SharePoint 統合モードの既定の構成 (Reporting Services)

SharePoint 統合モードの既定の構成は、Reporting Services のインストール形態の 1 つです。このインストールでは、セットアップでレポート サーバー インスタンスのインストールと構成の両方が行われ、さらにコンテンツの格納および SharePoint サイトからのアドレス指定をサポートする形式でレポート サーバー データベースが作成されます。 

SharePoint 統合モードの既定の構成オプションを選択すると、セットアップで Reporting Services の諸機能がインストールされます。これには、レポート サーバー サービス、レポート ビルダー、レポート デザイナー プレビュー、Reporting Services 構成ツール、および Reporting Services コマンド ライン ユーティリティ (rsconfig.exe、rskeymgmt.exe、rs.exe) が含まれます。このオプションは、SQL Server の Management Studio や Business Intelligence Development Studio などの共有機能には適用されません。これらの機能をインストールする場合は、別のアイテムとして指定する必要があります。

セットアップで既定の構成オプションを選択すると、レポート サーバーがネイティブ モードまたは SharePoint 統合モードのいずれかで構成されます。SharePoint 統合モードのレポート サーバーの場合は、セットアップで以下が構成されます。

  • レポート サーバー サービスのサービス アカウント

  • レポート サーバー Web サービスの URL

  • レポート マネージャーの URL

  • レポート サーバー データベース

  • レポート サーバー データベースへのサービス アカウント アクセス

  • レポート サーバー データベースへの DSN 接続

セットアップでは、自動実行用アカウント、レポート サーバーの電子メール、暗号化キーのバックアップ、およびスケールアウト配置が構成されません。Reporting Services 構成ツールを使用して、これらのプロパティを構成できます。詳細については、「Reporting Services 構成ツール」を参照してください。 

セットアップが完了しても、SharePoint ファームにまだ完全に統合されていないために、レポート サーバーが正しく動作しない場合があります。引き続き Reporting Services アドインをインストールし、統合の設定を構成する必要があります。また、複数のサーバーにまたがる SharePoint ファームにレポート サーバーを統合する場合は、あらかじめ必要なソフトウェアを追加でインストールする必要があります。 詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。

SharePoint 統合モードの既定の構成をインストールする場合

このインストール オプションにより、レポート サーバーの中核となる設定が構成されます。この設定によって、レポート サーバーを Windows SharePoint Services または MicrosoftOffice SharePoint Server と統合できるようになります。 このモードは次の場合に指定します。

  • 他のモードであれば Reporting Services 構成ツールで実行すべき必須の構成タスクを省いて手順を省略する場合。Reporting Services の URL、データベース名、および仮想ディレクトリの既定値が設定されている必要があります。これらの値は一意である必要があります。コンピューター上の別のインストールでこれらの値が既に使用されている場合は、セットアップでそれらの値を使用して既定のインストールを構成できません。

  • Reporting Services アドインをすぐにインストールし、SharePoint サイトでレポート サーバーの統合設定を構成する予定である場合。レポート サーバーから SharePoint ファームにレポート処理機能が提供される場合は、SharePoint Web フロントエンドをレポート サーバー コンピューターにインストールしてファームに結合できるようにする必要があります。詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。

要件

このインストール オプションには、次の要件があります。

  • Reporting Services と SQL Serverデータベース エンジンは、同じインスタンスに一緒にインストールする必要があります。データベース エンジン インスタンスは、セットアップで作成されて構成されるレポート サーバー データベースをホストします。

  • セットアップの実行に使用するユーザー アカウントは、ローカル コンピューターの Administrators グループのメンバーである必要があります。また、レポート サーバー データベースをホストするデータベース エンジン インスタンスを使用するデータベースにアクセスする権限と、そのデータベースを作成する権限が必要です。

  • セットアップでは、既定値を使用して、レポート サーバーとレポート マネージャーにアクセスするための URL を予約できる必要があります。ここでの既定値とは、ポート 80、強いワイルドカード、および ReportServer_<instance_name>Reports_<instance_name> の形式の仮想ディレクトリ名です。

