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Configuration Manager サイト システムのネットワーク負荷分散の構成方法

適用対象: System Center Configuration Manager 2007, System Center Configuration Manager 2007 R2, System Center Configuration Manager 2007 R3, System Center Configuration Manager 2007 SP1, System Center Configuration Manager 2007 SP2

ネットワーク負荷分散 (NLB) クラスタにより Configuration Manager 2007 の拡張性が提供され、1 つのサイトで 25,000 を超えるクライアントのサポートが可能になります。

Windows Server のネットワーク負荷分散は、クライアントの要求を一連のサーバーに分散し、1 つのクラスタで Windows Server 2003 を実行しているコンピュータを最大 32 台サポートします。ネットワーク負荷分散がネットワーク ドライバとしてクラスタ内のメンバ サーバー (ホスト) それぞれにインストールされると、クラスタはクライアントの要求に対して仮想のインターネット プロトコル (IP) アドレスまたは完全修飾ドメイン名 (FQDN) を提示します。クライアント要求はクラスタ内のすべてのホストに送信されますが、そのうち 1 台のホストのみがその要求を受け入れて処理します。

Configuration Manager 2007 のすべてのサービス パック レベルで、次のサイト システムの役割における NLB クラスタの使用がサポートされます。

  • 管理ポイント

  • ソフトウェアの更新ポイント

  • サーバー ロケータ ポイント

NLB クラスタ内のそれぞれのホストが、該当する Configuration Manager サービス パック レベルのサイト システムのサポートされる構成要件を満たしている必要があります。Configuration Manager 2007 は、次のオペレーティング システムで NLB クラスタの使用をサポートします。

  • Windows Server 2008

  • Windows Server 2008 R2

  • Windows Server 2003

  • Windows Server 2003 R2

Configuration Manager の NLB クラスタを構成するには、このページの次の情報に従ってください。

  • <token xmlns="http://ddue.schemas.microsoft.com/authoring/2003/5">sccmno2007</token> の NLB クラスタの計画

  • Windows Server コンピュータの NLB クラスタ メンバとしての構成

  • NLB クラスタ メンバへのサイト システムの役割のインストール

  • 混在モード サイトのクライアント承認用の NLB 管理ポイントの構成

  • ネイティブ モード サイトの NLB 管理ポイントと NLB ソフトウェアの更新ポイントの構成

  • <token xmlns="http://ddue.schemas.microsoft.com/authoring/2003/5">sccmno2007</token> での NLB クラスタの指定

Configuration Manager の NLB クラスタの計画

Configuration Manager NLB クラスタの一部となるすべてのコンピュータが次の要件を満たしている必要があります。

  • NLB クラスタ内のすべてのコンピュータが同じドメインになければなりません。

  • NLB クラスタの各コンピュータは、静的 IP アドレスを使用する必要があります。

  • NLB クラスタの各コンピュータで、[ネットワーク負荷分散] が有効にされている必要があります。

  • ネイティブ モードのサイトでは、NLB クラスタが FQDN 用に構成されている必要があります。

  • NLB クラスタは、静的な IP アドレスを必要とします。

Windows Server コンピュータの NLB クラスタ メンバとしての構成

Windows Server を NLB クラスタの一部として構成する方法の詳細は、使用している Windows Server のバージョンにより異なりますが、次の構成要件はすべてのバージョンに共通しています。

  • [クラスタ操作] モードが [ユニットキャスト] に設定されている必要があります。

  • Configuration Manager 2007 ネイティブ モード サイトでは、NLB クラスタが FQDN を必要とします。

  • DNS は静的 IP アドレスを自動的に登録しないため、ホスト (A) または (AAAA) レコードを使用して DNS で NLB クラスタ名を手動設定する必要があります。

NLB クラスタを Configuration Manager 用に構成するには、使用している Windows Server オペレーティング システムについての次の説明を参照してください。

Windows Server 2003 および Windows Server 2003 R2 で NLB.exe を使用して Configuration Manager サイト システム コンピュータ用にネットワーク負荷分散を構成するには

