シナリオベースの処理能力の計画
トピックの最終更新日: 2012-10-18
Microsoft Lync Server 2010 のパフォーマンスを最適化するには、適度なレベルのハードウェア リソースをプロビジョニングおよび展開する必要がありますが、ハードウェアへの投資に対する収益率を最大化するには、必要以上のハードウェアをプロビジョニングしないようにする必要があります。
ここでは、組織のニーズの分析結果に基づいてハードウェアを割り当てる場合の指針を示します。展開されている組織のユーザー数、ユーザー プロファイル、およびワークロードに基づいて、必要な CPU クロック速度、サーバーのメモリ要件、およびサーバーとの間のネットワーク帯域幅を判断してください。結果は、物理的なトポロジと仮想化トポロジの両方に適用できます。
ここに示す情報は、使用するユーザー モデルまたはサーバー ハードウェアが「Lync Server 2010 のユーザー モデル」で説明されているものと異なる場合に特に役立ちます。
以下のセクションでは、Lync Server 2010 の各モダリティで必要とされるリソースについて詳細に説明します。その後、それらの数字の使用法を例示したシナリオ例を示します。
以下の表に示すすべてのパフォーマンス コストは、基準として、コアあたりのクロック速度が 2.33 GHz のデュアル クアッドコア プロセッサをサーバーが搭載することを想定した場合の値です。この場合は、プロセッサ コアあたり 2,333 メガサイクル、つまりサーバーあたり 18,664 メガサイクルで動作することになります。
サーバーに別のプロセッサが搭載されている場合は、それに応じて数値を調整できます。詳細については、このトピックの後半にある「プロセッサの調整」を参照してください。
結果の表および式の概要
以下の各セクションには、次の数値と共に、Microsoft パフォーマンス テストの結果を示す表が掲載されています。
CPU の要件 (メガサイクル数) は、プール内の合計ユーザー数の場合に、またはプール内の同時通話かセッションの合計数の場合に、このワークロードで必要とされるメガサイクル数を示します。たとえば、「会議、Web 会議」の表において、400 の行の数値 1,569 は、プール内の 400 人の同時データ会議ユーザーが、プール内のサーバーのメガサイクル数を合算して合計 1,569 メガサイクルを必要とすることを意味します。
フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件 は、負荷全体が Microsoft のテストで使用されるのと同じ仕様の 1 つのサーバーによって処理されるとした場合に、このタスクで必要とされるメガサイクル数を CPU 負荷の割合として示します。
メモリの要件は、プール内の合計同時ユーザー数または通話数の場合に、このワークロードで必要とされる合計メモリを示します。たとえば、「会議、Web 会議」の表において、400 の行の数値 1.5 GB は、プール内の 400 人の同時データ会議ユーザーが、プール内のサーバーのメモリ容量を合算して合計 1.5 GB のメモリを必要とすることを意味します。
この数値は、基本システム要件で必要とされるメモリを含みません。
ネットワーク帯域幅は、プール内のこの種類の同時ユーザーまたは通話の合計数の場合に、サーバーとの間に必要とされる合計ネットワーク帯域幅を示します。これは、サーバーとの間のトラフィックに限られ、ピアツーピア帯域幅は考慮されません。
表に続いて、指定されたユーザー数、ユーザー モデル、およびワークロードの場合に必要なリソースの計算で使用できる式がいくつか示されています。それらの式は、パフォーマンス テスト結果の傾向分析を使用して作成されました。テストによって得られたすべてのデータ点が傾向線とぴったり重なるわけではないため、テスト結果表の行の 1 つにあるユーザー数または通話数を入力して式を計算しても、算出されるパフォーマンスの数値が表の結果と正確に一致するとは限りません。
プールでの CPU の必要量を判断するには、次の計算を行います。
ワークロードごとに、まず、テスト サーバー CPU% コストを計算します。これは、Microsoft パフォーマンス テストで使用したサーバーの 1 つが備える CPU の全処理能力に対する割合で表現した CPU コストです。これらのサーバーは、2.33 GHz のコアを 8 コア搭載しています。
同じ SPECint レートのサーバーを使用する場合は、テスト サーバー CPU% コストだけに基づいて必要なサーバー数を決定できます。各ワークロードでのテスト サーバー CPU% コストを加算して、プール全体で必要な合計テスト サーバー CPU% コストを求めます。次に、プールで十分な数のサーバーを展開し、各サーバーが 70% 以下の処理能力で実行できるようにします。たとえば、合計テスト サーバー CPU% コストが 260% と判明した場合は、プール内で 4 つのサーバーを展開できます。
処理能力の異なるサーバーを使用する場合は、ワークロードごとに次の式を使用し、テスト サーバー CPU% コストをメガサイクルに変換できます。これらの計算式の使用例については、このセクションの後半にある「必要なリソースの計算例」を参照してください。
