開発者ガイド (Integration Services)
Integration Services には、完全に再記述されたオブジェクト モデルが含まれています。それは、多数の機能で強化されています。この結果、パッケージのプログラミングや拡張作業は、より簡単に、柔軟に、また強力に行うことができるようになりました。開発者は、Integration Services パッケージのほとんどすべての側面を拡張およびプログラミングできます。
Integration Services の開発者として、Integration Services のプログラミングでは、次の 2 つの基本的な方法を採用できます。
SSIS デザイナー内で使用可能になるコンポーネントを記述してパッケージを拡張し、パッケージにカスタム機能を提供できます。
開発者独自のアプリケーションから、プログラムでパッケージを作成、構成、および実行することができます。
Integration Services の組み込みコンポーネントが要件を満たしていない場合は、独自の拡張機能をコーディングすることによって Integration Services の機能を拡張できます。この方法をとる場合、以下のように 2 つの選択肢があります。
単一のパッケージで臨時に使用する場合は、スクリプト タスクでコードを記述してカスタム タスクを作成するか、またはスクリプト コンポーネントでコードを記述してカスタム データ フロー コンポーネントを作成し、変換元、変換、あるいは変換先として設定することができます。これらの強力なラッパーによってインフラストラクチャ コードが自動的に記述されるため、開発者はカスタム機能の開発に集中できます。ただし、他の場所で簡単に再利用することはできません。
複数のパッケージで使用する場合は、接続マネージャー、タスク、列挙子、ログ プロバイダー、およびデータ フロー コンポーネントなどの Integration Services のカスタム拡張機能を作成できます。Integration Services のマネージ オブジェクト モデルには、基になる基本クラスが含まれており、従来よりもカスタム拡張機能の開発が簡単になっています。
パッケージを動的に作成する場合、または開発環境以外で Integration Services パッケージを管理および実行する場合は、プログラムでパッケージを操作できます。既存のパッケージを読み込み、変更し、実行できます。または、まったく新しいパッケージをプログラムで作成および実行することもできます。この場合、次に示すような一連の方法があります。
既存のパッケージを読み込んで、変更せずに実行します。
既存のパッケージを読み込み、再構成 (異なるデータ ソースの指定など) してから実行します。
新しいパッケージを作成し、コンポーネントを追加および構成後、オブジェクト単位やプロパティ単位で変更し、保存してから実行します。
ここでは、Integration Services のプログラミングに対するこれらの方法について説明し、例を示します。
このセクションの内容
Integration Services プログラミングの概要
Integration Services 開発での制御フローおよびデータ フローの役割について説明します。同期および非同期変換について
同期出力と非同期出力の重要な相違点、およびデータ フローでこれらの出力を使用するコンポーネントについて説明します。プログラムによる接続マネージャの操作
マネージ コードで使用できる接続マネージャーと、コードが AcquireConnection メソッドを呼び出した場合に接続マネージャーが返す値の一覧を表示します。スクリプトによるパッケージの拡張
スクリプト タスクを使用した制御フローの拡張方法、またはスクリプト コンポーネントを使用したデータ フローの拡張方法について説明します。カスタム オブジェクトを使用したパッケージの拡張
複数のパッケージで使用するプログラム カスタム タスク、データ フロー コンポーネント、およびその他のパッケージ オブジェクトを作成する方法について説明します。プログラムによるパッケージの作成
Integration Services パッケージをプログラムで作成、構成、および保存する方法について説明します。プログラムによるパッケージの実行と管理
Integration Services パッケージをプログラムで列挙、実行、および管理する方法について説明します。
参照
データ フローのプロパティに関するリファレンス
データ フロー コンポーネントのカスタム プロパティを一覧表示します。これらのカスタム プロパティは実行時のみに存在し、マネージ プログラミング リファレンスには含まれていません。Integration Services のエラーおよびメッセージのリファレンス
定義済みの Integration Services エラー コードと、そのシンボル名および説明の一覧を示します。
関連セクション
- パッケージ開発のトラブルシューティング
開発時にパッケージのトラブルシューティングを行うために Integration Services に用意されている機能とツールについて説明します。
外部リソース
- CodePlex のサンプルは、「Integration Services Product Samples」(英語) (www.codeplex.com/MSFTISProdSamples) から入手できます。