データベース リソースの計画
インスタンス データベースとアプリケーション データベースを最初に作成するときは、インスタンスの構成およびアプリケーション定義で、データベースで使用する適切なファイル サイズを定義する必要があります。十分な初期ファイル サイズと適切なディスク領域を指定すれば、データベースの領域が不足する可能性が減り、データベースのサイズ変更に伴う一時的なパフォーマンスの低下を避けることができます。
データベースにとって適切なファイル サイズは、インスタンスとアプリケーションがサポートするサブスクライバ、サブスクリプション、イベント、および通知の推定数によって異なります。以下のガイドラインを使用してデータベースのサイズを計画します。
アプリケーション データベースのサイズ
各アプリケーション データベースには、サブスクリプション、イベント、通知、アプリケーション状態情報が格納されます。また、記録形式の履歴データ、およびアプリケーションについてのメタデータが格納されることもあります。
イベントと通知データは、アプリケーション定義で定義されるスケジュールに従って削除されます。このノードではデータの保有期間を指定することもできます。保有期間と無効データ削除スケジュールの組み合わせから、アプリケーション データベースに収集されるイベント データと通知データの量を算出します。
無効データ削除処理によるデータの削除の前にデータベースに累積されるイベント データと通知データの量を特定すれば、Microsoft SQL Server データベース サイズ変更メソッドを使用してアプリケーション データベースのサイズを算出することができます。
アプリケーションのデータベースのサイズについて計画するには、以下の情報を収集します。
- 無効データ削除処理でイベントを削除する前のピーク期間に収集されるイベントの推定数と、ADF のイベント クラス フィールドに基づく各イベント行のサイズ。
- アプリケーションで予期されるサブスクリプションの推定総数と、ADF のサブスクリプション クラス フィールドに基づく各サブスクリプション行のサイズ。
- 無効データ削除処理で削除する前に生成される通知の推定数。ディストリビュータのログ記録を使用する場合は、通知の数を 2 倍にします。ADF の通知クラス フィールドを使用して、各通知行のサイズを決定します。
- メタデータの量。アプリケーション データベースは、一般的に 5 MB から 10 MB のメタデータを保持します。
- 記録テーブルとインデックス。これらのオブジェクトはデータベースのサイズに加算されます。
インデックスとアプリケーション設定を考慮する必要があるため、アプリケーション データベースの推定サイズの決定は困難になります。データベース サイズの算出の詳細については、「データベース サイズの見積もり」を参照してください。
インスタンス データベースのサイズ
インスタンス データベースのデータは、アプリケーション データベースのデータに比べ、非常に安定しています。サブスクライバ数とサブスクライバ デバイス数を算出できれば、インスタンス データベースのサイズを算出することができます。インスタンス データベースのサイズを算出するには、以下の情報を収集します。
- インスタンスがホストするすべてのアプリケーションで予期されるサブスクライバの推定総数。
- 各サブスクライバ行のサイズ。
- 予期されるサブスクライバ デバイスの総数。
- メタデータ。インスタンスのメタデータの量は 2 MB で算出します。
次の式を使用して、インスタンス データベースのサイズを算出することができます。
インスタンス データベースのサイズ = 2 * ((サブスクライバの数 * サブスクライバ行のバイト数) + (サブスクライバ デバイスの数 * 200 バイト) + 2 MB メタデータ)
ログ ファイルのサイズ
一般的に、アプリケーション データベースは、多くのトランザクションを持つ、非常に頻繁に使用されるデータベースです。頻繁に使用されることが原因で、トランザクション ログは急速に大きくなります。そのため、ログ ファイルの初期サイズはアプリケーション データベースの初期サイズの 25 パーセントにする必要があります。インスタンス データベースのログ ファイルも同様に算出することができます。ログ ファイルのバックアップ中やチェックポイント中にログが切り捨てられる場合、ログは合理的なサイズを維持します。詳細については、「トランザクション ログの切り捨て」を参照してください。
参照
概念
データベースに関する注意点
アプリケーション データベースの定義
インスタンス データベースの定義
Notification Services システムの計画