  1. [スタート] ボタン、[すべてのプログラム]、[管理ツール]、[ネットワーク負荷分散マネージャ] の順にクリックします。

  2. メニュー バーで [クラスタ]、[新規作成] の順にクリックして [クラスタ パラメータ] ダイアログ ボックスを開きます。

  3. [クラスタ パラメータ] ダイアログ ボックスで、ネットワーク負荷分散クラスタの IP 構成用の情報を入力します。

    • IP アドレス: DNS に登録される NLB クラスタの IP アドレス

    • サブネット マスク: DNS に登録される NLB クラスタの IP アドレスのサブネット マスク

    • フル インターネット名: DNS に登録される NLB クラスタ名の FQDN

  4. [クラスタ操作モード] で [ユニキャスト] が選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。

  5. [クラスタ IP アドレス] ページで [次へ] をクリックします。

  6. [ポートの規則] ページで [編集] をクリックし、NLB クラスタが応答するポートを定義して、サイト用に定義されたクライアントからサイト システムへの通信に使用されるポートを構成するか、または [次へ] をクリックして NLB クラスタの IP アドレスがすべての TCP/IP ポートに応答するようにします。

    注意

    [アフィニティ] が [単一] に設定されていることを確認します。

  7. [接続] ページの [ホスト] に、NLB クラスタの一部となるサイト システムのホスト名を入力し、[接続] をクリックします。

  8. [新しいクラスタの構成に利用できるインターフェイス] で、NLB クラスタ通信に応答するように構成されるネットワーク インターフェイスを選択し、[次へ] をクリックします。

  9. [ホスト パラメータ] ページで、表示される内容を確認し、[専用 IP 構成] に正しい NLB クラスタのホスト専用の IP 構成が表示され、ホストの初期状態の [既定の状態] が[開始] になっていることを確認して [完了] をクリックします。

    注意

    [ホスト パラメータ] ページには、NLB クラスタ ホストの優先順位 (1-32) も表示されます。新しいホストが NLB クラスタに追加される場合、そのホストの優先順位は以前に追加されたホストの優先順位とは異なっている必要があります。ネットワーク負荷分散マネージャを使用している場合、優先順位は自動的に増分されます。

  10. 操作を続行する前に、[<NLB クラスタ名>] をクリックし、NLB ホスト インターフェイスの [状態] に [収束済み] と表示されていることを確認します。この手順では、ネットワーク負荷分散マネージャによりホストの TCP/IP 構成が変更されるため、NLB クラスタの表示のリフレッシュが必要になる場合があります。

  11. NLB クラスタにホストを追加するには、<NLB クラスタ名> をクリックして [ホストをクラスタに追加] をクリックし、NLB クラスタの一部となるサイト システムそれぞれに対して、手順 7 ~ 10 を繰り返します。

NLB クラスタ メンバへのサイト システムの役割のインストール

NLB クラスタを構成した後、その NLB クラスタ内の各コンピュータ (ホスト) に Configuration Manager サイト システムの役割をインストールする必要があります。操作を続行する前に、サイト システムの役割がインストールされて正しく動作していることを確認してください。

サイト システムの役割を Configuration Manager 2007 サイト システムに追加する方法の詳細については、「サイト システムの新しい役割の追加方法」を参照してください。

混在モード サイトのクライアント承認用の NLB 管理ポイントの構成

混在モードで運用しているサイトでクライアントの自動承認を使用している場合、次の追加の構成が必要です。

  • Active Directory ドメイン サービスでインターネット インフォメーション サービス (IIS) アプリケーション プール サービス アカウントを作成し、そのアカウント用にサービス プリンシパル名 (SPN) を登録します。

  • このアカウントが、ネットワーク負荷分散クラスタの一部として構成された各管理ポイントのインターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャで [CCM Windows Auth Server Framework Pool] を実行するように構成します。

重要

この追加の構成は、ネイティブ モードで運用するように構成されたサイトの場合は不要です。ネイティブ モードでは SSL 証明書を使ってクライアント認証を行います。Active Directory ドメイン サービスでアプリケーション プール サービス アカウントの SPN を構成する必要はありません。

NLB クラスタ内で構成された Configuration Manager 管理ポイント サイト システムの IIS アプリケーション プールの SPN の構成および登録の詳細については、「SPN を NLB 管理ポイント サイト システムとして構成する方法」を参照してください。

