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New-CsAddressBookConfiguration

 

トピックの最終更新日: 2012-03-23

アドレス帳の構成設定の新しいコレクションを作成します。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010)

構文

New-CsAddressBookConfiguration -Identity <XdsIdentity> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-EnableFileGeneration <$true | $false>] [-EnableSearchByDialPad <$true | $false>] [-Force <SwitchParameter>] [-IgnoreGenericRules <$true | $false>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-KeepDuration <UInt32>] [-MaxDeltaFileSizePercentage <UInt32>] [-MaxFileShareThreadCount <Int32>] [-RunTimeOfDay <DateTime>] [-SynchronizePollingInterval <TimeSpan>] [-UseNormalizationRules <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

例 1

例 1 では、Identity が site:Redmond であるアドレス帳の構成設定の新しいコレクションを作成しています。新しいコレクションを作成するには、Identity パラメーターとその他のオプション パラメーター (たとえば、KeepDuration パラメーターや SynchronizePollingInterval パラメーター) を指定して New-CsAddressBookConfiguration コマンドレットを呼び出す必要があります。

New-CsAddressBookConfiguration -Identity site:Redmond -KeepDuration 15 -SynchronizePollingInterval 00:10:00

例 2

例 2 では、Paris サイトのアドレス帳設定の新しいコレクションを作成しています。この新しいコレクションでは、Redmond サイト用に構成されたアドレス帳設定からコピーされた 2 つの値 (KeepDuration と SynchronizePollingInterval) を使用します。このタスクを実行するため、最初のコマンドでは、Get-CsAddressBookConfiguration コマンドレットを使用して Redmond サイト用に構成されたすべてのアドレス帳設定のコレクションを戻します。この情報は、$x という名前の変数に格納されます。

次に 2 番目のコマンドでは、New-CsAddressBookConfiguration コマンドレットを使用して Paris サイトのアドレス帳設定を作成します。このコマンドには、KeepDuration と SynchronizePollingInterval という 2 つのオプション パラメーターが含まれています。これらのパラメーターには、site:Redmond からコピーされた値が含まれています。たとえば、KeepDuration ではパラメーター値 $x.KeepDuration を使用します。そのパラメーター値は、Redmond サイトからコピーされた KeepDuration 情報を表します。

$x = Get-CsAddressBookConfiguration -Identity site:Redmond
New-CsAddressBookConfiguration -Identity site:Paris -KeepDuration $x.KeepDuration -SynchronizePollingInterval $x.SynchronizePollingInterval

例 3

例 3 では、InMemory パラメーターを使用して、アドレス帳の設定のコレクションのメモリ内専用インスタンスを作成し、メモリ内でこれらの設定を変更する方法を示しています。さらに、Set-CsAddressBookConfiguration コマンドレットを使用して、site:Redmond という Identity を持つ実際のコレクションを作成しています。これらをすべて実行するため、最初のコマンドでは、アドレス帳の構成設定の新しいメモリ内専用インスタンスを作成し、$x という名前の変数にそのインスタンスを格納します。InMemory パラメーターを使用することにより、これらのアドレス帳設定がメモリ内にのみ存在するようにします。Lync Server セッションを終了するか、変数 $x を削除すると、それらの設定は失われ、Redmond サイトに適用されなくなります。

2 番目と 3 番目のコマンドでは、これらの仮想アドレス帳設定の 2 つのプロパティを変更しています。2 番目のコマンドでは、KeepDuration プロパティの値を 15 日に設定し、3 番目のコマンドでは、SynchronizePollingInterval を 10 分 (00:10:00) に設定します。次に、4 番目と最後のコマンドでは、Set-CsAddressBookConfiguration コマンドレットおよび Instance パラメーターを使用して、仮想のアドレス帳の設定を Redmond サイトで構成された設定の実際のコレクションに変更しています。

$x = New-CsAddressBookConfiguration -Identity site:Redmond -InMemory
$x.KeepDuration = 15
$x.SynchronizePollingInterval = "00:10:00"
Set-CsAddressBookConfiguration -Instance $x

解説

アドレス帳サーバーは、AD DS と Lync Server の間の仲介役です。アドレス帳サーバーにより、Lync Server に保存されているユーザー情報と AD DS に保存されているユーザー情報の同期が確実に維持されるようにします。このためアドレス帳ファイルは、ユーザー データベースに格納されている情報と定期的に同期されます。

またアドレス帳サーバーは、Lync を実行しているコンピューターに定期的にダウンロードされるインデックス ファイルを生成します。ユーザーは、連絡先を検索する場合、これらのインデックス ファイルを検索するか、中央管理ストアに保存されているアドレス帳のインデックス ファイルを検索することになります。

アドレス帳サーバーは、アドレス帳の構成設定を使用して管理します。これらの設定により、アドレス帳サーバーをユーザー データベースと同期する頻度や、これらのアドレス帳インデックス ファイルを生成する頻度が決まります。Lync Server をインストールすると、一連のグローバル アドレス帳設定が作成されます。また、サイトごとに適用可能なカスタム構成設定を作成することもできます。それらの設定は、存在するのであれば、そのサイト内で動作しているすべてのアドレス帳サーバーに適用され、グローバル設定より優先されます。

