新しいマイニング構造の作成
Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) でデータ マイニング モデルを作成する場合は、まず Business Intelligence Development Studio のデータ マイニング ウィザードを使用してマイニング構造を作成します。マイニング構造では、マイニング モデルの作成元となるデータ ドメインが定義されます。
マイニング構造は、リレーショナル データ ソースまたはオンライン分析処理 (OLAP) データ ソースに基づいて作成できます。リレーショナル マイニング構造では、リレーショナル データベース システムに保存されているデータが記述されます。OLAP マイニング構造は、そのマイニング構造と同じデータベースに存在する OLAP キューブを使用して作成します。
詳細情報 : 「データベースの設計と作成」、「オンライン分析処理 (OLAP) の操作」
データ マイニング ウィザードでは、自動的にマイニング構造が定義され、初期マイニング モデルがその構造に追加されます。マイニング構造には複数のマイニング モデルを含めることができるため、データ マイニング デザイナを使用して、その構造にマイニング モデルをさらに追加できます。
次のセクションでは、データ マイニング ウィザードを使用して新しいマイニング構造を作成する方法について説明します。
- リレーショナル マイニング構造の作成
- OLAP マイニング構造の作成
リレーショナル マイニング構造の作成
リレーショナル マイニング構造は、OLE DB データ ソースで使用可能なすべてのデータに基づいて作成できます。ソース データが複数のテーブルに格納されている場合は、入れ子になったテーブルを使用して、ソース データを単一のケース テーブルとしてウィザードに読み込むことができます。
詳細情報 : 「入れ子になったテーブル」
データ マイニング ウィザードでは、次の手順に従って新しいマイニング モデルの構造を作成します。
- データ ソースの種類 (この場合はリレーショナル データベース) を選択します。
- アルゴリズムを選択します。
- データ ソースを選択します。
- ケース テーブル (必要に応じて、入れ子になったテーブル) を選択します。
- 各列の種類 (予測可能列、入力列、またはキー列) を選択します。
- 列のコンテンツの種類を指定します。
- 新しいマイニング構造と関連するマイニング モデルに名前を付けて保存します。
ウィザードの最終ページでは、ドリルスルーを有効にするオプションがあります。このオプションを有効にすると、マイニング モデルを処理した後、モデルを作成するためにアルゴリズムで使用されるデータを調べることができます。
詳細情報 : 「データ マイニング アルゴリズム」、「データベースの設計と作成」、「マイニング モデル列」、「マイニング構造列」、「データ型 (データ マイニング)」、「コンテンツの種類 (データ マイニング)」
OLAP マイニング構造の作成
OLAP キューブには多数のメンバおよびディメンションが含まれていることが多く、キューブ内のパターンを手動で識別することが困難な場合があります。しかし、データ マイニング技法を使用してこのような多数のパターンを発見し、パターンから得られた知識を重要な業務上の意思決定に応用できます。
次の表は、一般的な OLAP データ マイニング タスクの一覧で、各タスクを適用できるサンプル シナリオの説明、各タスクに使用するデータ マイニング アルゴリズムを示しています。
| タスク | サンプル シナリオ | アルゴリズム |
|---|---|---|
クラスタへのメンバのグループ化 |
顧客メンバのプロパティ、顧客が購入する製品、顧客が費やす金額に基づいて顧客ディメンションを分割します。 |
Microsoft クラスタリング アルゴリズム |
興味深いメンバまたは異常なメンバの検索 |
売上、利益、店舗の場所、店舗の規模に基づいて、Store ディメンション内の興味深い店舗または異常な店舗を識別します。 |
Microsoft デシジョン ツリー アルゴリズム |
興味深いセルまたは異常なセルの検索 |
一般的な傾向に反している店舗売上を識別します。 |
Microsoft タイム シリーズ アルゴリズム |
データ マイニング ウィザードを使用して、OLAP マイニング モデルの初期構造を定義します。このウィザードでは、次の手順に従って新しいマイニング モデルの構造を作成します。
- データ ソースの種類 (この場合はキューブ) を選択します。
- アルゴリズムを選択します。
- ソース キューブのディメンションを選択します。
- ケース キーを選択します。
- ケース列を選択します。
- 入れ子になったテーブルを選択します。
- 各列 (予測可能列、入力列、またはキー列) の使用法を選択します。
- 列のコンテンツの種類を指定します。
- ソース キューブをスライスします。
- 新しいマイニング構造と関連するマイニング モデルに名前を付けて保存します。
ウィザードの最後のページでは、次のオプションを設定できます。
- [ドリルスルーを許可する]
- [マイニング モデル ディメンションを作成する]
- [マイニング モデル ディメンションを使用してキューブを作成する]
ドリルスルーを有効にすると、マイニング モデルを処理した後、モデルを作成するためにアルゴリズムで使用されるデータを調査することができます。
ソース キューブ内に新しいデータ マイニング ディメンションを作成する場合は、データ マイニング アルゴリズムによって OLAP データ ソース内で検索される情報を含めることができます。新しいキューブを作成するオプションを選択した場合、新しいキューブはそのデータ マイニング ディメンションを含んでいるデータベース上に定義されます。
詳細情報 : 「データ マイニング アルゴリズム」、「マイニング モデル列」、「マイニング構造列」、「データ型 (データ マイニング)」、「コンテンツの種類 (データ マイニング)」
参照
概念
マイニング構造 (Analysis Services)
データ マイニング デザイナ
データ マイニング ウィザード
データ マイニング デザイナでのマイニング モデルの管理
データ マイニング デザイナでのマイニング構造の管理
マイニング モデルの列プロパティの設定
マイニング構造の列プロパティの設定