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SQL Server Express のレポート サーバーを他のエディションの SQL Server にアップグレードする方法

更新 : 2007 年 9 月 15 日

SQL Server 2005 Express Edition with Advanced Services (Express Edition with Advanced Services) は、Service Pack 1 (SP1) で導入された新しいエディションの SQL Server 2005 です。Reporting Services の機能のサブセットが備わっています。それ以外の機能を使用するには、別のエディションにアップグレードする必要があります。

ms403393.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
すべてのエディションで Reporting Services の全機能を使用できるわけではありません。特定の機能を使用するために SQL Server Express Edition with Advanced Services をアップグレードする場合は、アップグレードするエディションでその機能がサポートされていることを確認してください。詳細については、「SQL Server 2005 の各エディションがサポートする機能」を参照してください。同時にオペレーティング システムも Windows XP から Windows Vista にアップグレードする場合は、「Windows Vista 上の Reporting Services をアップグレードする方法」を参照してください。Windows Vista でレポート サーバーを有効にする方法についての詳しい手順が解説されています。

他のバージョンおよびエディションへのアップグレード

Express Edition with Advanced Services は、SQL Server 2005 Reporting Services の Standard Edition、Developer Edition、Enterprise Edition、または Workgroup Edition にアップグレードできます。

Express Edition with Advanced Services の製品リリースには最初から SP1 プログラム ファイルおよびデータベース スキーマが使用されているため、現在のインストールの方が、これからアップグレードしようとするエディションの元の製品リリース ファイルよりも新しいアプリケーション ファイルおよびデータベース スキーマを含んでいます。これが原因でアップグレードの警告やバージョンの不一致を示すエラーが表示されます。バージョンの不一致を回避するには、次の手順を実行します。

  1. セットアップ プログラムをコマンド ライン引数 SKUUPGRADE=1 で実行し、SP1 Express Edition with Advanced Services を別のエディションの SP1 適用前のリリースにアップグレードします。
  2. SP1 または SP2 を適用して、SP1 適用前のプログラム ファイルを更新版のファイルに置き換えます。

アップグレードのための準備

Express Edition with Advanced Services のアップグレード前に、レポート サーバー データベース、構成ファイル、およびデータ ファイルをバックアップする必要があります。

また、Express Edition with Advanced Services のデータベース エンジン コンポーネントをアップグレードするか、異なるエディションのデータベース エンジン インスタンスでレポート サーバー データベースをホストするかを決める必要があります。

ファイルのバックアップ

  1. レポート サーバー データベースとレポート サーバー一時データベースをバックアップします。これらのデータベースの既定の名前は reportserver$SQLExpressreportserverTempDB$SQLExpress です。詳細については、「Reporting Services インストールのバックアップおよび復元操作」を参照してください。
  2. RSReportServer.config ファイルをバックアップします。その他の構成ファイル (Web.config や RSWebApplication.config など) を変更している場合は、それらもバックアップしてください。
  3. Reporting Services 構成ツールの [暗号化キー] ページを使用して暗号化キーをバックアップします。詳細については、「暗号化キーのバックアップおよび復元」を参照してください。

データベース エンジンおよびワークステーション コンポーネントのアップグレード

アップグレードを簡単にし、セットアップ完了後の構成手順を最小限に抑えるには、Reporting Services、クライアント ツール、およびデータベース エンジンを同時にアップグレードする必要があります。

Reporting Services には、レポート サーバー データベースをホストする SQL Server データベース エンジンのインスタンスに関するエディションの要件があります。レポート サーバーをアップグレードした後では、Express Edition with Advanced Services を使用してレポート サーバー データベースをホストできなくなります。

Reporting Services のみをアップグレードすることを選択する場合は、使用するデータベース エンジンのインスタンスにレポート サーバー データベースをアタッチしてから、そのデータベースを使用するようにレポート サーバーを構成する必要があります。使用するレポート サーバーのエディションで有効であれば、ローカル、リモートを問わず、任意の SQL Server 2000 と SQL Server 2005 のデータベース エンジン インスタンスを使用できます。レポート サーバー データベースに関するエディションの要件の詳細については、「レポート サーバー データベースの作成」を参照してください。

セットアップを実行して Express Edition with Advanced Services をアップグレードする

インストールをアップグレードする場合は、SKUUPGRADE=1 引数を使用する必要があります。この引数は、SQL Server セットアップ ウィザードの起動時に指定できます。または、コマンド プロンプトからセットアップを実行し、コマンド ラインに SKUUPGRADE=1 引数を含めることができます。

インストール ウィザードを使ってアップグレードするには

  1. コマンド プロンプトを開き、インストール メディアをセットしたディレクトリまたはドライブに移動して、コマンド ラインに setup.exe SKUUPGRADE=1 を指定します (例 : d:\setup.exe SKUUPGRADE=1)

  2. [システム構成チェック] ページの [SQL Server のエディションとオペレーティング システムの互換性] には、SP2 へのアップグレードを促す警告が 1 件表示されます。[エディション変更チェック] には "成功" と表示されている必要があります。それ以外の場合は、SKUUPGRADE=1 引数を指定してセットアップを再度実行する必要があります。

  3. [登録情報] ページで、SQL Server のコピーの登録に使用する ID 情報を入力します。

  4. すべてのコンポーネントをまとめてアップグレードする場合は、[インストールするコンポーネント] ページで、[データベース サービス][Reporting Services]、および [ワークステーション コンポーネント、Books Online、および開発ツール] を選択します。

