Remove-CsClientVersionPolicyRule
トピックの最終更新日: 2012-03-25
組織で使用するよう構成された 1 つまたは複数のクライアント バージョン ポリシー ルールを削除します。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010)
構文
Remove-CsClientVersionPolicyRule -Identity <XdsIdentity> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-Tenant <Guid>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
例
例 1
例 1 に示すコマンドは、Identity が "site:Redmond/74ba9211-8610-42f9-91ba-846cdee98820" のクライアント バージョン ポリシー ルールを削除します。Identity は一意である必要があるため、このコマンドが削除するルールは最大でも 1 つのみです。
Remove-CsClientVersionPolicyRule -Identity site:Redmond/74ba9211-8610-42f9-91ba-846cdee98820
例 2
例 2 では、Redmond サイトのために構成されているクライアント バージョン ポリシー ルールをすべて削除します。このタスクを実行するには、まず、Filter パラメーターを指定して Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットを呼び出します。フィルター値 "site:Redmond/*" により、戻されるデータは、Identity が文字列値 "site:Redmond/" で始まるポリシー ルールに限定されます。フィルター処理されたこのコレクションは Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットにパイプ処理され、その結果、そのコレクション内の各項目が削除されます。
Get-CsClientVersionPolicyRule -Filter "site:Redmond/*" | Remove-CsClientVersionPolicyRule
例 3
例 3 では、現在無効にされているクライアント バージョン ポリシーをすべて削除します。このタスクを実行するには、パラメーターを指定せずに Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットを呼び出して、現在組織内で使用中のすべてのポリシー ルールのコレクションを戻します。次に、このコレクションは Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、その結果、Enabled プロパティが False に等しいルールがすべて選択されます。フィルター処理されたこのコレクションは Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットにパイプ処理され、その結果、そのコレクション内の各項目が削除されます。
Get-CsClientVersionPolicyRule | Where-Object {$_.Enabled -eq $False} | Remove-CsClientVersionPolicyRule
解説
クライアント バージョン ルールを使用して、Lync Server へのログオンを許可するクライアント アプリケーションを判断します。ユーザーが Lync Server へのログインを試みると、そのユーザーのクライアント アプリケーションは SIP ヘッダーをサーバーに送信します。このヘッダーには、ソフトウェアのメジャー バージョン、マイナー バージョン、およびビルド番号などのアプリケーション自体に関する詳細情報が含まれています。バージョン情報はクライアント バージョン ルールのコレクションと照合され、その特定のアプリケーションにいずれかのルールが適用されるかどうかが確認されます。たとえば、Microsoft Office Communicator 2007 R2 を使用してユーザーがログオンを試みるとします。ログオンを許可する前に、システムは Office Communicator 2007 R2 に適用されるクライアント バージョン ルールがあるかどうかを確認します。このようなルールが存在する場合、Lync Server はルールで指定された処理を実行します。その処理は次のいずれかとなります。
Allow。ユーザーはログオンできます。
AllowAndUpgrade。ユーザーはログオンでき、使用している Communicator 2007 R2 は Lync の最新バージョンに自動的にアップグレードされます。アップグレードは、システムの構成方法に応じて、Microsoft Update または Windows Server Update Services のどちらかを使用して実行されます。
AllowWithUrl。ユーザーはログオンでき、Lync の最新バージョンをダウンロードおよびインストールできる URL を示すメッセージが表示されます。その URL は、管理者自身が作成した Web サイトを指す必要がありますが、そのようなサイトは Lync Server のインストール時に自動的に作成されません。
Block。ユーザーはログオンできません。
BlockAndUpgrade。ユーザーはログオンできませんが、使用している Communicator 2007 R2 は Lync の最新バージョンに自動的にアップグレードされます。その後、ユーザーは新しいクライアント アプリケーションを使用してログオンを試みることができます。アップグレードは、システムの構成方法に応じて、Microsoft Update または Windows Server Update Services のどちらかを使用して実行されます。
BlockWithUrl。ユーザーはログオンできませんが、Lync の最新バージョンをダウンロードおよびインストールできる URL を示すメッセージが表示されます。その URL は、管理者自身が作成した Web サイトを指す必要がありますが、そのようなサイトは Lync Server のインストール時に自動的に作成されません。
クライアント バージョン ルールはクライアント バージョン ポリシー内に集められています。それらのポリシーは、グローバル スコープ、サイト スコープ、サービス スコープ (レジストラー サービス)、またはユーザーごとのスコープで構成できます。Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットを使用すると、組織で使用するために構成されたクライアント ポリシー ルールの 1 つまたは複数を削除できます。これらのルールは、グローバル ポリシーを含めたいずれのクライアント バージョン ポリシーからも削除できます。
クライアント バージョン ポリシーは、フェデレーション ユーザーには適用されないという点を覚えておくことは重要です。代わりにフェデレーション ユーザーには、そのユーザーの組織で使用されるクライアント バージョン ポリシーが適用されます。たとえば、フェデレーション ユーザーが、フェデレーション組織によって許可されたクライアントであるクライアント A を使用するとします。そのフェデレーション組織がクライアント A の使用を許可する限り、フェデレーション ユーザーはそのクライアントを使用して管理者の組織と通信することができます。これは、管理者のクライアント バージョン ポリシーによってクライアント A を使用を禁止する場合でも同じです。管理者の組織で適用されるクライアント バージョン ポリシーは、フェデレーション組織で使用されるクライアント バージョン ポリシーより優先されません。
このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーが Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Remove-CsClientVersionPolicyRule"}
パラメーター
パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity |
削除するクライアント バージョン ポリシー ルールの一意の識別子。クライアント バージョン ルールの Identity は、ルールが構成されたスコープおよびグローバル一意識別子 (GUID) で構成されています。これは、ルールの Identity が次のようになることを意味します。site:Redmond/1987d3c2-4544-489d-bbe3-59f79f530a83。 |
Confirm |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
Force |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。 |
Tenant |
省略可能 |
System.Guid |
削除する クライアント バージョン ポリシーの Office 365 テナント アカウントのグローバル一意識別子 (GUID) です。次に例を示します。 -Tenant "38aad667-af54-4397-aaa7-e94c79ec2308" 次のコマンドを実行することにより、テナントの各々についてテナント ID を返すことができます。 Get-CsTenant | Select-Object DisplayName, TenantID Windows PowerShell のリモート セッションを使用していて、Lync Online 15 のみに接続している場合、Tenant パラメーターを含める必要はありません。代わりに、接続情報に基づいてテナント ID が自動的に入力されます。Tenant パラメーターはハイブリッド展開で主に使用されます。 |
WhatIf |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
入力の種類
Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.ClientVersion.Rule オブジェクト。Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットは、パイプライン処理されたクライアント バージョン ルール オブジェクトのインスタンスを受け入れます。
戻り値の種類
なし。代わりに Remove-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットは、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.ClientVersion.Rule オブジェクトのインスタンスを削除します。