Reset-CsDeviceUpdateRule
トピックの最終更新日: 2012-03-25
システムにインポートされているデバイス更新ルールを拒否します。
構文
Reset-CsDeviceUpdateRule [-Identity <XdsIdentity>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
Reset-CsDeviceUpdateRule [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-Instance <PSObject>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
Microsoft Lync Server 2010 では、Lync 2010 Phone Edition を実行するデバイスにファームウェア更新プログラムを提供する方法として、デバイス更新ルールを使用します。定期的に、管理者は一連のデバイス更新ルールを Lync Server 2010 にアップロードします。これらのルールはテストされ承認された後で、該当するデバイスがシステムに接続されたときに、それらのデバイスに自動的にダウンロードされて適用されます。既定では、デバイスは、電源が入って Lync Server に接続するたびに新しい更新ルールがあるかどうか確認します。また、最初のサインオン以降は、24 時間ごとに更新プログラムがあるかどうか確認します。
システムに追加された新しい各デバイス更新ルールは、"保留中" とマークされます。つまり、その更新プログラムは該当するテスト デバイスによってダウンロードされてインストールされますが、一般のクライアント デバイスにダウンロードされてインストールされることはありません。そのため、更新プログラムを広く利用できるようにする前に、その更新プログラムをテストして悪影響がないことを確認することができます。更新プログラムのテストが成功し、組織用に動作することを確信できたらすぐに、Approve-CsDeviceUpdateRule を使用して更新プログラムを承認できます。
これに対し、管理者は、特定の更新プログラムを組織内で使用することができないと判断する場合があります (更新プログラムによって、社内ソフトウェアとの競合が発生する場合など)。その場合、管理者は、Reset-CsDeviceUpdateRule コマンドレットを使用して、更新プログラムを拒否できます。拒否した場合、更新ルールの PendingVersion は NULL 値に設定されます。言い換えると、システムにログオンするテスト デバイスでは、更新プログラムがアンインストールされて、その更新プログラムの承認済みバージョンが再インストールされます。また、更新プログラムが承認されなかったため、その更新プログラムは、テスト デバイス以外のどのデバイスにもインストールされることはありません。つまり、一般ユーザーには影響がありません。
Reset-CsDeviceUpdateRule コマンドレットは、保留中の状態になっているデバイス更新ルールにのみ使用できます。ルールが既に承認されている場合は、Restore-CsDeviceUpdateRule コマンドレットを使用して、デバイス更新プログラムの展開をロールバックすることができます。
このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが、Reset-CsDeviceUpdateRule コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Reset-CsDeviceUpdateRule"}
パラメーター
| パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
|---|---|---|---|
Identity |
省略可能 |
文字列 |
リセットするデバイス更新ルールの一意の識別子。デバイス更新ルールの Identity は、次の 2 つの部分から構成されています。デバイス更新ルールの割り当て先サービス (たとえば、service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com) とグローバル一意識別子 (GUID) です。したがって、Redmond サイト用に構成されたデバイス更新ルールでは、Identity は次のようになります。"service:WebServer:atl-cs-oo1.litwareinc.com/d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9"。 |
Instance |
省略可能 |
DeviceUpdate.Rule |
個々のパラメーター値を設定するのではなく、オブジェクトへの参照をコマンドレットに渡せるようにします。 |
Force |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドレットの実行時に発生する可能性のある、確認メッセージまたは致命的ではないエラー メッセージが表示されないようにします。 |
WhatIf |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.DeviceUpdate.DeviceUpdate.Rule オブジェクト。Reset-CsDeviceUpdateRule はデバイス更新ルール オブジェクトのパイプライン処理されたインスタンスを受け入れます。
戻り値の種類
なし。代わりに、Reset-CsDeviceUpdateRule は Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.DeviceUpdate.DeviceUpdate.Rule オブジェクトのインスタンスをリセットします。
例
-------------------------- 例 1 ------------------------
Reset-CsDeviceUpdateRule -Identity service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com/d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9
例 1 のコマンドを実行すると、サービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com にあるデバイス更新ルール d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9 がリセットされます。
-------------------------- 例 2 ------------------------
Get-CsDeviceUpdateRule -Filter service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com* | Reset-CsDeviceUpdateRule
上記のコマンドを実行すると、サービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com に構成されているすべてのデバイス更新ルールがリセットされます。このためには、まず、Filter パラメーターを指定して Get-CsDeviceUpdateRule が呼び出されます。フィルター値 "WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com*" により、"WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com" という文字で始まる Identity を持つルールのみが戻されます (定義上、これらは、サービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com に割り当てられているすべてのデバイス更新ルールです)。フィルター処理されたコレクションが Reset-CsDeviceUpdateRule コマンドレットにパイプ処理され、コレクション内の各ルールがリセットされます。
-------------------------- 例 3 ------------------------
Get-CsDeviceUpdateRule | Where-Object {$_.Brand -eq "LG-Nortel"} | Reset-CsDeviceUpdateRule
例 3 のコマンドを実行すると、ブランド LG-Nortel のすべてのデバイス更新ルールがリセットされます。これを実行するには、組織で現在使用されているすべてのデバイス更新ルールのコレクションが戻されるように、コマンドでまず Get-CsDeviceUpdateRule をパラメーターなしで呼び出します。次にこのコレクションが Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、Brand プロパティが LG-Nortel に等しいルールのみが選び出されます。その後で、フィルター処理されたコレクションが Reset-CsDeviceUpdateRule にパイプ処理され、フィルター処理されたコレクション内のすべてのルールがリセットされます。