開発に関する機能強化 (SSAS)
Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) では、開発に関する以下の機能強化と新機能が導入されています。
Microsoft .NET Framework のサポート
Analysis Services は、Microsoft .NET Framework と完全に統合されています。これには、XML および SOAP の完全なサポート、ストアド プロシージャでの C# や Microsoft Visual Basic などの言語のサポート、サーバー管理とクライアント アクセスに関する管理サポートが含まれます。Analysis Services が .NET Framework と統合されたことにより、セキュリティで保護されたプラットフォームのオープン スタンダードを使用してビジネス インテリジェンス アプリケーションをサポートでき、ビジネス要件に合わせて柔軟性が向上します。
ストアド プロシージャ
Analysis Services では、ストアド プロシージャの拡張性とプログラミングの機能が向上しています。C#、C++、または Visual Basic などのプログラミング言語で作成された外部ルーチンを使用して、Analysis Services の機能を拡張できます。ストアド プロシージャでは、言語間の統合や例外処理、バージョン管理、および配置サポートなどを活用できます。Analysis Services では、ストアド プロシージャを使用して、キューブまたはデータベースにプログラミング モジュールを追加したり、Analysis Services エンジンが提供する機能を拡張したりできます。ストアド プロシージャは、入力パラメータを受け入れます。また、任意の Analysis Services オブジェクトへアクセスしたり、それらを作成し、返したりできます。さらに、呼び出しプロシージャまたはバッチ実行に対して、成功または失敗を示す状態の値を返すことができます。ストアド プロシージャは、Analysis Services の以前のバージョンでのユーザー定義関数に代わるものです。
多次元式の機能強化
Analysis Services では、多次元式 (MDX) 言語の機能が強化されました。スクリプティングや、スコープとコンテキストの制御に関するサポートが追加され、サブキューブの操作に関する機能も強化されています。MDX では、固有の関数がいくつか追加され、ユーザー定義関数のシームレスな統合、データ定義言語 (DDL) ステートメントの機能拡張、新しいデータ操作言語 (DML) ステートメントが提供されています。MDX 言語の詳細については、「多次元式 (MDX) リファレンス」を参照してください。
XML for Analysis
Microsoft SQL Server 2000 Analysis Services では、XML for Analysis (XMLA) 1.0 仕様のサポートは Microsoft XML for Analysis Provider の使用によるものに限られていました。このプロバイダは、分析サーバー コンピュータとの通信時に XMLA 要求を変換する OLE DB プロバイダでした。SQL Server 2005 Analysis Services では、Analysis Services エンジンにより、XMLA 1.1 仕様が直接サポートされます。追加の OLE DB プロバイダは必要ありません。XMLA 要求は、クライアント アプリケーションによって Analysis Services エンジンに直接送信することができるので、オーバーヘッドの少ない高パフォーマンスのクライアント アプリケーションを開発できます。Analysis Services の XMLA サポートの詳細については、「XML for Analysis (XMLA)」を参照してください。
Analysis Services スクリプト言語
Analysis Services には、Analysis Services スクリプト言語 (ASSL) が用意されています。これは XML ベースの構文で、XMLA と共に使用して、Analysis Services や SQL Server Management Studio の管理、Analysis Services インスタンスの管理、および Analysis Services オブジェクトの作成、削除、および変更を行います。このとき、オブジェクト モデルや OLE DB プロバイダは必要ありません。ASSL の詳細については、「Analysis Services スクリプト言語 (ASSL)」を参照してください。
分析管理オブジェクト
分析管理オブジェクト (AMO) は、Analysis Services インスタンスを管理するためにクライアント アプリケーションで使用できる .NET Framework オブジェクト モデルを提供します。AMO は、Analysis Services の以前のバージョンで使用されていた Decision Support オブジェクト (DSO) オブジェクト モデルに代わるものです。ただし、互換性の目的で、DSO も引き続きサポートされます。AMO は Analysis Services インスタンスとの通信に XMLA および ASSL を使用します。生成されるスクリプトは、格納したり、ソース管理を行ったりするためにキャプチャすることができます。詳細については、「分析管理オブジェクト (AMO)」を参照してください。
ADOMD.NET
Analysis Services では、.NET Framework クラスのセットである ADOMD.NET が導入されています。これは、Analysis Services のオブジェクトやデータにアクセスしたり操作したりするために、ストアド プロシージャで使用することも、クライアント アプリケーションで使用することもできます。ADOMD.NET 機能は SQL Server 2000 Analysis Services でも ADOMD.NET SDK の一部として使用可能でしたが、このバージョンでは、ADOMD.NET が Analysis Services に完全に統合されています。詳細については、「ADOMD.NET」を参照してください。
参照
その他の技術情報
Analysis Services の機能強化 (SSAS)