レポート パラメータの作成とレポート パラメータ プロパティの設定

新規 : 2006 年 7 月 17 日

レポート パラメータは、レポートに対してグローバルに定義されます。レポート クエリにパラメータが含まれている場合は、レポート パラメータが自動的に作成されます。また、レポート パラメータを手動で作成することもできます。レポート パラメータを作成したら、このパラメータを識別し、レポートでの使用方法を制御するプロパティを設定する必要があります。

レポートのパブリッシュ前にパラメータを操作するには、レポート デザイナの [レポート パラメータ] ダイアログ ボックスを使用します。詳細については、「レポート パラメータを追加、編集、または削除する方法 (レポート デザイナ)」を参照してください。

レポートのパブリッシュ後も、レポート マネージャや SQL Server Management Studio を使用してレポート パラメータのプロパティを変更できます。パラメータのプロパティやセキュリティ上の注意点の詳細については、「パブリッシュ済みレポートのパラメータ プロパティの設定」を参照してください。

レポート パラメータ

クエリ パラメータに対応するレポート パラメータは自動的に作成されますが、クエリ パラメータを削除しても、レポート パラメータが自動的に削除されることはありません。

[レポートのプロパティ] ダイアログ ボックスを開くには、レポート デザイナのデータ ビューまたはレイアウト ビューに切り替え、[レポート] メニューの [レポートのプロパティ] 選択します。左ペインにレポート パラメータの一覧が表示されます。変更するパラメータを選択します。

名前とデータ型

パラメータ名は必須であり、レポート内で一意である必要があります。パラメータのデータ型は、既定で String に設定されます。ドロップダウン リストから別のデータ型を選択することもできます。クエリ パラメータに基づくレポート パラメータについては、データ型がクエリ パラメータのデータ型と一致していることを確認する必要があります。Reporting Services ではクエリ パラメータのデータ型は検出されないので、データ型を手動で合わせる必要があります。

パラメータの名前は、共通言語仕様の文字および文字種規格に準拠する必要があります。詳細については、 https://msdn.microsoft.com の「共通言語仕様」を参照してください。

表示名

パブリッシュされたレポートでは、通常、パラメータは、レポートの一番上にあるパラメータ エリアのテキスト ボックスとして表示されます。表示名の文字列は、パラメータ エリアのパラメータを識別するラベルを定義します。表示名には、"年" や "年を選択してください" など、パラメータの名前やユーザーへの指示を設定できます。表示名に何も指定せず、既定のパラメータ値を指定した場合は、既定値が使用され、レポートの実行時にパラメータの入力ボックスは表示されません。表示名に何も指定せず、しかも既定のパラメータ値を指定しなかった場合は、レポートを実行することはできません。ユーザーにパラメータ値の指定を要求しない場合は、パラメータを "非表示" または "内部" としてマークします。

非表示パラメータと内部パラメータ

パブリッシュされたレポートのパラメータの表示を制御するオプションを設定できます。[非表示] と [内部] の 2 つのオプションを設定することにより、異なるレベルでパラメータの表示を制御できます。パブリッシュされたレポートのパラメータ エリアでパラメータを非表示にした場合でも、レポートの URL やサブスクリプション定義ではそのパラメータの値を設定できます。パラメータを内部のみに設定した場合は、レポート定義以外ではパラメータが一切公開されなくなります。

1 つの値を指定するパラメータと複数の値を指定できるパラメータ

[レポート パラメータ] ダイアログ ボックスで [複数値] チェック ボックスをオンにすると、複数の値を指定できるパラメータを定義することができます。このチェック ボックスがオフになっている場合は、1 つの値を指定するパラメータになります。[複数値] チェック ボックスをオンにすると、パブリッシュされたレポートのパラメータ ドロップダウン リストの値にチェック ボックスが追加されます。これにより、ユーザーがチェック ボックスをオンにして必要な値を選択できるようになります。たとえば、Sales Reason Comparisons サンプル レポートでは、複数の製品を選択して、それらの製品の売上データを組み合わせて表示することができます。

使用できる値を指定する際には、文字列の静的な一覧を指定することも、クエリを使用して、使用できる値をデータ ソースから取得することもできます。複数の値を指定できるパラメータには、少なくとも 1 つの値が含まれている必要があります。NULL 値は許容されません。値が複数ある場合にのみ、[すべて選択] オプションが自動的に生成されて表示されます。

メモ :
SQL Server 2005 で Analysis Services データ ソースを使用している場合は、[(すべて選択)] オプションを選択しないでください。[(すべて選択)] オプションを選択すると、MDX クエリの処理でパフォーマンスが低下する可能性があります。すべての値を選択する場合は、代わりに All メンバ一覧を選択してください。

空白値を許可

利用可能な値の一覧を作成する場合に <Blank> を有効値として許可するには、これを有効値の一覧に含める必要があります。

NULL を許容

[NULL を許容] は、単一値パラメータについて利用できるオプションです。複数値パラメータについて、この値を選択することはできません。[NULL を許容] を選択すると、パラメータに NULL 値を含めることができます。既定では、多くのクエリ言語で NULL 値が結果セットに返されることはありません。

使用できる値

レポート パラメータを定義する際には、レポートで使用できる値を定義する必要があります。これらの値は、使用できる値または有効な値と呼ばれます。使用できる値の一覧には、値とラベルを組み合わせたセットが格納されます。レポートが実行されると、ユーザーに対してラベルが表示されます。ユーザーが任意のラベルを選択すると、このラベルに対応する値がパラメータ値として使用されます。使用できる値は、静的一覧または式としてあらかじめ定義しておくことも、データセットから取得することもできます。

• 非クエリ型の一覧は、値とラベルの組の静的一覧です。この場合、一覧全体が、レポート パラメータの定義内に組み込まれます。各値とラベルは、静的な値を設定することも、式から生成することもできます。
• クエリ型の一覧では、レポートの実行時にレポート サーバーによってデータセットから値とラベルのセットが取得されます。クエリ型の使用できる値一覧を指定する場合は、データセット、値に使用するフィールド、およびラベルに使用するフィールドを選択します。

クエリ型の使用できる値一覧を指定する際には、レポート内のデータ領域からも使用される複雑なデータセットを使用するのではなく、パラメータ用の単純なデータセットを作成することをお勧めします。有効な値一覧とレポート内のデータ領域の両方に同じデータセットを使用した場合、有効な値一覧に予期しない結果が生成される可能性があります。

既定値

パラメータの既定値を定義することができます。レポートのすべてのパラメータに既定値がある場合は、ユーザーがレポートを開いたり、レポート デザイナでプレビューしたりすると、レポートが直ちに処理されます。少なくとも 1 つのパラメータで既定値が使用されていない場合は、ユーザーがすべてのパラメータ値を入力してレポートを実行しないと、レポートはデータを表示しません。

非クエリ型の値もクエリ型の値も既定値として使用できます。非クエリ型の既定値には、静的な値か式を使用します。クエリ型の既定値には、データセット内のフィールドを指す式を使用します。クエリが複数の行を返す場合は、返されたデータセットの最初の行の値が使用されます。

既定値を指定しないようにすることもできます。この場合は、表示名を指定する必要があります。

メモ :
複数の値を指定できるパラメータを使用している場合は、クエリが複数の行を返すと、すべての行が既定値として使用されます。

参照

その他の技術情報

チュートリアル : 基本的な表形式レポートへのパラメータの追加
チュートリアル : パラメータを使用した高度な機能
Reporting Services でのパラメータを使用した作業
[レポート パラメータ] (レポート デザイナ)

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手