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Wake On LAN に関する問題のトラブルシューティング

適用対象: System Center Configuration Manager 2007, System Center Configuration Manager 2007 R2, System Center Configuration Manager 2007 R3, System Center Configuration Manager 2007 SP1, System Center Configuration Manager 2007 SP2

このトピックでは、Configuration Manager の Wake On LAN によってコンピュータが正常にウェイクアップしない場合のトラブルシューティングについて説明します。

コンピュータが Wake On LAN の送信をサポートしていないためウェイクアップしない

Wake On LAN の展開が成功するかどうかは、Configuration Manager 外部の多くの要因によります。コンピュータ自体の要因には、次のものが含まれます。

  • ネットワーク アダプタ (およびドライバ) が Wake On LAN テクノロジで使用するマジック パケット形式をサポートしている

  • 送信方法としてサブネット向けのブロードキャストではなく、ユニキャストを使用している場合は、ネットワーク アダプタ (およびドライバ) がユニキャストをサポートしているかどうか

  • ウェイクアップ パケットをサポートするための構成が適切に行われている。構成がベンダに依存しており、BIOS およびドライバまたはアダプタのプロパティが Windows に含まれている可能性がありますが、古いネットワーク アダプタでは、有線接続や移動式ジャンパーがアダプタに含まれている可能性があります。

    注意

    Configuration Manager で Wake On LAN を使用してコンピュータをウェイクアップする場合は、パスワードが設定された BIOS が構成されていないことを確認してください。BIOS パスワードが設定されていると、パスワードを手動で入力するまでコンピュータは起動しません。

解決方法

ウェイクアップ パケットのサポートおよび必要な構成に関するベンダのドキュメントを参照してください。

ネットワーク インフラストラクチャが Wake On LAN の送信をサポートしていないためコンピュータがウェイクアップしない

Wake On LAN の展開が成功するかどうかは、Configuration Manager 外部の多くの要因によります。ネットワーク上では、Configuration Manager で指定したポート番号を使用してウェイクアップ送信パケットを許可するよう、ファイアウォール、ルーター、およびスイッチが構成されている可能性がありますが、これに限られません。

注意

ISA Server などのアプリケーションレベルのファイアウォールでは、プロトコルとしてのウェイクアップ送信は検出されないため、プロトコル ルールの「すべての IP トラフィックを許可」ではウェイクアップ パケットの転送には十分でありません。その代わりに、Wake On LAN 用に構成されたサイト サーバーのソース アドレスを使用して、Configuration Manager で指定したポート番号で UDP パケットを転送するよう IP フィルタ ルールを構成します。

解決方法

ウェイクアップ パケットのネットワークへの転送については、ネットワーク チームに問い合わせるか、ベンダのドキュメントを参照してください。ウェイクアップ送信に TCP ではなく UDP を使用します。この場合、送信元のサイト サーバーでは、送信先のコンピュータにパケットが到達したかどうかを確認することはできません。ウェイクアップ パケットがネットワークを正常に転送されたかどうかを確認するには、ネットワーク モニタを使用します。詳細については、「ウェイクアップ パケットが Wake On LAN のネットワークをスキャンしているかどうかを判断する」を参照してください。

Configuration Manager 2007 の Wake On LAN で使用される既定のポート番号は 9 ですが、カスタム ポート番号に変更できます。ポート番号の確認と変更の手続きについての詳細は、「Wake On LAN で使用するポートの構成方法」を参照してください。

クライアントがハードウェア インベントリ サイクルを完了していないためコンピュータがウェイクアップしない

サイト サーバーによって送信されるウェイクアップ パケットは、対象のコンピュータの MAC アドレスおよび以前に収集したハードウェア インベントリ情報を使用して作成されます。ハードウェア インベントリがサイトで有効になっていない場合、または対象のコンピュータがインベントリ情報をサイトに送り返していない新しい Configuration Manager クライアントの場合、サイト サーバーはウェイクアップ パケットを作成できません。

解決方法

ハードウェア インベントリが構成されており、ウェイクアップが必要なクライアントが少なくとも 1 つのハードウェア インベントリ サイクルを完了していることを確認してください。

詳細については、「サイトのハードウェア インベントリの構成方法」を参照してください。

最後のハードウェア インベントリ サイクル以降に IP アドレスが変更されたためコンピュータがウェイクアップしない

サイト サーバーでユニキャストをウェイクアップ送信方法として使用すると、ウェイクアップ パケットは、対象コンピュータの既知の IP アドレス (ハードウェア インベントリから取得) に送信されます。対象のコンピュータの IP アドレスが同じでなくなると、ウェイクアップ パケットを受信できなくなります。

サイト サーバーでサブネット向けのブロードキャストをウェイクアップ送信方法として使用すると、ウェイクアップ パケットは、対象コンピュータの既知の IP サブネット アドレス (ハードウェア インベントリから取得) に送信されます。対象のコンピュータのサブネット アドレスが同じでなくなると (Configuration Manager 階層内を頻繁にローミングするクライアントの場合など)、ウェイクアップ パケットは受信できなくなります。

解決方法

DHCP のリース時間を長くして、ハードウェア インベントリをより頻繁に実行するようにスケジュールすると、ウェイクアップ パケットが古いアドレスに送信される可能性を低くすることができます。

また、コンピュータの IP アドレスが頻繁に変更されても同じサブネット アドレスを使用している場合は、送信方法としてユニキャストではなくサブネット向けのブロードキャストを使用すると、コンピュータのウェイクアップの効果が向上します。

詳細については、次のトピックを参照してください。

参照:

概念

Wake On LAN の管理者の役割とプロセスを決定する
Wake On LAN の実装のシナリオ例
Wake On LAN の前提条件

その他のリソース

Wake On LAN のトラブルシューティング

その他の情報については、「Configuration Manager 2007 Information and Support」 (Configuration Manager 2007 の情報とサポート) を参照してください。
ドキュメント チームに連絡するには、次のアドレスに電子メールを送信してください。 SMSdocs@microsoft.com.