SQL Native Client のプログラミング

[アーティクル]
12/15/2008

SQL Native Client とは、Microsoft SQL Server 2005 で導入された新しいデータアクセステクノロジで、OLE DB と ODBC の両方で使用される、スタンドアロンのデータアクセス API (アプリケーションプログラミングインターフェイス) です。これにより、SQL OLE DB プロバイダと SQL ODBC ドライバが統合され、1 つのネイティブ DLL (ダイナミックリンクライブラリ) が生成されます。また、MDAC (Microsoft Data Access Components) にはない新しい機能も用意されています。MARS (複数のアクティブな結果セット)、UDT (ユーザー定義データ型)、クエリ通知、スナップショット分離、XML データ型のサポートなどの SQL Server 2005 の新機能を利用する必要がある既存のアプリケーションを強化したり、新しいアプリケーションを作成するために SQL Native Client を使用できます。

メモ :
SQL Native Client と MDAC の違い、および MDAC アプリケーションを SQL Native Client に更新する前に考慮することに関する詳細については、「MDAC から SQL Native Client へのアプリケーションの更新」を参照してください。

SQL Native Client ODBC ドライバは、常に、MDAC 付属の ODBC ドライバマネージャと共に使用します。また、SQL Native Client OLE DB プロバイダは、MDAC 付属の OLE DB Core Services と共に使用できますが、必須ではありません。OLE DB Core Services を使用するかどうかは、個々のアプリケーションの要件 (たとえば、接続プールが必要である場合など) によって異なります。

ADO (ActiveX Data Object) アプリケーションで SQL Native Client OLE DB プロバイダを使用できますが、プロバイダを使用するときは DataTypeCompatibility 接続文字列キーワード (またはそれに対応する DataSource プロパティ) を指定することをお勧めします。SQL Native Client OLE DB プロバイダを使用すると、接続文字列のキーワード、OLE DB プロパティ、または Transact-SQL から SQL Native Client を経由することにより、上記の SQL Server 2005 の新機能を ADO アプリケーションで利用できます。ADO で新機能を使用する方法の詳細については、「SQL Native Client と ADO の併用」を参照してください。

SQL Native Client は、OLE DB または ODBC のいずれかを使用して簡単に SQL Server へのネイティブデータアクセスができるように作成されています。OLE DB と ODBC という 2 つのテクノロジを 1 つのライブラリに統合して簡素化しただけでなく、Microsoft Windows プラットフォームの一部になっている既存の MDAC コンポーネントを変更することなく新しいデータアクセス機能を導入および展開できます。

SQL Native Client では MDAC のコンポーネントを使用しますが、明確に特定バージョンの MDAC に依存しているわけではありません。SQL Native Client は、SQL Native Client でサポートされるオペレーティングシステムにインストールされているバージョンの MDAC と共に使用できます。