すべてのパフォーマンス テストは、すべてのテスト サーバーが 1 つのサイト内に存在するという前提で実行されました。
テストの前提
このセクションでのテスト、結果、および式では、次の条件を前提としています。
すべてのサーバーが 1 つのサイト内に存在する。
仲介サーバーがフロント エンド サーバーと併置されている。スタンドアロンの仲介サーバーを展開している場合は、一部の信号トラフィックがフロント エンド サーバーによって処理され続けるため、エンタープライズ VoIP の負荷全体をフロント エンド サーバーから差し引くことはできません。
このセクションで述べられていない項目および使用法については、組織が「Lync Server 2010 のユーザー モデル」の説明に従うことを前提としています。たとえば、MPOP (Multiple Point of Presence) は 1 : 1.5 と想定しています。
IM とプレゼンス
以下の表に、IM とプレゼンスのワークロードのテスト結果を示します。表の数値には、配布リストの拡張とプレゼンスの写真取得が含まれています。
ユーザー数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件** | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
5,000 |
1,043 |
5.6% |
1.1 GB |
7.5 Mbps |
10,000 |
1,736 |
9.3% |
1.6 GB |
14.8 Mbps |
15,000 |
2,556 |
13.7% |
2.18 GB |
22.6 Mbps |
20,000 |
3,528 |
18.9% |
2.33 GB |
38.3 Mbps |
25,000 |
4,423 |
23.7% |
2.43 GB |
52.8 Mbps |
* 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
** 基本システムのメモリ要件としてサーバーあたり 7 GB を追加します。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (ユーザー数) * 0.001
必要メガサイクル = (CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = 基本 7 GB + ((ユーザー数) * 0.0000678)
必要ネットワーク速度 (Mbps) = ((ユーザー数 ^2) * 0.0000000637) + (0.000369 * ユーザー数) + 4.15
アドレス帳 Web クエリ
以下の表に、アドレス帳 Web クエリのリソース使用量のテスト結果を示します。
ユーザー数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
5,000 |
646 |
3.46% |
0.265 GB |
3.3 Mbps |
10,000 |
974 |
5.22% |
0.268 GB |
6.4 Mbps |
15,000 |
1,312 |
7.03% |
0.263 GB |
9.5 Mbps |
20,000 |
1,631 |
8.74% |
0.263 GB |
13.8 Mbps |
25,000 |
1,984 |
10.63% |
0.265 GB |
18.3 Mbps |
* 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = ((ユーザー数) * 0.0004) + 2.0
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = 0.300
必要ネットワーク速度 (Mbps) = 0.00075 * ユーザー数
グループ IM 会議
以下の表に、グループ IM 会議のリソース使用量のテスト結果を示します。
同時グループ IM ユーザーの数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
100 |
401 |
2.15% |
0.08 GB |
1.22 Mbps |
200 |
358 |
1.92% |
0.15 GB |
1.90 Mbps |
300 |
416 |
2.33% |
0.23 GB |
2.42 Mbps |
400 |
467 |
2.5% |
0.30 GB |
3.00 Mbps |
500 |
538 |
2.88% |
0.40 GB |
3.38 Mbps |
* 必ず他の会議ユーザーのことも考慮してください。Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、電話会議の 50% がグループ IM を含むと想定しています。グループ IM ユーザーの数を見積もる場合は、組織での使用状況に基づいて適切な割合の会議ユーザーを含めてください。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (ユーザー数 * 0.001) + 2.0
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = 0.0008 * 同時グループ IM ユーザー数