  5. [インスタンス名] ページで、[名前付きインスタンス] をクリックし、アップグレードするインスタンスとして SQLEXPRESS を選択します。

  6. 残りのページでオプションを指定し、ウィザードを完了します。

  7. セットアップ完了後に SP1 または SP2 を適用します。

  8. セットアップ中にサービスを停止した場合は、ここで開始します。

コマンド ライン インストールでアップグレードするには

  1. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、インストール メディアがあるディレクトリまたはドライブに移動します。

  2. コマンド ラインから自動実行モードでセットアップを実行するには、次の例のような構文を使用します。ここで PIDKEY は架空の値です。この PIDKEY を、インストールするエディションで有効な値に置き換えてください。コマンド プロンプトからセットアップを実行する方法の詳細については、「コマンド プロンプトから SQL Server 2005 をインストールする方法」を参照してください。

    start /wait setup.exe ADDLOCAL=SQL_Engine,RS_Server PIDKEY=ABCDE12345FGHIJ67890KLMNO INSTANCENAME=SQLEXPRESS UPGRADE=SQL_Engine,RS_Server SKUUPGRADE=1 /qb
    
  3. セットアップ完了後に SP1 または SP2 を適用します。

  4. セットアップ中にサービスを停止した場合は、ここで開始します。

アップグレードの完了後に Service Pack 1 を適用する必要があります。適用しないと、データベースの互換性に関するエラー メッセージが表示されることになります。

インストールされている SQL Server Express のアップグレードを開始すると、すべての手順が完了するまで、レポート サーバーとそのコンテンツが使用できなくなることに注意してください。

SP1 または SP2 を適用します。

Express Edition with Advanced Services は SP1 をベースとしており、レポート サーバー データベースのスキーマにも SP1 バージョンが使用されています。Express から別のエディションの SQL Server にアップグレードする場合、レポート サーバー データベースのスキーマは SP1 の形式が保持され、アップグレード中に変更されません。アップグレード後の環境で以前の環境のレポート サーバー データベースを使用する場合は、少なくとも SP1 を適用して、レポート サーバーとレポート サーバー データベースの間で互換性の問題が生じないようにする必要があります。

可能であれば、SP1 ではなく SP2 をインストールしてください。SP2 には、各種の機能強化に加え、SP1 のすべての機能が含まれています。また、Windows Vista にアップグレードする場合、SP2 は必須です。

最新のサービス パックをダウンロードするには、Microsoft Web サイトの「SQL Server 2005 の最新の Service Pack を入手する方法」を参照してください。

アップグレードの検証

アップグレードが正しく行われたことを確認するには、レポート マネージャを開きます。以前に作成したレポートをすべて表示できることを確認します。仮想ディレクトリを変更していない場合、アップグレード後のインストールでレポート マネージャにアクセスする URL は Express のインストールで使用していた URL と同じです。

名前を変更しない限り、アップグレード後のインストールでは引き続き元のインストールと同じ名前が使用されます。SQL Server Express の既定の名前を使用している場合は、アップグレード後も SQL Server インスタンスの名前は <servername>\SQLExpress のままです。データベースの既定の名前は、引き続き reportserver$sqlexpressreportservertempdb$sqlexpress です。Reporting Services の URL の既定の名前は、http://<servername>/reports$SQLExpresshttp://<servername>/reportserver$SQLExpress のままです。混乱を避けるために、SQL Server のインスタンスを登録して、インスタンス名を変更し、レポート サーバーの仮想ディレクトリの名前を変更できます。レポート サーバー データベースの名前変更はサポートされていません。詳細については、SQL Server Books Online の「サーバーの登録」および「レポート サーバー仮想ディレクトリの構成」を参照してください。

レポート サーバーの既存のコンテンツを表示できることに加えて、サブスクリプションやスケジュールで実行する操作も作成でき、インストールしたエディションで利用可能なその他の機能も使用できる必要があります。サブスクリプションの作成方法の詳細については、「レポート マネージャの操作方法に関するトピック」を参照してください。レポート サーバーのアップグレードが成功しなかったり、不完全なように思える場合は、代わりにインストールを移行できます。詳細については、「Reporting Services の移行」を参照してください。

検証ツール

コマンド ラインでクライアント コンポーネントを指定して、SQL Server Management Studio と Business Intelligence Development Studio をアップグレードできます。次の操作を行うことで、ツールのアップグレードが正しく行われたかどうかを確認できます。

  • SQL Server Management Studio で Reporting Services のインスタンスに接続します。
  • Business Intelligence Development Studio で新たな種類のプロジェクトを作成します (具体的には、Business Intelligence Development Studio で新しいプロジェクトを作成するときに、レポート モデル プロジェクト テンプレートを使用できます)。

ツールが正しくアップグレードされなかった場合は、[プログラムの追加と削除] を使用して、不要になったツールをアンインストールし、SQL Server セットアップを実行して、アップグレード先のエディションに含まれるツールをインストールできます。

接続文字列の変更

レポートにデータを提供するその他の SQL Server Express データベースを別のデータベース エンジンに移行する場合は、アップグレードの完了後に、パブリッシュされたレポートによって使用されるデータ ソース接続情報を更新してください。たとえば、データ ソースで Data Source=localhost\sqlexpress を指定していて、データベースをローカルの既定のインスタンスに移行する場合は、Data Source=localhost に更新する必要があります。

参照

概念

レポート サーバー インストールの既定の構成
Reporting Services のアップグレード

その他の技術情報

Reporting Services 構成を開始する方法
暗号化キーの管理
レポート サーバー データベース接続の構成

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手