データ マイニング デザイナでのマイニング モデルの管理
データ マイニング デザイナの [マイニング モデル] タブでは、マイニング構造内に存在するマイニング モデルを変更したり、その構造に新しいマイニング モデルを追加したりできます。マイニング モデルは、データ マイニング ウィザードを使用して定義したマイニング構造に基づきます。
[マイニング モデル] タブは、マイニング構造を示す 1 つの列および関連する各マイニング モデルを示すその他の列を持つグリッドで構成されています。グリッドの構造列内の各セルは、構造内で定義されている列の一覧で、グリッドのマイニング モデル列内の各セルは、モデルがマイニング構造の列を使用する方法の一覧です。
[マイニング モデル] タブでは、マイニング モデルの処理または新しいマイニング モデルの作成を行うことができます。[プロパティ] ウィンドウを使用すると、マイニング構造および関連するマイニング モデルのプロパティを調整できます。[アルゴリズム パラメータ] ダイアログ ボックスを使用すると、マイニング モデルの定義に使用するアルゴリズムのパラメータを調整できます。
詳細情報 : 「データ マイニング オブジェクトの処理」、「マイニング構造の列プロパティの設定」、「マイニング モデルのプロパティの設定」、「[マイニング モデル] タブ : 操作方法に関するトピック」
新しいマイニング モデルの定義
データ マイニング ウィザードを完了すると、ウィザードで定義したマイニング構造に基づく 1 つのマイニング モデルがソリューション エクスプローラの [マイニング構造] フォルダに作成されます。データ マイニング デザイナを使用すると、マイニング構造に他のモデルを追加できます。新しいモデルはすべて同じマイニング構造を共有する必要がありますが、各モデルのアルゴリズムの種類、列の使用法、およびアルゴリズム固有のパラメータは異なっていてもかまいません。
1 つのマイニング構造に基づく複数のモデルを作成すると、次のような利点があります。
結果の表示方法は、アルゴリズムの種類によって異なります。同じ構造から複数のモデルを定義すると、同じデータから異なる情報を得ることができます。たとえば、データの調査を行うためのクラスタリング モデルおよびデータから予測を作成するためのデシジョン ツリー モデルを使用するような場合です。
マイニング モデルの結果は、パラメータの設定によって変えることができます。同じアルゴリズムを使用して複数の異なるモデルを作成し、特定のパラメータの設定だけを変更できます。その結果を比較して、アルゴリズムに最適な設定を選択できます。
モデルのトレーニングとテストに使用するデータを制御するフィルタを、モデルに適用できます。
マイニング モデルの結果は、選択した入力列によって影響を受けます。使用する入力列が異なるだけの複数のモデルを作成でき、結果を比較して、入力として使用する列を決めることができます。
詳細情報 : 「既存のマイニング構造にマイニング モデルを追加する方法」、「データ マイニング アルゴリズム (Analysis Services - データ マイニング)」、「マイニング モデルのフィルタの作成 (Analysis Services - データ マイニング)」
既存のマイニング モデルの編集
[マイニング モデル] タブでは、既に作成済みのモデルを変更できます。アルゴリズムの種類、モデル名、および各アルゴリズム固有のパラメータを変更できます。列の使用法を変更したり、モデル列に別名を追加したりすることもできます。また、マイニング モデルのトレーニングとテストを行う際に適用するフィルタの作成も可能です。
詳細情報 : 「[マイニング モデル] タブ : 操作方法に関するトピック」
また、[マイニング構造] タブで、基になるマイニング構造を変更して、マイニング モデルを変更することもできます。
詳細情報 : 「データ マイニング デザイナでのマイニング構造の管理」
マイニング列の使用法の変更
[マイニング モデル] タブで、グリッド内のモデル列のセルを使用して、マイニング モデルに含める列の変更や、入力列、キー列、予測可能列などの各列の使用法の変更を行うことができます。各セルは、マイニング構造内の列に対応します。キー列の場合は、セルを Key または Ignore に設定できます。入力列または出力列の場合は、セルを次の値に設定できます。
Ignore
Input
Predict
PredictOnly
セルを Ignore に設定した場合は、列はマイニング モデルから削除されますが、その列はそのまま構造内の他のマイニング モデルが使用できます。
モデル列の別名の使用
Analysis Services でマイニング モデルを作成すると、マイニング構造内の列と同じ名前が使用されます。マイニング モデルのすべての列に、別名を追加できます。こうすると、列の内容や使用法がわかりやすくなったり、名前が短くなるためクエリを作成しやすくなったりします。
別名を作成するには、マイニング モデル列の Name プロパティを編集します。元の名前は列の ID として Analysis Services で引き続き使用され、Name に入力した新しい値が列の別名となります。この別名は、グリッド内で列の使用法の横にかっこで囲まれて表示されます。
この例では、収入に関連したマイニング構造列の複数のコピーを持つ関連モデルを示しています。構造列のコピーは、それぞれ異なる方法で分離されています。図のモデルでは、それぞれ異なる列をマイニング構造から使用していますが、モデル間で列を比較しやすくするため、各モデルの列名を [収入] に変更しました。
フィルタの追加
マイニング モデルにはフィルタを追加できます。フィルタは、モデル ケース内のデータをあるサブセットに制限する一連の WHERE 条件です。フィルタは、モデルのトレーニング時に使用します。必要に応じて、モデルのテスト時や、精度チャートの作成時にも使用できます。
詳細については、「マイニング モデルのフィルタの作成 (Analysis Services - データ マイニング)」を参照してください。