サイト レベルの設定は New-CsAddressBookConfiguration コマンドレットを使用して作成します。設定はサイト スコープでのみ作成できます。新しい設定をグローバル スコープなどの別のスコープで作成しようとしても、コマンドは失敗します。また、目的のサイトにアドレス帳の設定のコレクションが既に存在している場合も、コマンドは失敗します。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーが New-CsAddressBookConfiguration コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "New-CsAddressBookConfiguration"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Identity

必須

Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity

アドレス帳設定の新しいコレクションに割り当てる一意の識別子です。新しいコレクションはサイト スコープのみで作成できるので、Identity には常に "site:" のプレフィックスが付きます。その後にサイト名が続きます。たとえば、"site:Redmond" です。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。

EnableFileGeneration

省略可能

System.Boolean

True (既定値) に設定されている場合、アドレス帳サーバーは、クライアントがダウンロードすることができるアドレス帳インデックス ファイルを生成します。False に設定されている場合、それらのインデックス ファイルは生成されません。これは、クライアント アプリケーションで連絡先を検索する場合に、アドレス帳 Web クエリ サービスを使用しなければならなくなることを意味します。

EnableSearchByDialPad

省略可能

System.Boolean

True に設定されている場合、モバイル ユーザーは電話のキーパッドを使用して連絡先を検索できます。

Force

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。

IgnoreGenericRules

省略可能

System.Boolean

電話番号の解析時に、アドレス帳サーバーが汎用正規化ルールを無視するかどうかを示します。汎用規則とは、Lync Server に組み込まれているルールです。これらのルールは変更できません。ただし、このプロパティの値を True に設定することにより、これらのルールを無視して独自に作成するカスタム ルールを使用するよう、アドレス帳サーバーに指示することができます。既定値は False です。

InMemory

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

永続的な変更としてオブジェクトをコミットせずに、オブジェクト参照を作成します。このパラメーターを指定して呼び出したコマンドレットの出力を変数に割り当てる場合、オブジェクト参照のプロパティを変更し、コマンドレットに対応する Set- コマンドレットを呼び出してそれらの変更をコミットできます。

KeepDuration

省略可能

System.UInt32

アドレス帳サーバーが変更ファイルを保持する時間 (日数) を指定します。KeepDuration プロパティの値よりも古い変更ファイルは削除されます。KeepDuration には 1 ~ 90 の範囲の任意の整数値を設定できます。既定値は 30 日です。

MaxDeltaFileSizePercentage

省略可能

System.UInt32

Active Directory に変更 (Lync Server に対して新しいユーザーを有効にするなど) が行われると、通常、アドレス帳サーバーはこれらの変更を "差分ファイル" に記録します。差分ファイルは、更新された情報のみを含むファイルです。Lync は、完全なアドレス帳ファイルではなく、差分ファイルをダウンロードできます。MaxDeltaFileSizePercentage プロパティにより、差分ファイルが完全なアドレス帳ファイルに組み込まれるまでの、差分ファイルのサイズを決定できます。既定では、新しいアドレス帳ファイルが生成されるまでに、完全なアドレス帳ファイルの 20 パーセントまで差分ファイルのサイズを増加させることができます。そのサイズに達すると、Lync クライアントは、差分ファイルではなく、完全なファイルをダウンロードします。

MaxDeltaFileSizePercentage には、1 ~ 100 の範囲のパーセント値を入力する必要があります。

MaxFileShareThreadCount

省略可能

System.Int32

ファイル共有に割り当てられたスレッドの最大数です。スレッドを増やすとパフォーマンスが向上しますが、同時に他のプロセスで利用できるリソースが少なくなります。

RunTimeOfDay

省略可能

System.DateTime

サーバーが新しいアドレス帳ファイルを生成する時刻を指定します。RunTimeOfDay プロパティは 24 時間形式 (時:分:秒) に基づきます。00:00:00 は午前 0 時を表し、23:59:00 は午後 11 時 59 分を表します。

既定値は、01:30:00 (午前 1 時 30 分) です。

SynchronizePollingInterval

省略可能

System.TimeSpan

アドレス帳サーバーが、サーバーの情報と ユーザー データベース に格納されている情報を同期する頻度を示します。SynchronizePollingInterval は、5 秒 (00:00:05) ~ 3 時間 (03:00:00) の範囲の任意の値に設定できます。既定値は 5 分 (00:05:00) です。

UseNormalizationRules

省略可能

System.Boolean

電話番号の取得時に、アドレス帳サーバーが電話正規化ルールを使用する必要があるかどうかを示します。False に設定されている場合、電話番号はそのままの状態で取得されます。これらの番号を表示するときに正規化ルールを適用するかどうかは、クライアント アプリケーションに依存します。

既定値は True です。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。

入力の種類

なし。New-CsAddressBookConfiguration コマンドレットは、パイプライン処理された入力を受け入れません。

戻り値の種類

Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.AddressBook.AddressBookSettings オブジェクトのインスタンスを作成します。