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時グループ IM ユーザー数 * 0.0054) + 0.76
会議、Web 会議
以下の表に、Web 会議部が全会議の中で占めるリソース使用量を示します。
同時 Web 会議ユーザーの数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
100 |
444 |
2.38% |
0.4 GB |
24.55 Mbps |
200 |
659 |
3.53% |
0.4 GB |
49.23 Mbps |
300 |
845 |
4.53% |
1.5 GB |
66.58 Mbps |
400 |
1,004 |
5.38% |
1.5 GB |
81.34 Mbps |
500 |
1,191 |
6.38% |
2.2 GB |
90.06 Mbps |
* 会議ユーザーの数は、通常、会議ユーザーの割合として算定できます。Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、会議の 20% が Web 会議 (Microsoft PowerPoint プレゼンテーション グラフィック プログラムやホワイトボードなど) を含むと想定しています。この割合を所属する組織のユーザー数に適合するように調整して、管理する同時データ会議ユーザーの数を算定できます。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時データ会議ユーザー数 * 0.01) + 1.5
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = 0.0047 * (同時データ会議ユーザー数)
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時データ会議ユーザー数 * 0.163) + 13.4
PSTN 会議
以下の表に、会議アテンダント アプリケーションを使用して会議に参加する PSTN ユーザーのリソース使用量を示します。
同時 PSTN 会議ユーザーの数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
50 |
373 |
2.0% |
0.47 GB |
1.0 Mbps |
100 |
560 |
3.0% |
0.59 GB |
2.1 Mbps |
150 |
560 |
3.0% |
0.71 GB |
3.2 Mbps |
200 |
933 |
5.00% |
0.83 GB |
4.4 Mbps |
250 |
1,680 |
9.00% |
1.01 GB |
5.6 Mbps |
* 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時 PSTN 会議発信者数 * 0.033) + (同時 PSTN 会議発信者数 * 0.0918)
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = ((2.64 * 同時 PSTN 会議発信者数) + 326) / 1,000
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (0.023 * 同時 PSTN 会議発信者数) - 0.19
CPU コストを計算する場合は、会議参加者と UC-PSTN 発信者の両方になっている各発信者を考慮に入れるため、同時 PSTN 発信者数を 2 回使用します。
会議、アプリケーション共有
以下の表に、アプリケーション共有部が全会議の中で占めるリソース使用量を示します。
同時アプリケーション共有ユーザーの数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
100 |
1,680 |
9.0% |
2.7 GB |
82.0 Mbps |
200 |
3,098 |
16.60% |
2.8 GB |
130.8 Mbps |
300 |
4,324 |
23.17% |
2.9 GB |
152.2 Mbps |
400 |
5,192 |
27.82% |
3.3 GB |
184.13 Mbps |
* アプリケーション共有会議ユーザーの数は、通常、電話会議ユーザーの割合として算定できます。Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、電話会議の 50% にアプリケーション共有を含むと想定しています。この割合を所属する組織のユーザー数に適合するように調整して、管理する同時アプリケーション共有ユーザーの数を算定できます。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時アプリケーション共有会議ユーザー数 * 0.071) + 2.5
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = (0.0019 * 同時アプリケーション共有会議ユーザー数) + 2.45
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時アプリケーション共有会議ユーザー数 * 0.33) + 54
