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Unlock-CsClientPin

 

トピックの最終更新日: 2012-03-24

管理者が、指定したユーザーの暗証番号 (PIN) のロックを解除できるようにします。

構文

Unlock-CsClientPin -Identity <UserIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Lync Server 2010 を使用すると、ユーザーは、電話を使用してシステムに接続したり、公衆交換電話網 (PSTN) 会議に参加したりできます。一般的に、システムにログオンしたり会議に参加したりするには、ユーザーがユーザー名とパスワードを入力する必要があります。ただし、英数字キーパッドがない電話を使用している場合には、ユーザー名とパスワードの入力が問題になる可能性があります。そのため、Lync Server 2010 により、ユーザーに数値のみの PIN を提供できます。入力が求められた場合、ユーザーは、ユーザー名とパスワードの代わりに PIN を入力することで、システムにログオンしたり会議に参加したりできます。

しかし、これはユーザーの PIN がロックされていない場合にのみ言えることです。(ユーザーが繰り返しログオンを失敗したり、管理者が明示的にその PIN をロックしたりして) PIN がロックされている場合、ユーザーは PIN 認証を使用してシステムにアクセスしたり、会議に参加したりすることができません (ただしこの場合も、ユーザーは Microsoft Lync 2010 などのアプリケーションを使用してユーザー名とパスワードを入力することで、システムにログオンすることはできます)。PIN がロックされている場合、ユーザーが再び PIN 認証を使用してシステムにアクセスできるようにする唯一の方法は、ロックされた PIN を管理者がロック解除することです。Unlock-CsClientPin コマンドレットを使用して、PIN のロックを解除することができます。

既定では、Lync Server 2010 Standard Edition をインストールするときに、SQL Server Express に対してファイアウォールの例外は有効になっていません。これは、Windows PowerShell のリモート インスタンスから Unlock-CsClientPin を実行できないことを意味します。コマンドがファイアウォールを通過して SQL Server Express データベースにアクセスすることができないからです (ただし、このコマンドレットを Standard Edition サーバー自体でローカル実行することは可能です)。Unlock-CsClientPin を Standard Edition サーバーに対してリモート実行するには、SQL Server Express に対するファイアウォールの例外を手動で有効にする必要があります。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーが、Unlock-CsClientPin コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Unlock-CsClientPin"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Identity

必須

UserIdParameter

PIN をロック解除する必要のあるユーザー アカウントの Identity です。ユーザーの Identity は、以下の 4 つの形式のうちの 1 つを使用して指定できます。1) ユーザーの SIP アドレス、2) ユーザーのユーザー プリンシパル名 (UPN)、3) ドメイン\ログオン形式 (litwareinc\kenmyer など) のユーザーのドメイン名とログオン名、および 4) ユーザーの Active Directory 表示名 (Ken Myer など)。ユーザーの Active Directory 識別名を使用してユーザーの Identity を参照することもできます。

また、表示名をユーザーの Identity として使用する場合は、アスタリスク (*) ワイルドカード文字を使用できます。たとえば、"* Smith" という Identity は、末尾が " Smith" という文字列値の表示名を持つすべてのユーザーを戻します。

Force

省略可能

スイッチ パラメーター

コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。

WhatIf

省略可能

スイッチ パラメーター

実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。

Confirm

省略可能

スイッチ パラメーター

コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。

入力の種類

文字列値または Microsoft.Rtc.Management.ADConnect.Schema.ADUser オブジェクト。Unlock-CsClientPin は、ユーザー アカウントの Identity を表す、パイプライン処理された文字列値の入力を受け入れます。このコマンドレットは、ユーザー オブジェクトのパイプライン入力も受け入れます。

戻り値の種類

Unlock-CsClientPin は、値またはオブジェクトを戻しません。代わりに、Microsoft.Rtc.Management.UserPinService.PinInfoDetails オブジェクトの 1 つまたは複数のインスタンスを構成します。

-------------------------- 例 1 ------------------------

Unlock-CsClientPin -Identity "litwareinc\kenmyer"

例 1 は、Unlock-CsClientPin を使用して、ユーザー litwareinc\kenmyer の PIN のロックを解除します。

-------------------------- 例 2 ------------------------

Get-CsUser | Get-CsClientPinInfo | Where-Object {$_.IsLockedOut -eq $True} | Unlock-CsClientPin 

上記の例は、Unlock-CsClientPin を使用して、現在ロックされているすべての PIN のロックを解除します。これを行うため、まず Get-CsUser を呼び出して、Lync Server 2010 が有効になっているすべてのユーザーのコレクションを戻しています。次に、そのコレクションを Get-CsClientPinInfo コマンドレットにパイプ処理しています。このコマンドレットと Where-Object コマンドレットを組み合わせて使用して、IsLockedOut プロパティが True ($True) に等しい (-eq) ユーザーのみを選択しています。

次に、フィルター後に得られたコレクションを Unlock-CsClientPin にパイプ処理して、以前に PIN がロックされた各ユーザーの PIN のロックを解除しています。

関連項目

その他のリソース

Get-CsClientPinInfo
Lock-CsClientPin
Set-CsClientPin