次の方法で共有

  • [アーティクル]

Get-CsClientVersionPolicyRule

 

トピックの最終更新日: 2012-03-23

組織で使用するように構成されたクライアント バージョン ポリシー ルールを戻します。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010)

構文

Get-CsClientVersionPolicyRule [-Identity <XdsIdentity>] <COMMON PARAMETERS>

Get-CsClientVersionPolicyRule [-Filter <String>] <COMMON PARAMETERS>

COMMON PARAMETERS: [-LocalStore <SwitchParameter>] [-Tenant <Guid>]

例

例 1

例 1 では、組織内で現在使用しているすべてのクライアント バージョン ポリシー ルールに関する情報を戻します。

Get-CsClientVersionPolicyRule

例 2

例 2 では、単一のクライアント バージョン ポリシー ルールに関する情報を戻します。Identity が Global/2336c611-a243-4c5d-994b-eea8a524d0e4 であるルールです。

Get-CsClientVersionPolicyRule -Identity "Global/2336c611-a243-4c5d-994b-eea8a524d0e4"

例 3

例 3 では、グローバル スコープで構成済みのすべてのクライアント バージョン ポリシー ルールが戻されます。これを実行するために、コマンドでは Filter パラメーターとフィルター値 "Global/*" を使用します。このフィルター値により、Identity が "Global/" の文字列値で始まるルールのみが戻されます。

Get-CsClientVersionPolicyRule -Filter "Global/*"

例 4

例 4 のコマンドでは、現在無効になっているすべてのクライアント バージョン ポリシー ルールが戻されます。これを行うために、コマンドではまず Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットを呼び出して、現在使用可能なすべてのクライアント ポリシー ルールのコレクションを戻します。次に、このコレクションは Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、その結果、Enabled プロパティが False に等しいルールが選択されます。

Get-CsClientVersionPolicyRule | Where-Object {$_.Enabled -eq $False}

例 5

例 5 では、クライアント アプリケーションのログオンをブロックするすべてのクライアント バージョン ポリシー ルールが戻されます。これを実行するため、コマンドではまずパラメーターなしの Get-CsClientVersionPolicy コマンドレットを呼び出して、現在使用されているすべてのルールのコレクションを戻します。次に、このコレクションは Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、Action プロパティが Block と等しいルールのみを選択します。

Get-CsClientVersionPolicyRule | Where-Object {$_.Action -eq "Block"}

解説

クライアント バージョンのポリシー ルールを使用して、Lync Server へのログオンを許可するクライアント アプリケーションを判断します。ユーザーが Lync Server にログオンしようとすると、そのユーザーのクライアント アプリケーションは SIP ヘッダーをサーバーに送信します。このヘッダーには、ソフトウェアのメジャー バージョン、マイナー バージョン、ビルド番号など、アプリケーション自体の詳細情報が含まれています。次に、バージョン情報がクライアント バージョン ルールのコレクションと照合され、その特定のアプリケーションに適用されるルールがあるかどうか確認されます。たとえば、Microsoft Office Communicator 2007 R2 を使用してユーザーがログオンを試みるとします。ユーザーが Lync Server へのログオンを実行する前に、システムは Office Communicator 2007 R2 に適用されるクライアント バージョン ルールがあるかどうかを確認します。このようなルールが存在する場合、次に Lync Server はルールで特定された処理を実行します。その処理は、必ず次のいずれかになります。

Allow。ユーザーはログオンできます。

AllowAndUpgrade。ユーザーはログオンでき、使用している Communicator 2007 R2 は Lync の最新バージョンに自動的にアップグレードされます。システムの構成方法に応じ、Microsoft Update または Windows Server Update Services のどちらかを使用してアップグレードが実行されます。

AllowWithUrl。ユーザーはログオンでき、Lync の最新バージョンをダウンロードおよびインストールできる URL を示すメッセージが表示されます。URL は管理者が自分で作成した Web サイトを指す必要があります。Lync Server のインストール時に、そのようなサイトは自動作成されません。