会議、電話会議
電話会議は音声ビデオ会議サービスによって処理されるため、音声ビデオ会議サービスをフロント エンド サーバーと併置させていない限り、この負荷はフロント エンド サーバーに影響しません。パフォーマンスを最適化するため、音声ビデオ会議サーバーをフロント エンド サーバーから離して展開するようお勧めします。ユーザー数が 10,000 未満の場合は、音声ビデオ会議サーバーとフロント エンド サーバーを併置させることができます。
以下の表に、電話会議が全会議の中で占めるリソース使用量を示します。この表では、電話会議の 85% に 4 人のユーザーが参加し、10% に 6 人のユーザーが参加し、5% に 10 人のユーザーが参加するモデルを想定しています。
会議のすべての表において、同時ユーザーの数は、すべての同時会議に参加するユーザーの全体数を基準にしています。1 つの会議のユーザー数は最大で 250 人です。
注: |
---|
250 は、Microsoft によるテストに基づく、共有プール展開の最大数です。250 人以上の参加者がいる会議のサポートについての情報は、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=242073&clcid=0x411 の「Microsoft Lync Server 2010 Support for Large Meetings」を参照してください。 |
同時電話会議ユーザーの数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーまたは音声ビデオ会議サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件** | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
200 |
2,463 |
13.2% |
0.42 GB |
29.33 Mbps |
400 |
4,759 |
25.5% |
0.73 GB |
58.02 Mbps |
600 |
6,906 |
37.0% |
1.0 GB |
86.98 Mbps |
800 |
8,884 |
47.6% |
1.29 GB |
115.74 Mbps |
1,000 |
11,814 |
63.3% |
1.6 GB |
144.84 Mbps |
* 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
** 音声ビデオ会議サーバーでは、基本システムのメモリ要件としてサーバーあたり 7 GB を追加します。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時電話会議ユーザー数) * 0.062
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = (同時電話会議ユーザー数 * 0.00146) + 0.132
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時電話会議ユーザー数 * 0.14435) + 0.36
会議、ビデオ会議
以下の表に、全会議の中でビデオ会議部分が占めるリソース使用量を示します。この表では、ビデオ会議の 70% で CIF を使用し、30% で VGA を使用するモデルを想定しています。
電話会議は音声ビデオ会議サービスによって処理されるため、音声ビデオ会議サービスをフロント エンド サーバーと併置させていない限り、この負荷はフロント エンド サーバーに影響しません。
同時ビデオ会議ユーザーの数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーまたは音声ビデオ会議サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
40 |
672 |
3.6% |
0.03 GB |
18.19 Mbps |
80 |
1,288 |
6.9% |
0.03 GB |
29.86 Mbps |
120 |
1,792 |
9.6% |
0.03 GB |
50.39 Mbps |
160 |
2,277 |
12.2% |
0.03 GB |
63.04 Mbps |
200 |
3,023 |
16.2 |
0.03 GB |
80.00 Mbps |
* ビデオ会議ユーザーの数は、通常、電話会議ユーザーの割合として算定できます。Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、電話会議の 20% がビデオ会議を含むと想定しています。この割合を所属する組織のユーザー数に適合するように調整して、管理する同時ビデオ会議ユーザーの数を算定できます。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時ビデオ会議ユーザー数) * 0.07625
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = 0.03
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時ビデオ会議ユーザー数 * 0.3925) + 1.25
