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Restore-CsDeviceUpdateRule

 

トピックの最終更新日: 2012-03-27

組織内での使用が承認されているデバイス更新ルールを "ロールバック" できます。デバイス更新ルールを復元すると、そのルールの承認済みバージョンはリセットされ、そのルールの承認前に使用していた更新が反映されます。同様に、システムにログオンするクライアント デバイスは、最新の更新を自動的にアンインストールし、その更新の前のバージョンをダウンロードして再インストールします。

構文

Restore-CsDeviceUpdateRule [-Identity <XdsIdentity>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Restore-CsDeviceUpdateRule [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-Instance <PSObject>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Microsoft Lync Server 2010 では、Lync 2010 Phone Edition を実行するデバイスにファームウェア更新プログラムを提供する方法として、デバイス更新ルールを使用します。定期的に管理者は、デバイス更新ルールのセットを Lync Server 2010 にアップロードします。それらのルールは、テストおよび承認された後、該当するデバイスがシステムに次回接続するときにそれらのデバイスに自動的にダウンロードされ、適用されます。既定では、デバイスがオンになって Lync Server に接続するたびに、それらのデバイスによって新しい更新ルールがないかどうかが確認されます。また、最初のサインオン以降は 24 時間ごとに更新プログラムがないかどうかが確認されます。

システムに追加された新しい各デバイス更新ルールは、"保留中" とマークされます。つまり、更新は適切なテスト デバイスによってダウンロードされ、インストールされますが、クライアント デバイスによるダウンロードとインストールは通常行われません。このことにより、更新を多数のユーザーに使用可能とする前に、テストして悪影響がないことを確認できます。更新がテストに合格し、組織で使用可能であることを確信できたらすぐに、Approve-CsDeviceUpdateRule を使用してその更新を承認できます。

更新を承認すると、関連付けられた更新ルールの PendingVersion が ApprovedVersion に割り当てられ、PendingVersion プロパティはクリアされます。たとえば、新しい更新ルールの PendingVersion がバージョン 1.0.0.1 であるとします。Approve-CsDeviceUpdateRule を実行した後、PendingVersion は NULL 値に設定され、ApprovedVersion は 1.0.0.1 に設定されます。クライアント デバイスが次回の接続時に更新の存在を確認すると、その更新は自動的にダウンロードされてインストールされます。

このことに加えて、以前のバージョンの更新 (たとえば、バージョン 1.0.0.0) はすべて RestoreVersion としてマークされます。このバージョンの更新はシステム上に残され、新しい更新をロールバックする必要がある場合に使用されます。問題が突然発生した場合、管理者は Restore-CsDeviceUpdateRule コマンドレットを使用して更新をロールバックすることができます。ロールバックが実行されると、クライアント デバイスは、次回の接続時に更新の存在を確認すると、自動的に新しい更新 (バージョン 1.0.0.1) をアンインストールし、前の更新 (1.0.0.0) を再インストールします。

この処理が行われるのは、インストールすることができる前バージョンの更新が存在する場合のみです。そのような前バージョンが存在しない場合は、ロールバック中の更新のアンインストールのみが行われます。

このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが Restore-CsDeviceUpdateRule コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Restore-CsDeviceUpdateRule"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Identity

省略可能

文字列

復元するデバイス更新ルールの一意の識別子です。デバイス更新ルールの Identity は、次の 2 つの部分で構成されています。デバイス更新ルールの割り当て先サービス (たとえば、service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com) とグローバル一意識別子 (GUID) です。したがって、Redmond サイト用に構成されたデバイス更新ルールでは、Identity は次のようになります。service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com/d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9。

Instance

省略可能

DeviceUpdate.Rule オブジェクト

個々のパラメーター値を設定するのではなく、オブジェクトへの参照をコマンドレットに渡せるようにします。

Force

省略可能

スイッチ パラメーター

コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。

WhatIf

省略可能

スイッチ パラメーター

実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。

Confirm

省略可能

スイッチ パラメーター

コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。

入力の種類

Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.DeviceUpdate.DeviceUpdate.Rule オブジェクト。Restore-CsDeviceUpdateRule は、デバイス更新ルール オブジェクトのパイプライン処理されたインスタンスを受け入れます。

戻り値の種類

なし。Restore-CsDeviceUpdateRule を実行すると、代わりに、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.DeviceUpdate.DeviceUpdate.Rule オブジェクトのインスタンスが復元されます。

-------------------------- 例 1 ------------------------

Restore-CsDeviceUpdateRule -Identity service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com/d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9

例 1 に示すコマンドでは、サービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com に存在するデバイス更新ルール d5ce3c10-2588-420a-82ac-dc2d9b1222ff9 を復元しています。

-------------------------- 例 2 ------------------------

Get-CsDeviceUpdateRule -Filter service:WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com* | Restore-CsDeviceUpdateRule

上記のコマンドでは、サービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com 用に構成されているすべてのデバイス更新ルールを復元しています。これを実行するため、このコマンドはまず、Filter パラメーターを指定して Get-CsDeviceUpdateRule を呼び出します。フィルター値 "WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com*" により、ID が文字列値 "WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com" で始まるルールのみが戻されるようにしています (定義上、これらはサービス WebServer:atl-cs-001.litwareinc.com に割り当てられているすべてのデバイス更新ルールです)。このフィルター処理されたコレクションを Restore-CsDeviceUpdateRule コマンドレットにパイプ処理して、コレクション内の各ルールを復元します。

-------------------------- 例 3 ------------------------

Get-CsDeviceUpdateRule | Where-Object {$_.Brand -eq "LG-Nortel"} | Restore-CsDeviceUpdateRule

例 3 では、特定のブランド (LG-Nortel) 用のデバイス更新ルールをすべて復元できる方法を示しています。これを実行するには、組織で現在使用されているすべてのデバイス更新ルールのコレクションが戻されるように、コマンドでまず Get-CsDeviceUpdateRule をパラメーターなしで呼び出します。次にこのコレクションを Where-Object コマンドレットにパイプ処理して、Brand プロパティが LG-Nortel と等しいルールのみを選択します。次に、このフィルターされたコレクションを Restore-CsDeviceUpdateRule にパイプ処理して、フィルターされたコレクション内のすべてのルールを復元します。