次の方法で共有


データ コレクタのエラー処理

データ コレクタは連続実行するようにデザインされているので、実行エラーが発生する可能性があります。データ コレクタは、2 つのカテゴリに大別されるエラーに、適切に応答する必要があります。これらのカテゴリを次に示します。

  • 一般的で予測可能なエラー。コレクションのワークフロー、プロセス、およびコンポーネントの動作に基づいて、多くのエラーが予測できます。このカテゴリのエラーからの自動復旧は使用できない場合があります。ただし、単純で影響の少ない方法で、このようなエラーを処理してデータ コレクションを再実行できます。

  • 予期しないエラー。これらのエラーが発生した場合、エラーからの自動復旧は行われません。データ コレクタは、エラー状態のトラブルシューティングと解決に使用できる詳細なエラー情報をログに記録します。また、エラーの原因となったパッケージやタスクは、エラーが繰り返し発生しないように無効になります。エラーが繰り返されると、システム リソースが無駄に消費され、データ コレクションが正しく機能することも、正常に完了することもできなくなります。

どのような場合でも、エラーは、ログ メカニズムによってログに記録されます。このログ メカニズムについては、「データ コレクタのログ記録」を参照してください。

一般的なエラー

次の表に、一般的なエラー、考えられる原因、データ コレクタによるエラーの処理方法を示します。

エラー

説明、原因、および処理

データ プロバイダに接続できません。

データ コレクタが、サーバーまたは特定のデータ プロバイダ (Transact-SQL など) に接続できません。原因として、システム構成やセキュリティに関する問題が考えられます。

処理 : エラーがログに記録され、コレクション セットは停止されて無効のフラグが付けられます。無効の状態は、実行ログに記録されます。このエラーからの自動復旧はありません。

実行中に、データ プロバイダへの接続が切断されます。

監視対象のサーバーが予期せずシャットダウンしているか、ネットワーク接続の障害など接続の問題があります。

注意注意
計画されたシャットダウンは、このカテゴリには含まれません。計画されたシャットダウンの場合、SQL Server インスタンスおよび SQL Server エージェント インスタンスが停止されると、コレクション セットが無効になります。

実行中のパッケージは失敗し、エラーがログに記録されます。データ コレクタは、短い間隔の後、パッケージを再開しようとします。その試行が失敗した場合、コレクション セットは停止されて無効のフラグが付けられます。無効の状態は、実行ログに記録されます。この時点からの復旧には、手動による介入が必要です。

管理データ ウェアハウスに接続できません。

データ ウェアハウスが、データ コレクタとは別のコンピュータにインストールされています。原因として、ネットワーク接続の問題やホスト サーバーを使用できないことが考えられます。このエラーは、アップロード パッケージにのみ影響します。

処理 : サーバーのシャットダウンについての事前通知がないため、このエラーは予測できず、自動的には処理できません。エラーがログに記録され、短い間隔の後、アップロードが再開されます。アップロードの試行が 4 回失敗すると、コレクション セットは無効になり、その状態が実行ログに書き込まれます。

注意注意
コレクション セットの実行中に収集されたデータは、すべて保持および蓄積されます。アップロード パッケージがデータ ウェアハウスに接続できる場合、蓄積されたデータがアップロードされます。

アップロード中に、管理データ ウェアハウスへの接続が切断されます。

データ ウェアハウスが、データ コレクタとは別のコンピュータにインストールされています。原因として、ネットワーク接続の問題やホスト サーバーを使用できないことが考えられます。このエラーは、アップロード パッケージにのみ影響します。

処理 : サーバーのシャットダウンについての事前通知がないため、このエラーは予測できず、自動的には処理できません。エラーがログに記録され、短い間隔の後、アップロードが再開されます。アップロードの試行が 4 回失敗すると、コレクション セットは無効になり、その状態が実行ログに書き込まれます。

注意注意
コレクション セットの実行中に収集されたデータは、すべて保持および蓄積されます。アップロード パッケージがデータ ウェアハウスに接続できる場合、蓄積されたデータがアップロードされます。
注意注意
エラーが発生する前のトランザクションには、部分的なアップロードを防ぐため失敗のフラグが付けられます。接続が再確立されると、このデータのバッチは再度アップロードされます。

データ プロバイダからエラーが受信されます。

これは、無効なパラメータや無効な要求がデータ コレクタによって送信された場合など、さまざまなエラーが考えられます。多くの場合は開発時に発生し、カスタム コレクション セットやコレクタ型を作成している開発者に影響する可能性が高いです。このエラーが発生すると、コレクション セットは停止され、エラーがログに記録されます。このエラーは調査する必要があります。エラーを解決してから、コレクション セットを手動で再開してください。

制御フローでエラーが発生しています。

パッケージの制御フローで定義されているロジックが失敗しました。

処理 : このエラーが予測可能で、特定のパッケージに固有のものである場合は、OnError 制御フロー パスを使用して処理してください。多くの場合、パッケージは、このエラーから自動復旧されて自動的に再開されます。

データ フローでエラーが発生しています。

このエラーは、データ フロー パイプラインによって発生し、通常、次のカテゴリのいずれかに分類されます。

  • データ変換エラー。変換により、有効桁の損失、有効桁以外の桁の損失、および文字列の切り捨てなどの結果が返された場合に発生します。要求された変換がサポートされていない場合にも、データ変換エラーは発生します。

  • 式の評価エラー。実行時に評価される式が無効な演算を実行したり、データ値の不足または無効のため構文的に間違った状態になる場合に発生します。

  • 参照エラー。参照操作が、参照テーブル内で一致を見つけられなかった場合に発生します。

処理 : 各データ コンポーネントを、データ フロー エラーが重大な場合にのみ失敗するように構成します。既定では、失敗した行数がカウントされた後、エラー行が別の出力としてリダイレクトされます。データ フローの完了後、この情報はログに記録され、データ フロー レポートが生成されます。