レッスン 4 : ドリル ダウンの初期状態を制御するブール型パラメータの追加
新規 : 2006 年 7 月 17 日
ドリル ダウン レポートは、折りたたんだ状態で要約データだけを表示したり、展開して詳細データまで表示したりできます。ドリル ダウン レポートで、表示プロパティ (Hidden および ToggleItem) が設定されている要約グループ、行、列には表示切り替えイメージ (+) が表示されます。このイメージを表示するには、グループ、行、ヘッダーに表示プロパティを設定します。レッスン 1 で作成した Resellers Worldwide レポートのテーブル グループ ヘッダーには、ドリル ダウン アクションが組み込まれています。レポートを開くと、既定では詳細データは折りたたまれた非表示の状態になり、テーブル グループ ヘッダーの要約部分だけが表示されます。詳細データの行を表示するには、表示切り替えイメージをクリックして展開します。
このレッスンでは、ShowSalesDetails というブール型のレポート パラメータを定義して、レポートを開いたときのドリル ダウンの初期状態を読み手が設定できるようにします。ここでは、このパラメータを使って、テーブルの Order Date 列と Sales Order Number 列の詳細行に Visibility プロパティの Hidden 要素を設定します。レポートの読み手が ShowSalesDetails を true に設定してレポートを開くと、すべての詳細データが展開された状態でレポートが表示されます。
ResellersWorldwide レポートを開くには
SQL Server Business Intelligence Development Studio で、Advanced Parameters Tutorial レポート サーバー プロジェクトをまだ開いてなければ開きます。
ソリューション エクスプローラで、Resellers Worldwide レポートをダブルクリックします。レポートが [レイアウト] ビューに表示されます。
ブール型パラメータを追加するには
[レポート] メニューの [レポート パラメータ] をクリックします。[レポート パラメータ] ダイアログ ボックスが表示されます。
[追加] をクリックします。レポート パラメータが既定値で生成されます。
[プロパティ] セクションの [名前] ボックスに、「ShowSalesDetails」と入力します。
[データ型] の一覧で、[Boolean] を選択します。
[ダイアログを表示する] ボックスに、「Show Sales Details?」と入力します。
チェック ボックスがすべてオフになっていることを確認します。
[使用できる値] で、[クエリなし] を選択します。値は空白のままにしておきます。
[既定値] で [クエリなし] を選択し、テキスト ボックスに「
=False
」と入力します。[OK] をクリックします。
(省略可) [プレビュー] タブをクリックします。レポート ツール バー上にパラメータが表示され、ラジオ ボタンで True または False を選択できることを確認します。
ブール型パラメータを使ってテーブル詳細行の表示を設定するには
[レイアウト] タブをクリックして [レイアウト] ビューに切り替えます。
テーブル内をクリックしてテーブル ハンドルを表示します。
一番下の詳細行ハンドルを右クリックします。
ショートカット メニューの [グループの編集] をクリックします。[グループ化と並べ替えのプロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
グループ名が "table1_Details_Group" となっていることを確認します。
[表示] タブをクリックします。
[表示の初期設定] で [式] をクリックし、ボックスに次の式を貼り付けます。
=Not(Parameters!ShowSalesDetails.Value)
ShowSalesDetails を true (すべてのデータを表示) に設定する場合は、Hidden プロパティを False (データを隠さない) に設定する必要があります。
[別のレポート アイテムでの表示の切り替えを可能にする] がオンになっていることと、[レポート アイテム] の一覧に [Store] が表示されていることを確認します。
[OK] をクリックします。
[プレビュー] をクリックします。パラメータが想定どおりに動作するかどうかを確認するには、地域 [North America] を選択し、ShowSalesDetails パラメータの値を変更して、[レポートの表示] をクリックします。
次は、展開または折りたたみの設定に合わせて、表示切り替えイメージ (+/-) の初期状態を設定する必要があります。
展開または折りたたみの設定に合わせて表示切り替えイメージの初期状態を設定するには
[レイアウト] タブをクリックして [レイアウト] ビューに切り替えます。
テーブル内をクリックしてテーブル ハンドルを表示します。
[Store] グループ ヘッダー ボックス内をクリックします。[Store] ボックスの値は
=Fields!Store.Value
で始まっています。[プロパティ] ウィンドウをスクロールして、InitialToggleState プロパティを表示します。この既定値は [折りたたみ済み] ですが、InitialToggleState はブール型のプロパティなので、True または False に評価される式を設定する必要があります。
テキスト ボックス内をクリックし、一覧から [<式>] を選択して、"折りたたみ済み" というテキスト部分を次の式で置き換えます。
=Parameters!ShowSalesDetails.Value
表示切り替えイメージ (+/-) は、クリックしたときの結果を示しています。つまり、プラス記号 (+) が表示されている場合は、クリックすると折りたたまれている情報が展開され、マイナス記号 (-) が表示されている場合は、クリックすると展開されている情報が折りたたまれます。したがって、折りたたまれた状態 (False) はプラス記号 (+)、展開された状態 (True) はマイナス記号 (-) となります。展開された状態では Sales Order のすべての詳細が表示されるので、ShowSalesDetails の実際のパラメータ値を InitialToggleState の値として使用できます。
[プレビュー] をクリックします。パラメータが想定どおりに動作するかどうかを確認するには、ShowSalesDetails パラメータの値を変更して、[レポートの表示] をクリックします。
ShowSalesDetails パラメータを使って、複数のレポート アイテムの表示を制御することができます。次は、[Order Date] 列と [Sales Order Number] 列の表示を同じ ShowSalesDetails パラメータの値に設定します。
(省略可) ブール型パラメータを使ってテーブルの列の表示を設定するには
[レイアウト] タブをクリックして [レイアウト] ビューに切り替えます。
テーブル内をクリックしてテーブル ハンドルを表示します。
[Order Date] 列ヘッダーをクリックします。
Ctrl キーを押しながら [Sales Order Number] 列ヘッダーをクリックします。これで 2 つの列が選択されます。
[プロパティ] ウィンドウをスクロールして、Visibility プロパティを表示します。
プラス記号 (+) をクリックして、Visibility プロパティを展開します。Hidden プロパティと ToggleItem プロパティが表示されます。
Hidden プロパティの一覧から [式] を選択します。[式の編集] ダイアログ ボックスが表示されます。
式ペインに "
=Not Parameters!ShowSalesDetails.Value
" という式を貼り付けます。ShowSalesDetails を true (すべてのデータを表示) に設定する場合は、Hidden プロパティを False (データを隠さない) に設定する必要があります。
[OK] をクリックします。
[プレビュー] をクリックします。レポートが開き、[Store] と [Total Due] の 2 つの列だけが表示されます。
次の手順
ここでは、テーブルの詳細行と 2 つの列の表示を制御するブール型パラメータを作成しました。次のレッスンでは、再販業者の連絡先情報を表示するサブレポートを追加します。「レッスン 5 : ユーザー定義関数に渡すレポート パラメータの追加」を参照してください。
参照
その他の技術情報
Reporting Services でのパラメータを使用した作業
レポート アイテムの非表示