  • セットアップでは、既定値を使用してレポート サーバー データベースを作成できる必要があります。既定のインスタンスでは、ここでの既定値とは ReportServer と ReportServerTempDB です。以前のインストールのデータベースが既に存在する場合は、セットアップでレポート サーバーを構成できないため、セットアップはブロックされます。セットアップのブロックを解除するには、データベースの名前を変更するか、データベースを移動または削除する必要があります。

セットアップでは、ローカル コンピューターの SharePoint 製品またはテクノロジのインストールのチェック、Reporting Services アドインのインストール、および SharePoint のサーバー管理での統合設定の構成が行われません。これらのアプリケーションは、別途インストールして構成する必要があります。詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。

コンピューターでこれらの既定インストールの要件を満たしていない場合は、Reporting Services をファイルのみのモードでインストールし、セットアップの完了後に手動で構成する必要があります。Reporting Services は、Reporting Services 構成ツールを使用して構成できます。

既定のインストールを続行できるようにするためだけにコンピューターを再構成しないでください。再構成の作業には数時間かかる可能性があり、時間を節約できるというこのインストール オプションの利点が実質的に失われます。このような場合は、ファイルのみのモードで Reporting Services をインストールし、特定の値を使用するようにレポート サーバーを構成することをお勧めします。

既定の URL 予約

URL 予約は、プレフィックス、ホスト名、ポート、および仮想ディレクトリで構成されます。

要素

説明

プレフィックス

既定のプレフィックスは HTTP です。以前に SSL (Secure Sockets Layer) 証明書をインストールした場合は、HTTPS プレフィックスを使用する URL 予約がセットアップで作成されます。

ホスト名

既定のホスト名は、強いワイルドカード (+) です。これにより、コンピューターに対して解決されるあらゆるホスト名 (http://<computername>/reportserver、https://localhost/reportserver、または http://<IPAddress>/reportserver) の指定のポートで、レポート サーバーが HTTP 要求を受け付けるように指定されます。

ポート

既定のポートは 80 です。Reporting Services を 32 ビットの Windows XP SP2 にインストールする場合は、既定のポートが 8080 になります。80 以外のポートを使用する場合は、Reporting Services Web アプリケーションをブラウザー ウィンドウで開くときに、そのポートを URL に明示的に追加する必要があるので注意してください。

仮想ディレクトリ

既定では、仮想ディレクトリは、レポート サーバー Web サービスの場合は ReportServer_<instance_name> の形式で、レポート マネージャーの場合は Reports_<instance_name> の形式で作成されます。レポート サーバー Web サービスの既定の仮想ディレクトリは、reportserver です。レポート マネージャーの既定の仮想ディレクトリは、reports です。

完全な URL 文字列の例を次に示します。

URL の例

説明

http://+:80/reportserver

レポート サーバーへのアクセスを提供します。

http://+:80/reports

レポート マネージャーへのアクセスを提供します。

注意注意
SharePoint 統合モードでは、レポート マネージャーがこのモードではサポートされていないために、この URL により rsOperationNotSupportedSharePointMode エラー メッセージが表示されます。このモードでは、コンテンツ管理とレポートへのアクセスは、レポート マネージャーの代わりに SharePoint を通じて処理されることが前提です。

SharePoint 統合モードの既定の構成でレポート サーバーをインストールする方法

SharePoint モードの既定の構成を指定するには、コマンド ラインまたはインストール ウィザードを使用します。手順については次のトピックを参照してください。

コマンド ライン スクリプトの例

次の例には、既定の構成に必要なデータベース エンジン サービスが示されています。

setup /q /ACTION=install /FEATURES=SQL,RS,TOOLS /INSTANCENAME=MSSQLSERVER 
/SQLSYSADMINACCOUNTS="BUILTIN\ADMINISTRATORS" /RSSVCACCOUNT="NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE" 
/SQLSVCACCOUNT="NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE" /AGTSVCACCOUNT="NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE" 
/RSSVCSTARTUPTYPE="Manual" /RSINSTALLMODE="DefaultSharePointMode"

インストール ウィザード

[機能の選択] ページで [Reporting Services] を選択すると、[Reporting Services 構成] ページでインストール モードを指定できるようになります。SharePoint 統合モードのインストールを指定するには、[Reporting Services 構成] ページで [SharePoint 統合モードの既定の構成をインストールする] を選択します。