警告の定義
イベントは、Microsoft SQL Server によって生成され、Microsoft Windows アプリケーション ログに記録されます。SQL Server エージェントは、アプリケーション ログを読み取り、そこに書き込まれているイベントを、定義済みの警告と比較します。SQL Server エージェントによって一致が検出されると、イベントに対する自動応答である警告を発します。SQL Server イベントの監視だけでなく、SQL Server エージェントはパフォーマンス状態および Windows Management Instrumentation (WMI) イベントも監視します。
警告を定義するには、次の項目を指定します。
- 警告の名前
- 警告をトリガするイベントまたはパフォーマンス状態
- SQL Server エージェントがそのイベントまたはパフォーマンス状態への応答として実行するアクション
警告の命名
すべての警告に名前を付ける必要があります。警告名は、SQL Server のインスタンス内で一意である必要があります。使用できる文字数は最大 128 文字です。
イベントの種類の選択
警告は特定の種類のイベントに応答します。警告は次のイベントの種類に応答します。
- SQL Server のイベント
- SQL Server のパフォーマンス状態
- WMI イベント
イベントの種類によって、イベントの詳細を指定するために使用するパラメータが異なります。
SQL Server イベントの指定
1 つ以上のイベントに応答して発生する警告を指定できます。次のパラメータを使用して警告をトリガするイベントを指定します。
- エラー番号
SQL Server エージェントは、特定のエラーが発生したときに警告を発します。たとえば、データベース コンソール コマンド (DBCC) の不正な起動試行に対する応答をエラー番号 2571 と指定できます。 - 重大度レベル
SQL Server エージェントは、特定の重大度のエラーが発生したときに警告を発します。たとえば、Transact-SQL ステートメントでの構文エラーに重大度 15 を指定できます。 - データベース
SQL Server エージェントは、特定のデータベースでイベントが発生した場合のみ警告を発します。このオプションは、エラー番号または重大度に加えて適用できます。たとえば、1 つのインスタンスで運用データベースとレポート用データベースを使用している場合、運用データベースで構文エラーが発生した場合のみ、警告を発するように定義できます。 - イベント テキスト
SQL Server エージェントは、指定されたイベントのイベント メッセージに特定の文字列が含まれている場合に警告を発します。たとえば、特定のテーブル名または特定の定数を含んでいるメッセージに応答する警告を定義できます。
パフォーマンス状態の選択
特定のパフォーマンス状態に応答する警告を指定できます。この場合、監視するパフォーマンス カウンタ、警告を発生するしきい値、および警告発生時にカウンタが示す動作を指定します。パフォーマンス状態を設定するには、SQL Server エージェントの [新しい警告] または [警告のプロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[全般] ページで次の項目を定義する必要があります。
- [オブジェクト]
オブジェクトは、監視されるパフォーマンスの領域です。 - [カウンタ]
カウンタは、監視される領域の属性です。 - [インスタンス]
SQL Server インスタンスでは、監視する属性に特定のインスタンスがある場合、そのインスタンスを定義します。 - [警告カウンタ] および [値]
警告およびそれを生成する動作のしきい値です。しきい値は数値です。動作は、[設定値未満]、[設定値に等しい]、[設定値を超える] のいずれかになります。[値] は、パフォーマンス状況の警告カウンタの基準となる数値です。たとえば、パフォーマンス オブジェクト SQLServer:Locks で、Lock Wait Time が 30 分を超えると警告が発生するように設定するには、[設定値を超える] を選択し、[値] を 30 に指定します。
別の例として、tempdb の空き領域が 1,000 KB を下回った場合にパフォーマンス オブジェクト SQLServer:Transactions に対して警告が発生するように指定できます。このように設定するには、カウンタ [Free space in tempdb (KB)] を選択し [設定値未満] を選択します。さらに、[値] を 1000 に設定します。メモ : パフォーマンス データは定期的にサンプリングされます。したがって、しきい値に達してからパフォーマンス警告が発せられるまでの間にわずかな遅延 (数秒) が生じる可能性があります。
WMI イベントの選択
特定の WMI イベントに応答して警告が発生するように指定できます。WMI イベントを選択するには、SQL Server エージェントの [新しい警告] または [警告のプロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[全般] ページで次の項目を定義する必要があります。
- [名前空間]
SQL Server エージェントを WMI クライアントとして、イベントをクエリするために用意された WMI 名前空間に登録します。 - [クエリ]
SQL Server エージェントは、Windows Management Instrumentation Query Language (WQL) ステートメントを使用して、特定のイベントを識別します。
一般的なタスクへのリンクは次のとおりです。