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Analysis Services インスタンスの名前変更

Microsoft Analysis Services の既存のインスタンスの名前は、[インスタンス名の変更] ダイアログ ボックスを使用して変更できます。

セキュリティに関する注意セキュリティに関する注意

インスタンスの名前を変更しているとき、Analysis Services Instance Rename Tool (インスタンス名変更ツール) が高度な特権で実行され、インスタンスに関連付けられている Windows サービス名、セキュリティ アカウント、およびレジストリ エントリが更新されます。 これらのアクションを確実に実行するため、このツールは必ずローカルのシステム管理者として実行してください。

Analysis Services インスタンス名変更ツールでは、元のインスタンスのために作成されたプログラム フォルダーは変更されません。 変更後のインスタンス名に合わせてプログラムのフォルダー名を変更することは避けてください。 プログラム フォルダーの名前を変更すると、セットアップ プログラムによるインストールの修復やアンインストールに支障が生じる場合があります。

注意

Analysis Services インスタンス名変更ツールのクラスター環境での使用はサポートされていません。

Analysis Services のインスタンス名を変更するには

  1. インスタンス名の変更ツール (C:\Program Files\Microsoft SQL Server\110\Tools\Binn\ManagementStudio の asinstancerename.exe) を起動します。

  2. [インスタンス名の変更] ダイアログ ボックスの [名前を変更するインスタンス] 一覧で、名前を変更するインスタンスを選択します。

  3. [新しいインスタンス名] ボックスに、インスタンスの新しい名前を入力します。

  4. ユーザー名とパスワードが正しいことを確認したら、[名前の変更] をクリックします。

    名前の変更には、Analysis Services インスタンスの停止と再起動が伴います。

名前変更後のチェック リスト

  1. 名前変更後のインスタンス上で実行されているデータベースに再度アクセスするためには、Excel などのクライアント アプリケーションからデータ接続を手動で更新する必要があります。 また、Reporting Services の共有データ ソース、Excel ODC ファイル、BI Semantic Model 接続ファイルなど、名前の変更されたインスタンスを参照している可能性のある定義済みの接続をすべてチェックしてください。 詳細については、「Analysis Services への接続」を参照してください。

  2. データベースのバックアップや同期、処理などに普段使用している PowerShell スクリプトまたは AMO スクリプトを更新します。

  3. SQL Server Data Toolsで使用する Analysis Services プロジェクトのプロパティを更新します。 テーブル モードのサーバー インスタンスの場合は、model.bim ファイルの [ワークスペース サーバー] プロパティと、プロジェクトの [サーバー] プロパティを必ず更新してください。

  4. サービス アカウントの指定方法によっては、データへのアクセス権をサービスに付与するデータベース ログインまたはファイル権限を更新する必要があります (サービス アカウントを使用してデータを処理する場合や、別のサーバー上のリンク オブジェクトにアクセスする場合など)。

    仮想アカウントを使用してサービスを準備した場合は、データベース ログインまたはファイル権限を更新する必要があります。 仮想アカウントはインスタンス名に依存するため、インスタンスの名前を変更した場合、同時に仮想アカウントも更新されます。 つまり、変更前のインスタンス用に作成したログインや権限はすべて無効になります。

    以下に例を示します。 既定の仮想アカウントを使用し、"Tabular" というインスタンス名でテーブル モードのサーバーをインストールしたとします。この場合、次のような構成になります。

    1. インスタンス名 = <server>\TABULAR

    2. サービス名 = MSOLAP$TABULAR

    3. 仮想アカウント = NT Service\ MSOLAP$TABULAR

    ここで、インスタンスの名前を "TAB2" に変更したとします。 名前を変更したことで、必要な構成も次のように変わります。

    1. インスタンス名 = <server>\TAB2

    2. サービス名 = MSOLAP$TAB2

    3. 仮想アカウント = NT Service\ MSOLAP$TAB2

    当然、"NT Service\ MSOLAP$TABULAR" に付与されていたデータベースおよびファイルの権限は無効になります。 それまでサービスによって実行されてきたタスクや操作を従来と同じように実行するためには、新しくデータベースとファイルの権限を "NT Service\ MSOLAP$TAB2" に付与する必要があります。