コンピューターにある ODC ファイルを置換するよう確認された場合は、[はい] をクリックします。
[このデータをブックでどのように表示するかを選択してください] セクションの [ピボットテーブル レポート]、[OK] の順にクリックします。
空のピボットテーブル レポートが開きます。
[ピボットテーブル フィールド リスト] ウィンドウで [StoreType] を [行ラベル] セクションにドラッグします。
[EmployeeCount] を [値] セクションにドラッグします。
ピボットテーブル レポートが更新され、従業員を持つストアのカウントを表示します。
[値] セクションで、[EmployeeCount] の下矢印、[値フィールドの設定] の順にクリックします。
[値フィールドの集計] セクションで、[合計]、[OK] の順にクリックします。
ピボットテーブル レポートが更新され、各種類のストアについて、従業員の合計数が表示されることを確認してください。
ブックは閉じないでください。次の手順で使えるよう、開いたままにします。
ここまでで、ピボットテーブル レポートを作成し、Excel に保存しました。しかし、外部データ接続情報をまだブックに埋め込んではいません。次の手順は、その接続を構成して、埋め込むことです。
Excel ブックに外部データ接続情報を埋め込むには
Excel 2013 で、[データ] タブの [接続] グループで [接続] をクリックします。
[ブックの接続] ダイアログ ボックスが開きます。
[Contoso-sql ContosoRetailDW DimStore] 接続を選択して、次に [プロパティ] をクリックします。
[接続のプロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。
[定義] タブを選択します。
Excel Services セクションで、[認証の設定] をクリックします。
Excel Services [認証の設定] ダイアログ ボックスが表示されます。
[SSS] を選択し、[SSS ID] ボックスで、「ExcelServicesEmbeddedData」と入力します。
[OK] をクリックして Excel Services [認証の設定] ダイアログ ボックスを閉じ、次に、[OK] をクリックして [接続のプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
外部 odc ファイルへのリンクが削除されるという警告が表示された場合は、[はい] をクリックします。
[ブックの接続] ダイアログ ボックスで、[閉じる] をクリックします。ブックは閉じないでください。
ここまでで、埋め込みデータ接続を含むブックを作成しました。次の手順は SharePoint Server にブックを発行することです。
ContosoStores ブックを発行するには
Excel で、[ファイル] タブ、[保存と送信] の順にクリックします。
[SharePoint に保存] をクリックします。
[場所] で、[場所の参照]、[名前を付けて保存] の順にクリックします。
[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスが表示されます。
ウィンドウの上部の [場所] ボックスで、「http://contoso-appsrv/sites/BICenter/Documents」と入力します。
注意
[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスが更新されてサイトのコンテンツが表示されるまで、しばらく時間がかかる場合があります。
[ファイル名] ボックスで、「ContosoStores.xlsx」と入力します。
[ブラウザー上の Excel で開く] チェック ボックスを選択して、次に [保存] をクリックします。
ブラウザー ウィンドウが開いて ContosoStores ブックを表示します。
ここまでで、埋め込みデータ接続を使用するブックを作成して発行しました。次の、最後の手順は、データが適切に更新されるかを確認することです。
Excel Services ファイルでデータが更新されることを確認する
このセクションでは、Excel ブック内のデータが、埋め込み接続を使用して適切に更新されるかを確認します。ブラウザー ウィンドウに ContosoStores ブックを表示することから始めます。ブックによって使用される SQL Server データベースの行を変更して、次にブックが最新のデータを正常に表示するかを確認します。
Contoso-Client コンピューターのブラウザー ウィンドウで、ContosoStores ブックが開かれています。ピボットテーブル レポートが各種類のストアの従業員数を示していることを確認してください。
カタログ: 120 人の従業員
オンライン: 340 人の従業員
販売店: 44 人の従業員
ストア: 10,535 人の従業員
次の手順は、ContosoStores ブックによって使用されるテーブルのデータの行を変更することです。販売店の 1 つをストアに変更します。これにより、販売店およびストアグループの従業員数の両方が変更されます。
ContosoRetailDW データベースのデータを更新するには
Contoso\SQLAdmin アカウントを使用して Contoso-SQL にログインします。
[スタート] ボタン、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2008 R2]、[SQL Server Management Studio] の順にクリックします。
[サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、[サーバーの種類] として [データベース エンジン] を選択し、[接続] をクリックします。
ツール バーの [新しいクエリ] をクリックします。
以下のクエリをクエリ ウィンドウに入力します。
USE [ContosoRetailDW] GO UPDATE dbo.DimStore set dbo.DimStore.StoreType = 'Store' where dbo.DimStore.StoreDescription = 'Contoso Europe Reseller' GO
ツール バーの [実行] をクリックします。
[メッセージ] ウィンドウで、[(1 行処理されました)] と表示されます。
1 つのストアの種類を Reseller から Store に変更した結果、それらのストアの従業員数も変更されたはずです。
Contoso-Client コンピューターで、ブックを表示します。ピボットテーブル レポートは、以下の情報を表示しているはずです。
カタログ: 120 人の従業員
オンライン: 340 人の従業員
販売店: 32 人の従業員
ストア: 10,547 人の従業員
1 行のデータを変更した後で、販売店の従業員が 44 人から 32 人になり、ストアの従業員が 10,535 人から 10,547 人になりました。変更したストアには、12 人の従業員がいました。つまり、これは適切です。データがブックで正常に更新されていることを確認できました。
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