エンタープライズ全体の管理の自動化
SQL Server の複数のインスタンスにわたって管理を自動化することをマルチサーバー管理といいます。次の場合に、マルチサーバー管理を行います。
2 台以上のサーバーを管理する場合
データ ウェアハウジングのために、企業サーバーの情報フローをスケジュールする場合
注 |
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総保有コストを削減するための Microsoft の継続的な取り組みの一環として、SQL Server 2008 に 2 つの機能が導入されました。1 つは、サーバーを管理する方法であるポリシー ベースの管理、もう 1 つは構成サーバーとサーバー グループを使用するマルチサーバー クエリです。この 2 つの機能は、ここで説明する機能の一部と組み合わせたり、それらの代わりとして使用したりすることができます。詳細については、「ポリシー ベースの管理を使用したサーバーの管理」および「中央管理サーバーを使用した複数のサーバーの管理」を参照してください。 |
マルチサーバー管理機能を活用するには、1 台以上のマスター サーバーと 1 台以上の対象サーバーが必要です。マスター サーバーは、対象サーバーに対してジョブを分散し、対象サーバーからイベントを受け取ります。マスター サーバーは、対象サーバーで実行されるジョブについて、ジョブ定義の中央コピーの保存も行います。対象サーバーは、定期的にマスター サーバーに接続して、ジョブのスケジュールを更新します。マスター サーバー上に新しいジョブがあれば、対象サーバーはそのジョブをダウンロードします。対象サーバーは、ジョブを完了した後、マスター サーバーに再接続してジョブのステータスをレポートします。
次の図は、マスター サーバーと対象サーバーの関係を示します。
大企業の複数の部門別サーバーを管理する場合は、次のアイテムを定義できます。
複数のジョブ ステップから構成される 1 つのバックアップ ジョブ
バックアップ エラーが発生した場合に通知するオペレーター
バックアップ ジョブの実行スケジュール
マスター サーバーにこのバックアップ ジョブを 1 回書き込んでから、各部門別サーバーを対象サーバーとして登録します。この登録以降は、ジョブを一度しか定義しなくても、すべての部門別サーバーで同じバックアップ ジョブが実行されます。
注 |
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マルチサーバー管理機能は、sysadmin ロールのメンバーを対象としています。ただし、対象サーバー上の sysadmin ロールのメンバーは、マスター サーバーから、対象サーバーで実行される操作を変更することはできません。このセキュリティ措置によって、ジョブ ステップが誤って削除されたり、対象サーバー上の操作が中断したりすることを防止できます。 |
このセクションの内容
マルチサーバー環境の作成
マスター サーバーおよび対象サーバーを作成および管理する方法について説明します。マルチサーバー環境に適した SQL Server エージェント サービス アカウントの選択
SQL Server エージェント サービスに管理者以外の Windows アカウントまたはローカル システム アカウントを使用することによる、マルチサーバー環境への影響について説明します。対象サーバーでの暗号化オプションの設定
対象サーバーの MsxEncryptChannelOptions SQL Server エージェントのレジストリ サブキーの設定について説明します。エンタープライズ全体におけるジョブの管理
ジョブ ステータスの確認、ジョブの対象サーバーの変更、対象サーバーのクロックの同期、およびマスター サーバーの現在のジョブ ステータスに対するポーリングについて説明します。プロキシを使用するマルチサーバー ジョブのトラブルシューティング
プロキシを使用しているマルチサーバー ジョブに障害が発生した場合のトラブルシューティングについて説明します。サーバーのポーリング
対象サーバーをマスター サーバーに明示的および暗黙的にポーリングして、ジョブ情報の同期をとる方法について説明します。イベントの管理
対象サーバーからマスター サーバーに転送されるイベントについて説明します。企業全体の自動管理のチューニング
マルチサーバー環境で自動化された管理により SQL Server の自己チューニング機能を活用する方法について説明します。
関連項目