Block。ユーザーはログオンできません。

BlockAndUpgrade。ユーザーはログオンできませんが、使用している Communicator 2007 R2 は Lync の最新バージョンに自動的にアップグレードされます。その後、ユーザーは新しいクライアント アプリケーションを使用してログオンしてみることができます。システムの構成方法に応じ、Microsoft Update または Windows Server Update Services のどちらかを使用してアップグレードが実行されます。

BlockWithUrl。ユーザーはログオンできませんが、Lync の最新バージョンをダウンロードおよびインストールできる URL を示すメッセージが表示されます。URL は管理者が自分で作成した Web サイトを指す必要があります。Lync Server のインストール時に、そのようなサイトは自動作成されません。

クライアント バージョン ルールはクライアント バージョン ポリシー内に集められています。これらは、グローバル スコープ、サイト スコープ、サービス スコープ (レジストラー サービス)、またはユーザーごとのスコープで構成可能なポリシーです。Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットは、組織で現在使用されている構成済みの各ポリシー ルールに関する詳細情報を表示する方法を管理者に提供します。

クライアント バージョン ポリシーがフェデレーション ユーザーに適用されないことに注意してください。代わりに、フェデレーション ユーザーは、自分自身の組織で使用されているクライアント バージョン ポリシーにバインド (拘束) されます。たとえば、フェデレーション ユーザーが、フェデレーション組織で許可されてるクライアントであるクライアント A を使用しているとします。フェデレーション組織がクライアント A の使用を許可している限り、このユーザーはそのクライアントを使用して、お客様の組織と通信することができます。お客様の側のクライアント バージョン ポリシーでクライアント A の使用を禁止している場合でも、このことは成立します。お客様の組織で強制的に適用されているクライアント バージョン ポリシーは、フェデレーション組織で使用されているクライアント バージョン ポリシーを上書きしません。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーが、Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalUserAdmins、RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets -match "Get-CsClientVersionPolicyRule"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 型 説明

Filter

省略可能

System.String

クライアント バージョン ポリシー ルールを戻すよう指示するときに、ワイルドカードを使用できるようにします。たとえば、Redmond サイト用に構成されたすべてのルールを戻すには、次の構文を使用します。-Filter "site:Redmond/*"。

Filter パラメーターと Identity パラメーターの両方を同じコマンドで使用することはできません。

Identity

省略可能

Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity

取得するクライアント バージョン ポリシー ルールの一意の識別子。クライアント バージョン ルールの Identity は、ルールが構成されたスコープと、グローバル一意識別子 (GUID) で構成されています。これは、ルールの Identity が次のようになることを意味します。site:Redmond/1987d3c2-4544-489d-bbe3-59f79f530a83。GUID は記憶するのが困難で使いにくいため、このヘルプ トピックの「例」のセクションでは取得するルールを識別するための代わりの方法を示します。

このパラメーターを指定しない場合は、使用するために構成されているすべてのクライアント バージョン ポリシー ルールが戻されます。

LocalStore

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

中央管理ストア自体からではなく、中央管理ストアのローカル レプリカからクライアント バージョン ポリシー データを取得します。

Tenant

省略可能

System.Guid

クライアント バージョン ポリシーが返される Office 365 テナント アカウントのグローバル一意識別子 (GUID) です。次に例を示します。

-Tenant "38aad667-af54-4397-aaa7-e94c79ec2308"

次のコマンドを実行することにより、テナントの各々についてテナント ID を返すことができます。

Get-CsTenant | Select-Object DisplayName, TenantID

Windows PowerShell のリモート セッションを使用していて、Lync Online 15 のみに接続している場合、Tenant パラメーターを含める必要はありません。代わりに、接続情報に基づいてテナント ID が自動的に入力されます。Tenant パラメーターはハイブリッド展開で主に使用されます。

入力の種類

なし。Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットはパイプライン入力を受け入れません。

戻り値の種類

Get-CsClientVersionPolicyRule コマンドレットを実行すると、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.ClientVersion.Rule オブジェクトのインスタンスが戻されます。