エンタープライズ VoIP、UC-UC 通話
以下の表に、エンタープライズ VoIP を使用したユニファイド コミュニケーションからユニファイド コミュニケーション (UC-UC) への通話でのリソース使用量を示します。
同時通話の数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
200 |
499 |
2.67% |
1.36 GB |
2.80 Mbps |
400 |
721 |
3.86% |
1.6 GB |
5.04 Mbps |
600 |
974 |
5.22% |
1.75 GB |
7.57 Mbps |
800 |
1,212 |
6.5% |
1.95 GB |
9.85 Mbps |
1,000 |
1,458 |
7.8% |
2.11 GB |
12.16 Mbps |
* Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、1 時間あたりの 1 ユーザーの通話数を 4 件、平均通話時間を 3 分と想定しています。この 1 時間あたり 4 件の通話は、UC-UC 通話と UC-PSTN 通話の両方を含みます。ユーザーのエンタープライズ VoIP 通話における UC-UC と UC-PSTN の割合がわかっている場合には、最大限に正確な数を得ることができます。ユーザー モデルでは、通話の 60% が UC-PSTN、40% が UC-UC と想定しています。以下の計算式では、1 時間あたりの実際の通話数および期間と異なるのであれば、それらの実際の値を使用できます。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
同時通話数 = ユーザー数 * 1 時間あたりの 1 ユーザーの平均 UC-UC 通話数 * 時間 (分) / 60
テスト サーバー CPU% コスト = (同時通話数 * 0.007)
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = (0.00093 * 同時通話数) + 1.19
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時通話数 * 0.01175) + 0.43
エンタープライズ VoIP、UC-PSTN 通話
以下の表に、エンタープライズ VoIP を使用したユニファイド コミュニケーションから PSTN (US-PSTN) への通話でのリソース使用量を示します。
同時通話の数* | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件** | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
200 |
1,456 |
7.8% |
0.28 GB |
19.56 Mbps |
400 |
3,789 |
20.3% |
0.43 GB |
38.65 Mbps |
600 |
5,226 |
28% |
0.6 GB |
57.52 Mbps |
800 |
6,924 |
37.1% |
0.77 GB |
76.52 Mbps |
1,000 |
8,455 |
45.3% |
0.89 GB |
95.39 Mbps |
* Lync Server 2010 ユーザー モデルでは、1 時間あたりの 1 ユーザーの通話数を 4 件、平均通話時間を 3 分と想定しています。この 1 時間あたり 4 件の通話は、UC-UC 通話と UC-PSTN 通話の両方を含みます。ユーザーのエンタープライズ VoIP 通話における UC-UC と UC-PSTN の割合がわかっている場合には、最大限に正確な数を得ることができます。ユーザー モデルでは、通話の 60% が UC-PSTN、40% が UC-UC と想定しています。以下の計算式では、1 時間あたりの実際の通話数および期間と異なるのであれば、それらの実際の値を使用できます。
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
同時通話数 = ユーザー数 * 1 時間あたりの 1 ユーザーの平均 UC-PSTN 通話数 * 時間 (分) / 60
テスト サーバー CPU% コスト = (同時通話数 * 0.007) + (0.0918 * (メディア バイパスを使用する 1-% 通話) * 同時通話数)
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = (0.00156 * 同時通話数) + 0.126
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時通話数 * 0.19) * (メディア バイパスを使用する 1-% 通話)
応答グループ サービス
以下の表に、Lync Server 応答グループ サービスのリソース使用量を示します。
応答グループがサポートするエージェントの数は、プールあたり最大で 1,200 です。
同時応答グループ通話数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
50 |
1,680 |
9% |
