仲介サーバー コンポーネント
トピックの最終更新日: 2011-05-16
エンタープライズ VoIP のワークロードを展開する場合は、Lync Server 2010 仲介サーバーを展開する必要があります。 ここでは、基本機能、依存関係、基本的なトポロジ、および計画ガイドラインについて説明します。
仲介サーバーは、内部 Lync Server VoIP インフラストラクチャと公衆交換電話網 (PSTN) ゲートウェイまたはセッション開始プロトコル (SIP) トランク間で信号とメディア (一部の構成の場合) を変換します。Lync Server 側に対しては、仲介サーバーは 1 つの相互 TLS (MTLS) トランスポート アドレスをリッスンします。ゲートウェイ側に対しては、1 つの TCP と TLS トランスポート アドレスまたは 1 つの TLS トランスポート アドレスをリッスンします。すべての認定ゲートウェイが TLS をサポートしている必要がありますが、TCP を有効にすることもできます。TLS をサポートしないゲートウェイのために TCP がサポートされています。
環境で既存の構内交換機 (PBX) も使用する場合、仲介サーバーはエンタープライズ VoIP ユーザーと PBX 間の通話を処理します。 使用する PBX が IP-PBX である場合、PBX と仲介サーバーの間に直接 SIP を作成できます。 PBX が時分割多重 (TDM) PBX である場合、仲介サーバーと PBX の間に PSTN ゲートウェイも展開する必要があります。
Lync Server 2010 では、仲介サーバーは既定でフロント エンド サーバーと併置されます。 パフォーマンス上の理由から、仲介サーバーをスタンドアロンのプールに展開することもできます。また、SIP トランキングを展開する場合は、スタンドアロンのプールを強くお勧めします。
メディア バイパスと DNS 負荷分散をサポートする認定 PSTN ゲートウェイに直接 SIP 接続を展開する場合、スタンドアロンの仲介サーバー プールは必要ありません。これは、認定ゲートウェイが仲介サーバーのプールへの DNS 負荷分散に対応しており、プール内の任意の仲介サーバーからのトラフィックを受信できるためです。
また、IP-PBX を展開している場合またはインターネット テレフォニー サービス プロバイダーのセッション ボーダー コントローラー (SBC) に接続する場合に、以下のどちらかの条件に一致するときは、フロント エンド プールに仲介サーバーを併置することをお勧めします。
IP-PBX または SBC は、プール内の任意の仲介サーバーからのトラフィックを受信するように構成されており、プール内のすべての仲介サーバーにトラフィックを均等にルーティングできる。
IP-PBX ではメディア バイパスがサポートされないが、仲介サーバーをホストするフロント エンド プールで、メディア バイパスが適用されない通話の音声コード変換を処理できる。
Microsoft Lync Server 2010、計画ツールを使用して、仲介サーバーを併置するフロント エンド プールでロードを処理できるかどうかを評価できます。これらの要件に適合しない環境では、スタンドアロン仲介サーバー プールを展開する必要があります。
仲介サーバーの主な機能は次のとおりです。
Lync Server 側での SRTP の暗号化および復号化。
TCP 上の SIP (TLS がサポートされないゲートウェイ用) の相互 TLS 上の SIP への変換。
Lync Server と仲介サーバーのゲートウェイ ピア間のメディア ストリームの変換。
ネットワーク外部のクライアントから内部 ICE コンポーネントへの接続。これにより、メディアは NAT およびファイアウォールを通過できます。
エンタープライズ VoIP クライアント上のリモート作業者からの通話など、ゲートウェイがサポートしていない通話の流れの仲介者としての動作。
SIP トランキングを含む展開での SIP トランキング サービス プロバイダーとの連携による PSTN のサポートの提供。これにより、PSTN ゲートウェイを使用する必要がなくなります。
次の図に、基本的な PSTN ゲートウェイおよびエンタープライズ VoIP インフラストラクチャと通信するときに仲介サーバーで使用される信号およびメディアのプロトコルを示します。
仲介サーバーで使用される信号およびメディアのプロトコル
注: |
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PSTN ゲートウェイと仲介サーバーの間のネットワークに TCP または RTP/RTCP (SRTP または SRTCP ではなく) を使用する場合、ネットワークのセキュリティとプライバシーを確保するよう対策を講じることをお勧めします。 |