Remove-CsHostingProvider
トピックの最終更新日: 2012-03-25
組織で現在使用中の、1 つ以上のホスティング プロバイダーを削除します。ホスティング プロバイダーは、フェデレーションを行う予定のドメインに対してインスタント メッセージング、プレゼンス、および関連するサービスを提供する、サードパーティ組織です。Microsoft Lync Online 2010 などのホスティング プロバイダーは、公開プロバイダー (Yahoo!、MSN、AOL など) とは異なり、不特定多数に対してサービスを提供することはありません。
構文
Remove-CsHostingProvider -Identity <XdsGlobalRelativeIdentity> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
フェデレーションは、2 つの組織が組織間のコミュニケーションを促進する信頼関係を設定できるようにするための手段です。フェデレーションが確立されると、2 つの組織のユーザーはインスタント メッセージの送受信やプレゼンス通知の登録ができ、Lync 2010 のような SIP アプリケーションを使用して互いに通信することもできます。Microsoft Lync Server 2010 では、次の 3 種類のフェデレーションが可能です。1) 自組織と他組織間の直接フェデレーション、2) 自組織と公開プロバイダー間のフェデレーション、3) 自組織とサードパーティ ホスティング プロバイダー間のフェデレーション。
ホスティング プロバイダーは、他の組織に対して SIP 通信サービスを提供する組織です。たとえば、Fabrikam, Inc. では、Contoso、Northwind Traders、Wingtip Toys のユーザーをホストしています。ホスティング プロバイダーとのフェデレーション関係を確立すると、そのプロバイダーがホストしている組織と効率的にフェデレーションを確立することができます。たとえば、Fabrikam とフェデレーションを行うと、ユーザーは、Contoso、Northwind Traders、および Wingtip Toys のユーザーとインスタント メッセージやプレゼンス情報を交換できるようになります。
ホスティング プロバイダーは、分割ドメインのシナリオでも使用されます。分割ドメイン シナリオの場合、 一部のユーザーのアカウントは社内 (つまり、ローカルの Lync Server 2010 実装上でホストされています) でホストされています。アカウントが、サードパーティのホスティング プロバイダーによって社外に保持されているユーザーもあります。ホスティング プロバイダーとフェデレーションを行うと、社内ユーザーと社外ユーザーが相互に通信できるようになります。
サードパーティのホスティング プロバイダーとフェデレーションを行うためには、新しいホスティング プロバイダーを作成して有効にする必要があります(また、サードパーティのプロバイダー側でもユーザーとのフェデレーション関係を作成する必要があります)。後でこの関係を終了することを決定する場合は、Remove-CsHostingProvider コマンドレットを使用してそのホスティング プロバイダーを削除できます。ホスティング プロバイダーを削除すると、そのプロバイダーはフェデレーション パートナーの一覧から削除され、その時点で、関係を再確立するための手段はプロバイダーの再作成だけになります。一時的に関係を中断する場合は、代わりに Disable-CsHostingProvider コマンドレットを使用します。ホスティング プロバイダーを無効にしても、そのプロバイダーはフェデレーション パートナーの一覧から削除されません。代わりに、そのプロバイダーには無効のマークが付けられ、組織とそのプロバイダーの間の通信が無効になるだけです。関係を再確立するには、Enable-CsHostingProvider を使用してそのプロバイダーを再度有効にします。
このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが、Remove-CsHostingProvider コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。
Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "Remove-CsHostingProvider"}
パラメーター
パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
文字列 |
削除するホスティング プロバイダーの一意の識別子。Identity は文字列です。ホスティング プロバイダーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) (fabrikam.com など) や、サービスを提供する企業の名前 (Fabrikam, Inc.) にすることができます。 |
Force |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。 |
WhatIf |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
Confirm |
省略可能 |
スイッチ パラメーター |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
入力の種類
Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.Edge.DisplayHostingProvider オブジェクト。Remove-CsHostingProvider は、ホスティング プロバイダー オブジェクトのパイプライン処理されたインスタンスを受け入れます。
戻り値の種類
なし。代わりに、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.Edge.DisplayHostingProvider オブジェクトのインスタンスを削除します。
例
-------------------------- 例 1 ------------------------
Remove-CsHostingProvider -Identity "Fabrikam.com"
例 1 に示すコマンドは、Identity が Fabrikam.com のホスティング プロバイダーを削除します。そのホスティング プロバイダーが削除された後、Fabrikam.com (および、Fabrikam.com と関連付けられているすべてのドメイン) とのフェデレーションが終了します。
-------------------------- 例 2 ------------------------
Get-CsHostingProvider | Remove-CsHostingProvider
例 2 では、組織で使用するために構成されたすべてのホスティング プロバイダーを削除します。このタスクを実行するには、まず、コマンドで Get-CsHostingProvider を使用して、現在使用中のすべてのホスティング プロバイダーのコレクションを戻します。次に、このコレクションは Remove-CsHostingProvider にパイプ処理され、コレクション内の各項目が削除されます。このコマンドが完了すると、使用するために構成されているホスティング プロバイダーはなくなります。
-------------------------- 例 3 ------------------------
Get-CsHostingProvider -Filter "*Fabrikam*" | Remove-CsHostingProvider
上記のコマンドは、プロバイダー ID の中に文字列値 "Fabrikam" を含むすべてのホスティング プロバイダーを削除します。このタスクを実行するため、まず、このコマンドは Get-CsHostingProvider と Filter パラメーターを呼び出します。フィルター値 "*Fabrikam*" により、戻されるデータは Identity の任意の箇所に "Fabrikam" を含むホスティング プロバイダーに限定されます。たとえば、このコマンドにより、Fabrikam.com、Fabrikam.net、FabrikamUsers.com などのプロバイダーが戻されます。次に、このフィルター処理されたコレクションは Remove-CsHostingProvider にパイプ処理され、コレクション内の各項目が削除されます。
-------------------------- 例 4 ------------------------
Get-CsHostingProvider | Where-Object {$_.VerificationLevel -ne "AlwaysVerifiable"} | Remove-CsHostingProvider
例 4 では、検証レベルが AlwaysVerifiable 以外に設定されているすべてのホスティング プロバイダーが削除されます。このタスクを実行するには、まず、追加パラメーラーを指定せずに Get-CsHostingProvider を呼び出します。このコマンドにより、組織で使用するために構成されているすべてのホスティング プロバイダーのコレクションが戻されます。次に、このコレクションは Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、VerificationLevel プロパティが AlwaysVerifiable と等しくないプロバイダーのみを選び出します。このフィルター処理されたコレクションは Remove-CsHostingProvider にパイプ処理され、コレクション内の各プロバイダーが削除されます。
-------------------------- 例 5 ------------------------
Get-CsHostingProvider | Where-Object {$_.Enabled -eq $False} | Remove-CsHostingProvider
上記のコマンドでは、現在無効になっているすべてのホスティング プロバイダーを削除します。このタスクを実行するには、まず、このコマンド Get-CsHostingProvider を使用して、組織で使用するために構成されているすべてのホスティング プロバイダーのコレクションを戻します。このコレクションは Where-Object にパイプ処理され、無効になっているプロバイダー、つまり、Enabled プロパティが False と等しいプロバイダーのみを選び出します。このフィルター処理されたコレクションは Remove-CsHostingProvider にパイプ処理され、無効になっている各ホスティング プロバイダーが削除されます。