1.2 GB |
0.245 Mbps |
60 |
1,680 |
9% |
1.3 GB |
0.315 Mbps |
70 |
1,866 |
10% |
1.3 GB |
0.355 Mbps |
80 |
2,053 |
11% |
1.3 GB |
0.40 Mbps |
90 |
2,240 |
12% |
1.4 GB |
0.46 Mbps |
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時応答グループ通話数 * 0.0192) + 7.48
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = (0.0008 * 同時応答グループ通話数) + 1.18
必要ネットワーク速度 (Mbps) = 同時通話数 * 0.005
コール パーク サービス
以下の表に、Lync Server コール パーク サービスのリソース使用量を示します。
同時通話の数 | CPU の要件 (メガサイクル) | フロント エンド サーバーの割合としての CPU 要件* | メモリの要件 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
1 |
186 |
1% |
0.130 GB |
0.100 Mbps |
25 |
186 |
1% |
0.165 GB |
0.280 Mbps |
50 |
373 |
2% |
0.200 GB |
0.550 Mbps |
75 |
560 |
3% |
0.235 GB |
0.780 Mbps |
100 |
746 |
4% |
0.270 GB |
1.00 Mbps |
** 8 コア (各コアが 2,333 メガサイクル) の Lync Server 基準プロセッサに基づきます。
これらのテスト結果に基づき、傾向分析を行って以下の指針値を計算します。
テスト サーバー CPU% コスト = (同時通話数 * 0.04) + 0.055
必要メガサイクル = (テスト サーバー CPU% コスト / 100) * 2,333 * 8
必要メモリ (GB) = ((1.4 * 同時通話数) + 1.18) / 1,000
必要ネットワーク速度 (Mbps) = (同時通話数 * 0.00956) + 0.055
プロセッサに応じた調整
ここで示すすべての CPU % パフォーマンス コストは、各サーバーの基準として、2.33 GHz のクアッドコア デュアル プロセッサを搭載すると想定した場合の値です。この場合は、プロセッサ コアあたり毎秒 2,333 メガサイクル、つまりサーバーあたり毎秒 18,664 メガサイクルで動作することになります。
サーバーに別のプロセッサが搭載されている場合は、ハードウェアに合わせて数値を調整できます。
これらのテストで使用したプロセッサの SPECint プロセッサ ベンチマークは、8 コア合計で 186、つまりコアあたり 23.25 です。使用するサーバーで同等のプロセッサ サイクルを計算するには、次の操作を行います。
Web ブラウザーを使用して www.spec.org を開きます。
マウス カーソルを [Results]、次に [CPU2006] の上まで動かし、[CPU2006 Results] をクリックします。
[Available Configurations] で、[SPECint2006 Rates] を選択し、[Go] をクリックします。
[Simple Request] 領域で、プロセッサを検出するための検索条件を選択し、[Execute Simple Fetch] をクリックします。
展開したサーバーとプロセッサを見つけ、[Result] 列で数を確認します。
この値をサーバーのコア数で除算すれば、コアあたりの値が求められます。たとえば、8 コア サーバーでの [Result] の数が 240 の場合、コアあたりの値は 30 です。
次の式を使用して、サーバーのコアあたりのメガサイクルを算定します。
(Your processor's per-core value) X 2,333 / 23.25
結果にサーバーのコア数を乗算すれば、サーバーあたりの合計メガサイクル数が得られます。これを、このトピックの前のセクションで示した数値を求めるのに使用した基準サーバーのメガサイクル数 18,664 と比較します。
必要なリソースの計算例
以下の例は、組織での Lync Server 2010 の使用状況が「Lync Server 2010 のユーザー モデル」での説明と異なる場合に、リソースの必要量を計算する方法を示しています。この例での組織の使用量は、ユーザー モデルの場合より著しく大きくなっています。
30,000 ユーザー、100% がエンタープライズ VoIP を使用する (ユーザー モデルでは、ユーザーの 50% で音声機能が有効と想定)。仲介サーバーがフロント エンド サーバーと併置されている。UC-PSTN 通話の 75% でメディア バイパスを使用します。
平均で 7.5% のユーザーが同時に会議に参加する (ユーザー モデルでは 5% と想定)。会議での同時ユーザー数は 2,250 となります。
その他の会議の使用法は、Lync Server 2010 ユーザー モデルに従う。