IIS アプリケーション プールの SPN を Active Directory ドメイン サービスで登録した後は、NLB クラスタ内の各コンピュータを、このアカウントを使用するように構成する必要があります。

ネットワーク負荷分散クラスタに構成された管理ポイント サイト システムに対して IIS アプリケーション プール サービス アカウントを構成するには

  1. [スタート] ボタン、[すべてのプログラム]、[管理ツール]、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ] の順にクリックして、インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ コンソールを開きます。

  2. <コンピュータ名> を展開し、[アプリケーション プール] を展開して、[CCM Windows Auth Server Framework Pool] を右クリックして [プロパティ] をクリックします。

  3. [CCM Windows Auth Server Framework Pool のプロパティ] で、[ID] タブをクリックします。

  4. [構成可能] を選択し、アプリケーション プール サービス アカウントの [ユーザー名] と [パスワード] に情報を入力し、[OK] をクリックします。[パスワードの確認入力] ダイアログ ボックスでアプリケーション プール サービス アカウントのパスワードを確認します。

ネイティブ モード サイトの NLB 管理ポイントと NLB ソフトウェアの更新ポイントの構成

ネットワーク負荷分散を、ネイティブ モード サイトの Configuration Manager 管理ポイントまたはソフトウェアの更新ポイント用に構成するときは、証明書が正しく構成されていることを確認してください。NLB クラスタの各メンバ サーバーには、NLB サイト システムの FQDN とサイト システム サーバー名の両方が含まれている公開キー基盤 (PKI) 証明書が必要です。詳細については、「ネイティブ モードの証明書要件」の「ネットワーク負荷分散管理ポイントまたはネットワーク負荷分散ソフトウェアの更新ポイント」セクションに示された証明書の要件を参照してください。

Configuration Manager での NLB クラスタの指定

Configuration Manager コンソールで、ネットワーク負荷分散の管理ポイントおよびソフトウェアの更新ポイントを指定する必要があります。

重要

混在モード サイトでの NLB クラスタの管理ポイントについては、次の構成手順を行う前に、NLB クラスタの各メンバで IIS アプリケーション プールの構成を完了させる必要があります。

Configuration Manager で NLB 管理ポイントおよびソフトウェアの更新ポイントを指定するには

  1. Configuration Manager コンソールで、[System Center Configuration Manager]、[サイト データベース]、[サイトの管理]、[<サイト コード> - <サイト名>]、[サイト設定]、[コンポーネントの構成] の順に移動します。

  2. [管理ポイント コンポーネント] または [ソフトウェアの更新ポイント コンポーネント] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [全般] タブで、ネットワーク負荷分散クラスタを使用するオプションを選択し、そのネットワーク負荷分散クラスタをホストする仮想サーバーの IP アドレスまたは FQDN を構成します。

ネットワーク負荷分散クラスタとして構成されたサーバー ロケータ ポイントであるサイト システムは、Configuration Manager コンソールで定義されません。代わりに、クライアントのインストール時にコマンド ライン オプションの /SMSSLP=<サーバー ロケータ ポイント NLB クラスタ名> を使用して、サーバー ロケータ ポイント NLB を指定します。

WINS を使用する場合、サイト システムの情報を手動で WINS に追加する必要があります。Configuration Manager サイトの情報を WINS に手動で追加する方法の詳細については、「WINS に Configuration Manager サイト情報を手動で追加する方法」を参照してください。

参照:

タスク

SPN を NLB 管理ポイント サイト システムとして構成する方法
サイトの既定の管理ポイントの構成方法
NLB 管理ポイントのイントラネット FQDN の構成方法
ローミングとサイト割り当てのための HTTP 通信の構成方法

概念

Configuration Manager およびネットワーク負荷分散クラスタ
Configuration Manager とサービスの場所 (サイト情報と管理ポイント)

その他の情報については、「Configuration Manager 2007 Information and Support」 (Configuration Manager 2007 の情報とサポート) を参照してください。
ドキュメント チームに連絡するには、次のアドレスに電子メールを送信してください。 SMSdocs@microsoft.com.