エンタープライズ VoIP の使用量はユーザー モデルの場合より多く、混雑時の 1 時間あたりの平均通話数は 5 件、平均時間は 3 分である (ユーザー モデルでは、混雑時の 1 時間あたりの通話数が 4 件)。ユーザー モデルに従い、5 通話のうち 3 通話は UC-PSTN、2 通話は UC-UC です。
この例では、フロント エンド サーバーでの CPU の必要処理能力が次のように計算されます。
フロント エンド サーバーのワークロード | テスト サーバー CPU% コスト | 必要なメガサイクル |
---|---|---|
基本 IM とプレゼンス |
30,000 ユーザー * 0.001 = 30 |
(30/100) * 2,333 * 8 = 5,599 |
アドレス帳 Web クエリ |
(30,000 ユーザー * 0.0004) + 2 = 14 |
(14/100) * 2,333 * 8 = 2,613 |
グループ IM (会議の 50% でグループ IM を使用) |
(1,125 ユーザー * 0.001) + 2 = 3.125 |
(3.125/100) * 2,333 * 8 = 583 |
Web 会議 (すべての会議の 75% が Web 会議を含み、それらの会議の 20% がグループ IM を含む) |
(337 ユーザー * 0.01) + 1.5 = 4.87 |
(4.87/100) * 2,333 * 8 = 909 |
PSTN 会議 (会議出席者の 15% が PSTN 電話形式でダイヤルする) |
(338 ユーザー * 0.033) + (338 ユーザー * 0.0918) = 42.18 |
(42.18/100) * 2,333 * 8 = 7,872 |
アプリケーション共有 (すべての会議の 75% が Web 会議を含み、それらの会議の 50% がアプリケーション共有を使用する) |
(843 ユーザー * 0.071) + 2.5 = 62.353 |
(62.353/100) * 2,333 * 8 = 11,638 |
エンタープライズ VoIP、UC-UC 通話 |
30,000 ユーザー * 2 通話 * 3 分 / 60 = 5,000 同時通話 5,000 通話 * 0.007 = 35 |
(35/100) * 2,333 * 8 = 6,532 |
エンタープライズ VoIP、UC-PSTN 通話 |
30,000 ユーザー * 3 通話 * 3 分 / 60 = 4,500 同時通話 (4,500 通話 * 0.007) + (4,500 通話 * 0.0918 * (1 - 0.8)) = 114.12 |
(114.12/100) * 2,333 * 8 = 21,299 |
フロント エンド サーバーで必要な総メガサイクル数は 57,045。 |
フロント エンド サーバーにおいて、使用量が多い展開での合計 CPU 要件は、57,045 メガサイクルです。この例の場合、SPECint 結果が 8 コアで 258 になるサーバーを展開するとします。平均すると、コアあたり 32.25 になります。前のセクションの計算式を使用すると、各サーバーは 25,888 メガサイクルで動作することになります。
必要なサーバーの数を判断するには、必要なメガサイクル数 (57,045) をサーバーあたりのメガサイクル数 (この例では 25,888) で除算します。次に、この結果を 0.7 で除算し、各サーバーが CPU の処理能力の 70% 以下で稼働するようにします。この最終結果を丸めて、その次の実数を求めます。この例では、次のようになります。
(57,045/25,888)/0.7) = 3.15
これらのサーバーのうち 4 つが必要になります。4 サーバーの合計は 103,552 メガサイクルとなり、57,045 はおよそ 55% の値となります。したがって、4 つのサーバーはピーク時でも CPU の処理能力の 55% で動作することになります。
以下の表と計算式により、シナリオ例における音声ビデオ会議サーバーでの必要量が決まります。
音声ビデオ会議サーバーのワークロード | CPU コスト | 必要なメガサイクル |
---|---|---|
電話会議 (会議の 75% がエンタープライズ VoIP を含む) |
1,688 ユーザー * 0.062 = 104.625 |
(104.625/100) * 2,333 * 8 = 19,527 |
ビデオ会議 (すべての会議の 75% が Web 会議を含み、それらの会議の 20% がビデオを含む) |
338 ユーザー * 0.07625 = 25.77 |
(25.77/100) * 2,333 * 8 = 4,810 |
音声ビデオ会議サーバーで必要なメガサイクルは合計で 24,337。 |
結果として、2 つのサーバーをそれぞれ 25,888 サイクルで展開し、それぞれ CPU 処理能力の 47% で音声ビデオ会議サーバーを実行できることになります。
見積もりのワークロードの場合に必要とされるメモリおよびネットワーク帯域幅についても、同様の計算を行うことができます。ワークロードまたは組織の典型的な使用パターンと思われるシナリオについては、「Lync Server 2010 のユーザー モデル」を参照し、Microsoft がテストしたユーザー モデルを調べてください。